キャッシュトラック/ガイ・リッチー監督
現金輸送車の従事する人間には、一定のスキルが必要なようで、その試験ではたいした成績では無かったとされる男の乗ったトラックが強盗に襲われるのだが、優れた戦闘能力を発揮して強奪を防いでしまう。この男には謎めいた過去があり、現金輸送車の会社ごと強盗をするという元軍人組織と対峙することになるのだったが……。
主演がジェイソン・ステイサムなので、激しいアクション活劇映画になっている。あちらは拳銃国家なのでふつうにドンパチやるわけだが、防弾チョッキをしていてもちょっとした隙間から被弾してしまうほど激しい銃撃戦をやっている。それに機関銃で人を撃つと、とてもじゃないけど普通の人間は耐えられない。ジェイソン・ステイサムを除いては……。
そういう訳で、そういう部分は荒唐無稽なアクションとはいえるが、リアルっぽく人が死んだりすることもあって、お話の展開としてはそれなりに手に汗握る。そうしてこの物語が、壮絶な復讐劇であることも知ることになる。そういう意味ではミステリ要素もあるのである。敵味方にも通じる人物がいたりして、人間ドラマも見られる。それはもうてんこ盛りである。そういう仕組みづくりが上手くいっている娯楽作だとはいえるが、お金を奪ったら、ちゃんと使った方がいいような気もしないではない。そういう人物がかっこいいってことなんだろうけれど、一応悪人なので、ダークな部分があった方が僕としては面白かったのにな、と残念であった。どういう意味か分からないだろうけど、観てのお楽しみである。