◆◇◆塾と勉強 Q&A 18◆◇◆
Q 18「なぜ塾に行っているのに、公立高校が不合格なの?」
A 18「不合格になるパターンは、3つあります」
埼玉県公立高校入試は、誰もが100%合格するわけではありません。
特に中上位以上の高校の場合、倍率は1倍以上になります。
当然、不合格になる子どもが出ます。
あまり多くはないですが・・・。
アビット新白岡校でも過去、残念ながら不合格になった子どもがいます。
そんな子どものパターンを3つ紹介します。
◆ パターン①「北辰テストの偏差値【SS】は、よく出ているから大丈夫!」
過去の北辰テスト(入試模擬)の【SS】で安心してしまい・・・。
入試前の1~2ヵ月の勉強に身が入らない子どもです。
入試前の1~2ヵ月、周囲の中3生は、どう勉強しているでしょうか?
受験する公立高校に必要な【SS】が取れている上で・・・。
過去問や入試用教材を一生懸命に勉強しているはずです。
入試前の1~2ヵ月、それをしない、もしくは手を抜く子どもがいます。
いくら“少し前に”よい【SS】だったからといって・・・。
周囲から遅れをとってしまうのは、目に見えています★
“少し前”の過去のことは、もう思い出さなくてもいいくらいです。
目の前にある現実、過去問や入試用教材を一生懸命勉強しましょう。
具体的には、どうすればいいのでしょうか?
たとえば、数学の過去問の直しなどは・・・。
必ず「解けるように」しておきましょう。
途中の考え方、途中の式から直して、考えて、できる状態にします。
間違えても答えだけ写して、何も考えずに終わりにする子どもがいますね。
公立高校入試前に、まだそんなラクをしようとするものか・・・★
「できる」まで行っていないので、「勉強のやり方」が、おかしいですよ。
ただし、難し過ぎる問題もありますよね。
「これ、解説読んでもまったくわからないし、時間を使うだけムダかも」とか。
数学のすべての問題を理解する、解けるとしなくてもいいのです。
自分のレベル、受験校のレベルを考えながらでかまいません。
でも、この時期になればわかるでしょう。
● 「これは解けないとヤバい」
● 「これは解説を読めば、なんとか解けそうだった」
● 「これは先生に少し教われば、わかりそうかな」
直しをするときは、「できる」状態で終わってほしいです。
もしくは、具体的に質問すること。
入試直前まで、やるべきことをやることです。
◆ パターン②「どうしても、○○高校がいいので!」
近年、北辰テストは、埼玉県公立高校入試に似せて作ってあります。
北辰テストの合否データなどの精度も上がっているように感じます。
だから、北辰テストの【SS】から志望校を決めると合格しやすいかと。
自分の北辰テストの【SS】を考えないで・・・。
志望校を、自分の【SS】の「少し上に」もっていく場合があります。
これで不合格になることがありますね★
このパターンは、偏差値【SS 60】前後の子どもです。
このあたりの“ある程度できる”子どもは、なぜか・・・。
「自分だけはうまくいく!」と勘違いすることが多いです。
子どもは、北辰テストの合否データと、ずれていても・・・。
「どうしても、○○高校がいいので!」と譲りません。
ガチの入試をしたことがないので・・・。
「失敗する」という想像ができないようなのです。
子どもが「チャレンジなんで!」と言うこともありますね。
この場合の「チャレンジ」というのは・・・。
「不合格でも別にかまわない」という意味です。
私は、こんなことを言うこともあります。
「チャレンジだと言うなら、公立高校は受験しないでほしい。初めから私立高校の単願にすれば? 公立高校を受験するなら、必ず合格するつもりで勉強してほしい」
なぜ、こんなやる気のなくなるようなことを言うのでしょうか?
それは不合格になると、少なからず塾のせいになるからです。
人は、失敗したとき自分の責任とは思いたくないものです。
特に、まだ子どもですからね。
不合格の場合、保護者の方も含めて、塾とは疎遠になってしまいます。
こちらが「今後のためにも、入試の点数を教えてください」と言っても・・・。
「もう忘れたいので」などと言って、教えてくれません。
保護者の方には、「あんなに何年も通わせたのに・・・」という恨み・・・。
・・・ほどではないにせよ、モヤモヤが残ってしまうようです★
最後の最後、公立高校入試は・・・。
どこであれ合格したほうが、お互いhappy endで終わることができます。
自分の【SS】を見て、志望校の選定に気を付けてほしいと思います。
◆ パターン③「友だちが〇〇高校を受験するから!」
中学受験を経験していないと、高校受験が初めての受験となります。
心細いこともあるようです。
これは特に、部活の仲間との絆が強いときに出るパターンです。
どこまでも「友だちと一緒」にこだわります★
友だちが、自分の学力よりも低い場合・・・。
「ここならラクだ、努力も少なくて済む」と引っ張られます。
もったいないケース(合格はしますが)。
友だちが、自分の学力よりも高い場合・・・。
「学力が足りないのはわかっているけれど、友だちと一緒がいい」と引っ張られます。
無謀なケース。
どちらも、「他人ありき」でよい選択ではありません。
そして、いざ自分が○○高校に願書を出してみると・・・。
そのあと、友だちは言うのです。
「やっぱり〇〇高校は難しいし倍率も高かったから、△△高校にしたよ」
これで、自分が〇〇高校を受験する理由は薄れましたね★
無事に、同じ〇〇高校に願書を出して受験した場合です。
自分が合格して、友だちが不合格だったら・・・。
「あいつは不合格なのか~」と、〇〇高校に合格した意味が薄れます。
逆に、友だちが合格して、自分が不合格だったら・・・。
「友だちに合わせなければよかった・・・」と、後悔するでしょう。
自分の学力や好みは、必ずしも友だちと一緒ではないでしょう。
友だちに依存せずに、自分の道を進んでほしいです。
中学校の友だちにこだわらなくても・・・。
高校では、新しい気の合う友だちが見つかるはずです。
中3生には、それらが想像できないことがあります。
以上が、「塾に行っているのに、公立高校が不合格」の3パターンでした。
何年も通塾してくれた子どもが・・・。
最後の最後、公立高校入試で不合格になってしまうこと。
塾で働いている人間にとっては、これ以上残念なことはないです。
不合格の子どものほうが少ないこともあり、ずっと覚えていたりもします。
何年も通ってくれていて、付き合いの長かった場合は特に★
思い出すと悔やむばかりです。
もちろん、私の対応が悪かったせいもあるでしょう。
子どもの学力を、最後に1段階伸ばしていれば。
受験校のレベルの「できる」まで、過去問を勉強させていれば。
もしくは、子どもと保護者の方に響く話し方で・・・。
志望校を、現実味のあるものに変えることができていたら。
あなたの公立高校を受験する中3生は、あなたと同じくらいの学力です。
自分の学力を知って、事前の準備を万端にして・・・。
公立高校入試本番、学力検査に臨んでほしいと思います☆
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