カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

方言だったんだ…

2006-10-23 | ことば

 新聞を読んでいたら「離合」は方言と書いてあった。福岡などの地方で、車がすれ違うことなどを言う。なるほど。辞書などを引くと、人の場合は「離合」というが、車の場合は一般的に「離合」とはいわないものらしい。「集散離合」などというもんね。
 実は地元の議会に職場近くの道について陳情したことがあって、「離合」という言葉を辞書で引いて適切な項目が無かったのでおかしいな、と思ったことを思い出した。しかしながら、陳情理由はせめて「離合」できる道幅の確保という文言で受理された。方言でも公文書で受理されるほど不都合は無いのかもしれない。というかちっとも方言臭くない方言というのはまだまだありそうである。
 別の地方の人の話で、普通の会話のつもりでなかなか通じていない場合もけっこうある。僕の友人に北海道出身のヤツがいるが、彼は国道以外の道を「道道(どうどう)」というのでよく分からなかった。「ドウドウ通ってきたんだけどさ」などといわれても、「堂々」として何が悪いと思ってしまう。かなり後に裏道のようなところということなんだと分かって苦笑した。いわゆる「県道」のような意味なんだろう。
 これは方言ではないが、若い職員にそこの「反故」にしてあるやつを取ってくれ、といって通じなかったことがある。彼女は鹿児島出身で、「長崎では「反故」というんですね」としきりに感心していたが、方言ではない。分からない言葉は何でも方言だと思わないで欲しい。
 まあ、人のことは言えなくて、僕は「はつる」を方言だと思っていた。言っている人が方言丸出しの人で、「そこばちぃーとばっかはつってさね」などと注文を受けていたので、てっきり方言だと思っていたが、れっきとした共通語というか標準語というか、そういう全国共通認識がある言葉らしい。
 農業用語には地元のむつかしい方言がたくさんあって会話に苦労するが、僕が最初に聞いてまったく分からなかったのが「ばくりゅうさん」だった。まあ、地元の難しい問題を世話するのに通じている人を指していっていたようだが、語源を調べてみると「伯楽」ということらしい。もともと伯楽がなまって「ばくろう」などという地方が多いらしい。さらに地方で「ばくりゅう」となまったのだろう。馬の良し悪しが分かる人から転じているわけだが、実際そういう商人自体も指していうらしい。
 さて、布を再生して油拭きなどに使う「ウエス」というものがあるが、あれはいったいなんだろうと思う。「ウエス」といえば全国的に通じるようだが、辞書を引いても載っていない。単なる業界用語なのだろうか。しかしながらお年寄りの人なんかもあんがい知っているので、古くから使われているような気もする。英語の(waste)ボロからきているんだと聞いたことがあるようだが、けっこう定着しているんだから辞書に載せてもらえないだろうか、などと思っている。
 うちの近所の人は接続語に「ジョン」をつける。「このあいだからいうとったとジョン、なんもしてくれん」などというような風に使う。「ばってん」は英語語源だという説もあるが、「じょん」だって疑わしいのではないか。ちなみに近所の人は「じょんじょん」いうわりにアメリカナイズされてはいない。いまだに僕はほとんど聞き取れないので、外国人と変わらないとはいえるのだが…。
コメント
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