トスカは難しいぞ!

2019年07月02日 13時07分17秒 | オペラに挑戦
練習すればするほど、「どこまでできるんだろうか」と不安が大きくなっていく。公演前2カ月でこんなに不安がつのってるのは今までなかった。
何が難しいって、合唱に要求される全ての要素が盛り込まれてて、それが半端ない。きちんと表現できないとその場面を、いやオペラ全体を安っぽいものにしてしまう。先生からそこんとこを執拗に言われてる。話の裏を知ることでそのあたりが少し解ってきたんだが、ここが「トスカ」の凄さ。それが解ってくると不安がつのるのです。
「愛の妙薬」や「ボエーム」だと合唱は街の雑踏的な「ワイワイガヤガヤ」の世界表現で良かったのだが、「トスカ」の場合は話の背景にある社会情勢(日本でいえば明治維新のような大変革期)を民衆の立場で表現し、ソリストが歌う「恐ろしい人間模様のバック」をちゃんと作らないといけない。これができないとソリストの演技がただの「憎悪劇」になってしまう。重要な役割をあたえられてるんです。
それには合唱が「しっかりしたハーモニー」を聞かせないと駄目だし、さらにその場面の情感を表現しないといけない。
美しいハーモニーのためには「正しい発声」が必要不可欠。「情感表現」のためには場面を知り、その場の人になりきり、自分の表現で歌うことを要求される。先生は「ここはこう歌ってと教えられるところじゃないんだ。自分がどう表現したいかを見つけて、それを歌うしかない。それで初めて求める合唱になるんだ。」と言う。 ほらっ、ハードルが高くなるでしょう。
練習時の音を録音し、団員が聞いて勉強する環境を作ってるのだが、自分では高音域をその高さで歌ってるつもりでも、明らかに低い音で聞こえる。これでは「しっかりしたハーモニー」にならんことを実感してる。先生は「発声が悪いからです」と簡単に言う。でもその通りだとも解ってる。「情感を入れて歌う」 一般的に日本人にはにがてな行為でしょう。僕は特にその傾向有り。 さらに「カソリックの信者に成れ」と言われても、根が浄土真宗ですからね。
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2 コメント

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Unknown (ヒロ)
2019-07-08 11:17:17
そう…これを歌で表現しなければならないの。
民衆の歴史に足掻く感情がなければ、「こんなの革命されて仕舞えばいい!」と絶対にお客さんに思われたくない。

答えに悩んで悩んで…
お客さんには、家に帰ってからもこの議題を話し合ってもらえる演奏でありたいです。

別件、今夜メールします😉
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「内なる表現」のために ()
2019-07-08 13:44:11
ヒロ 解ってるんですよ。 でも出来ないんです。 石井先生が言ってたけど、「泣いてもだめ。やるしかないんでしょう」。 そうですよね。
出来ない自分を棚に上げて言うのもなんですが、(先日も練習後にお話しましたが)、もう「譜面やそこに書いてある注意書きを読みながら歌う」のは止めるべきだと思います。言われた事をメモるのはいいけど、それを自分のものにするのは「自習してこい」でいいんじゃないですか。「どう歌うのか、どう歌いたいのか」を自問し、その答えを実践してみることを積み重ねていかないとヒロが求める合唱にはならんのではないかと思うのです。結果みんながしっかり酔える合唱になったらいいなと想像してます。 「出来る力がある仲間」だと気づきながら、練習聞き、歌ってます。
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