
会社時代の先輩が退職後に能面彫りを始められ、その会の発表会に誘われたのだ。能面を観る、作り方を知るいいチャンスと考えて出かけました。全くそんな趣味の無い僕ですが、観てれば何か感じるわけで、そういうプチ感動は高齢者には大事でしょう。
能面の基本面らしいですが、「小面(こおもて)」とか「翁」といった面にはさして面白みを感じなかったのです。どこか理屈っぽい感じ。「幽玄美」 う~ん解からんな。
「力士」とか「不動」は面白い、楽しいと観ました。自分が彫るならこれがいいな。彫りが深くて、特徴があって、力感ある物ということでしょう。
先輩ももう20年になるらしい。自分もそうだけど、趣味もって生活するのって大事ですよね。生活の中にそういう時間があれば、アクセントが付く、語れる仲間ができる、自分の内側と向き合うことができる。 僕もたまたま上手くそんな趣味にぶつかったということなんだろうけど、結果いい高齢者してると思うからね。
能面展に行くと決めた時にランチは「だるま食堂」でと決めた。

ここは昔まだ両親が健在だった頃、母が教えてくれて大家族で食べに行った思い出がある食堂です。明治時代からの老舗で天婦羅系を売りにしてるんだと思います。そこで僕は天丼、かみさんは想い描いてた「キンメの煮付」を頂きました。お品書きに「キンメの煮付」は「時価」とあったのですが、恐る恐る時価を伺ったところ、予想を下回った。ならばで注文、かみさんは満足できたようです。
あいにくの雨日だったのですが、美味しいものを頂き、面白い物を見てプチ感動して、昔の仲間と話しができて 最高の1日じゃないですかね。
そうですか、「小面」をもってらっしゃるのですか。今のところ、あの面を静かに眺めて、心の安寧が得られるような心得が無いですね。どちらかと言えば「不気味感」が強くなるんじゃないでしょうか。「力士」面なら楽しさがでてきて、笑えるかもしれません。
1人が7,8作品を展示してるので、同じ面を複数個見れました。良い悪いではなく、作者の個性が出てて面白いものです。能面は細かい設計図というか、MRIで脳の断層写真を撮ったような断面スケールが何枚もあって、それをあてながら、ここはまだ高いの、低いので彫っていくようです。同じスケールに合わせて彫っていくのに、顔の趣が違ってくるんですね。それとあえて左右対称にはしないらしいんですが、その辺もそれぞれ違う。まさに個性の塊。
のめり込んでいく のは理解できそうなんですが、僕の趣味じゃないな。まだ仏像の顔の方がいい。
だるま食堂は 小田原に行く機会があれば一度行ってみる価値ありますよ。
きんめの煮付け、天丼、美味しそうで両方食したい。
我等夫婦だったら、お皿を1枚頂いて、シェアするか。せこいね、私も。
両親と天ぷら。思い出しますね。浪人をしているとき、元気づけに天ぷら屋さんで超豪華にごちそうしてくれたこと。私がボーナスが出たときに、ホテルのカウンター天ぷらをごちそうしたこと。あのときみんな若かった。