カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

体験ルポ 国会議員に立候補する

2011-03-22 | 読書
体験ルポ 国会議員に立候補する/若林亜紀著(文春新書)
 行革ジャーナリストの選挙体験記である。若林さんの記事は雑誌などで読んでいて(本も持っているようだ「独身手当」新潮文庫。これも結構頭にきますよ。お勧めです)同調して腹を立てたことがあったので、そろそろ選挙だし興味本位で手に取った。
 率直に選挙のドタバタぶりが赤裸々に綴られており、失礼ながら結構笑える。当時のことを振り返ってみて、「みんなの党」という名前はどうなのかという疑問はありながらも、少しばかり期待していた政党だったので、ちょっとばかしびっくりするような強権ぶりも知って参考になった。政党政治というのは、結局はそういうものなのかもしれない。
 選挙というもののわけのわからなさと無用な金のかかる仕組みというのが良く分かるのも、さすがジャーナリストである。当人もその時は流されるように選挙に金を使わざるを得ない。おかしいと思いながらも、どうしようもなく、さらに追い打ちをかけるように不条理に騙されたりしている。酷い人達は思い切って名前を出しても良いんじゃなかろうかとは思ったが、まあ、分かる程度には明らかなのかもしれない。妙なルールではあるが、その選挙違反を堂々と破るのが弁護士候補だったりするのも笑える。恣意的に解釈できる公職選挙法って、いったい何なんだろう。日本は遅れているというより、ただ単に滑稽に悲しい。
 ただ、こと選挙を戦うということについては、身近に選挙にかかわったりした個人的な体験もあるので、若林さんのそれは、国政選挙という違った側面を勘案しても、なんとなく甘い感じがするのも確かだった(出版に対する厳しさとは取り組みが違うというか)。ご本人自身が反省しておられるけれど、結構現場はそれなりに厳しいものである。支持者の中でもいろんな人がいるので、全部がプラスになるわけでもない。微妙な選挙妨害もあるし、心無い言葉も容赦なく浴びせられる。ひょっとしたらあえて割愛したということもあるのかもしれないけれど、政治家や政治家候補というのは、そういう意味で本当に強くなってしまうのかもしれない。僕は気の毒だと思うが、知らない人は、政治家が汚く見えてしまうのかもしれない原因だと思う。政治家の多くは一般大衆よりお人好しで、少なくとも正義感においては比較的純粋な人が多いように思う。しかしそれではとても人間的にはもたないので、裏表を作って精神安定を図っているんじゃないかと疑ってしまうほどだ。それほど世間人や選挙にかかわったり群がったりする人たちは激しく汚い。
 僕自身は今の政治制度はもちろんだが、選挙そのものに対してそれなりに不満がある。選挙というのは、本来は本人の掲げる政策が第一であるべきだと思う。しかしながら現実には、支持母体が無ければ、その母体の思惑を生かす代理人でなければ、選挙というものはまともに戦えない。地盤・看板・鞄、というのは本当に本当の話で、結局選挙に強い人はこの三つが強いのだ。つまるところ選挙期間の運動というのはただのお祭り騒ぎで、名前を連呼するくらいで投票する人なんて、ほとんど存在しないだろう。しかし支持者はそうすることを求めるし、他になす術がないから候補者もそのようにふるまっているようなものだ(中には本当に一所懸命な人もいるだろうが)。選挙制度がそのようなふるまいを演出するような脚本になっており、本当に有権者に選択をさせるような討論会などのまともな比較の場が、あまりにも少ない。日本の選挙が外国人から奇妙でおもしろいものに見えるのは当然で、その奇妙なことを真面目にやっている裸の王様状態なのかもしれない。
 しかしながらだからと言って、現行の選挙活動はこのような展開しか許されない。当選した政治家は、その後は何故かこのような不条理に慣れてしまうらしく、まともに改革しようともしない。あがってしまうと三バンはそれなりに固まるので、逆に厄介になってしまうのかもしれない。
 間もなく統一地方選挙である。実はそういうわけで、実際は選挙前の頑張りや基盤固めなどの戦いは終わっており、後は祭りが始まるということのようだ。まあ、お願いされるのは後の方がいいという話もあって、そういう期待無しにやってられないというのが正直なところだろう。選挙のときだけ頑張っても、政治の世界はどうにもならない。しかしながら選挙に当選しなければ、政治家はただの人である。日本の民主主義って、たいへんに難しいものだと改めて思うのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイガーマスクは燃料も

2011-03-22 | 時事
朝起きたら燃料満タン、灯油缶も

 そう簡単に現地に入れるものかもわからないし、被災民の方にピンポイントに届くかどうかも怪しいときに見事な神業というか、受ける側もすぐにタイガーマスクという名前を出すあたりもなんとなく狂言っぽい感じが無いではない。切迫した救援を呼び掛ける手段だったとしたら、かなり見事だという感じだろうか。なんとかしたいという思いがありながらもどかしい気持ちでいる人たちにさらなる後押しになるのかどうか…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする