西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー & ウェスタン 74 [ ハンク・スノウ (2)]

2008年12月14日 | ハンク・スノウ
Hank Snow (2) 
米国盤 Camden CXS-9009 (e)  The Wreck Of The Old 97 (2枚組)

Side 1・・・・(1)The Wreck Of The Old 97 (2)The Southern Cannonball (3)Lonesome Whistle (4)Waiting For A Train (5)Travelin' Blues
Side 2・・・・(6)El Paso (7)Spanish Fire Ball (8)Sunny Side Of The Mountain (9) Roll Along Kentucky Moon
Side 3 ・・・・(10)The Last Ride (11)Somewhere Along Life's Highway (12)Poison Love (13)The Highest Bidder (14)I Went To Your Wedding
Side 4・・・・(15)Memories Are Made Of This (16)My Nova Scotia Home (17)The Blue Velvet Band (18)The Galveston Rose


僕は新旧を問わず今でもハンク・スノウ(1914~1999年カナダのノヴァ・スコシア州出身)を一番好きなカントリー歌手に挙げます。
彼のレコードはRCAビクター傘下の廉価レーベルCamden のものばかりで聴き始めたためにスノウの初期カナダでの下積み時代の曲がけっこう入っていて、つまりアメリカでの成功を確立した1950年のヒット曲 「I'm Movin' On」 以前のHank Snowを知ることができたのでした。カナダ時代のスノウの曲を聴いていなかったら恐らくここまで彼を好きになっていなかったかも知れないなと思っています

このレコードはもう30数年前の3月の寒い頃熊本に行った時にデパートの入り口でやっていた輸入盤セールでたった1枚買ったもの、2枚組で800円でその時の色々な状況も覚えているくらいに愛着のあるレコードになったのでした。
1曲目の”97年型の大破”などの爽快感は今の時代のカントリーでもめったに得られないものです。      
さて、解説を概訳してみると・・・・・・・・「少年時代から音楽好きだったとはいえハンク・スノウの若い頃は困難に満ちたものでした。家庭的に不幸で、12才で家を出て船員になり甲板で仲間のクルーを前に歌っていたのでした。その後も歌で生計を立てられるようになるまでにはさまざまな仕事(variety of odd jobs)を経験しなくてはならなかったのでした。こうした辛酸を経験した(hardships and frustrations)ことは彼が作るuniquely soulful qualityをもった詞、曲に部分的に表れています。
当時のClarence Eugene Snow(彼の実名)少年は2人の先達のレコードを聴いて音楽に興味を持ったのでした。ひとりは”The Wreck Of The Old 97(97年型の大破)”」を歌うVernon Dalhartで、彼のレコードを聴いて自分もギターを弾いて歌いたいと思ったそうですし、もうひとりはJimmie Rodgersで 彼のスタイルを聴いて歌手になる夢がゆるぎないものになったのでした(Rodgers was the greatest single influense on the young Snow と表現)。 今日においてさえ彼は必ずといっていいほどジミーの曲をショウで歌いますし、一人息子にもJimmie Rodgers Snow と名前を付けているくらい影響を受けているのです。

さて、このアルバムにはハンクの代表的なレパートリーが含まれています。「I'm Movin' On」以来のTrain song(汽車物)はスノウのトレードマークのひとつで、ここでもジミー・ロジャースの「The Southern Cannonball」、「汽車を待って」、「Travellin' Blues」の他 Hank Williams の「Lonesome Whistle(淋しき汽笛)」、スノウ自身の「The Last Ride」、ヴァーノン・ダルハートの「97年型の大破」を歌っています。
作詞作曲家としてのハンクの才能の豊かさも「The Highest Bidder」のほか カナダ時代の「My Nova Scotia Home」「Somewhere Along Life's Highway」「The Galveston Rose」「The Blue Velvet Band」等に現れています、カナダ時代の曲は今日あまり採り上げられませんが だからといってその価値は大きいものに違いないものです。
それから、ハンクのレパートリーにはheartfelt tales of unrequited love (報いられない恋)を歌ったものがあって(5)や(11)の他「Roll Along Kentucky Moon」 「I Went To Your Wedding」「 Poison Love」もそうした曲です。
歌以上にハンクのギターワークも見逃せないものです。彼の歌には自身で弾くギター(some of his fancy picking)が真に迫って聴かれますが、「Memories Are Made Of This」や「 Sunny Side Of The Mountain 」にその片鱗をうかがうことが出来ます。
さらにもうひとつのトレードマークにラテン調の曲があります、ここでは「Spanish Fire Ball」が代表に挙げてあります。 それにマーティ・ロビンスの「El Paso」などを加えてここに採り上げた18曲は super selections fashoning the musical personality of Hank Snow といえるものです。」・・・・・・・・といったことが述べられています。

僕は初期のカナダ時代の歌を聴いて ”なるほどなあ”・・・・ と納得のゆく歌の上手さと他のカントリー歌手には感じたことがない何ともいえない "ある雰囲気" を感じます(カナダのカントリー歌手に共通する何かと言うべきか?)。
カナダ時代の曲の大半は" Melancholy" という言葉で表現してもいいかも知れませんがその曲群がなかなかの魅力を持っているのがわかりますし、ひいてはアメリカでの成功につながっていると確信できるものを持っています 。
ヨーデルを歌っていた若い頃からアメリカでの活躍までをトータルに収めたこのアルバムは自分にとってはどのアルバムよりもVery Bestと呼べるものになっています。「懐かしのカントリー&ウェスタン(19)」も参照して下さい。
もし僕がレコード会社のプロデューサーだったとしたらこのレコードをそのままCD化するけどなあ・・・・・いつも出ているようなハンクのBest集よりもずっと魅力的と思うけどなあ・・・・・・・

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