真昼の決闘 ( High Noon ) Part 3 脇役 2
4人の無法者たち について
「真昼の決闘」に出てくる悪漢4人はいずれも面構えがいかにもそれらしくて凄みがあって画面に緊迫感を与えています・・・・・なかなか Good です。
登場順に リー・ヴァン・クリーフ演ずる痩せ型でするどい目つき、精悍な感じのコービー(2挺拳銃で、汽車を待つ間にハーモニカなんかを吹いている)。 Lee Van Cliff はこの頃は映画、テレビを含めてたくさんの西部劇に出ていておなじみさんという感じで、彼が出てくると何かをやらかす-という緊迫感があります。「 High Noon 」 のタイトルの後にすぐ現れるので 悪役とはいえ印象に残って得してます・・・・本人にとっても後年イタリアのマカロニ・ウェスタンで主役級の俳優になるなんて思いもしなかった時代なんでしょう。 次にシェブ・ウーリー、そしてボブ・ウィルク、アイアン・マクドナルド。
おまけとして悪漢ではないですが保安官事務所の牢屋に収監されていてケインが対決に行く前に開放される酔っ払いのちょい役でギョロ目のジャック・イーラムが出ていました。往年の西部劇にはお馴染みさん的人なので ”あっ!出てるよ ” みたいな一服の清涼剤です.....写真は前回(smile)、気になるのはちょっと意地悪そうなホテルの支配人の役者さん名前は判らないですが・・・・・ダラダラとした冗漫さのないよく練られた無駄のない展開で引き締まっています。当時としては超低予算の作品だったようですが 西部劇専門ではないフレッド・ジンネマン監督の作品が群を抜いた素晴らしいさであることを思うとお金をかければ大作になるなんて単純な思いは吹っ飛んでしまいます。
繰り返しになりますが4人の悪漢(ワル)達の功績?に乾杯・・・・・・smile
今では廉価のDVDがたくさん発売されているから簡単にお目にかかることが出来ます
真昼の決闘 ( High Noon ) Part 2 脇役 1
監督:フレッド・ジンネマン 1952年リパブリック映画制作 1953(昭和28)年日本公開 モノクロ
「真昼の決闘」をいつ頃見たのかはっきりしないけれど 自覚できて見たのは中学か高校時代にリバイバル上映された時が初めてだと思う。3~4回は映画館の大きな画面で見たはずで( うち1回は図書館の映画上映会 )、それぞれ時間がたっての見直しですがその都度いい作品だ-と実感します。その後 色々と知識を得たりビデオなどのソフトが発達して画面をストップできたり出来るようになると(俳優の名前など)より深い観かたができるようになっていっそう面白みがわいてきたものです。
先日T社が出しているDVDの正規盤( トップの写真 )を買えたのでまた見直してみた・・・・・これにはメイキング映像が入っていて フレッド・ジンネマン監督、俳優のロイド・ブリッジズ( 副保安官のハーヴェイ役 )等が作品について話しています。1950年代末のインタビューでゲーリー・クーパーが語っているのも珍しいし、主題歌を歌ったテックス・リッターの息子が「 父はアカデミー賞の授賞式に招かれて ” High Noon ” を歌ったのが嬉しかったようですよ 」との話も入っています。 もっと多くの関係者に登場して語ってもらいたいところでしたが1952(昭和27)年制作ですから残念ながらほとんどの人が故人なんですね-それでも興味をそそられるものです。印象に残ったことはジンネマン監督(メイキング映像の写真から)が ” 恐怖感を出すのにつとめた、時計が出てくるたびに徐々に大きく写していったりしてね。いつの時代でもあるような普遍的な内容の作品は時代を経ても色褪せないと思います ” と云っていたことです。
<ストーリー>
西部の町ハードレイヴィルのある日曜日、保安官ウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)が任期を終えてエミー(グレース・ケリー)と結婚式をあげて引退する日でもあった。町の有力者達に祝福されているところへ5年前ウィルが監獄へ送り込んだ町の厄介者フランク・ミラー(アイアン・マクドナルド)が釈放されて正午に着く汽車で仕返しに来る-という情報が入った、しかも弟のベン・ミラー(シェブ・ウーリー)、子分の(ロバート・ウィルクとリー・ヴァン・クリーフ)が迎えに来ているという。皆は2人で町から去るようにすすめ、一旦は馬車で逃げるもののウィルは逃げおおせない と考えた末に引き返す・・・・・昔のように対決しようというのだ。しかし、昔の状況とは違っていた、町民の協力を得られずに次第に孤立してゆく保安官ウィル・ケイン・・・・・ケインの運命は・・・というわけで進行していきます。あらすじは簡単なんですが、ウィルをめぐる色々な人間模様と残された時間が1時間半しかないという状況が加味されて緊迫感のある引き締まった映画であるのが素晴しい。
ここではDVDから俳優陣の写真を撮ってみました・・・・・
順にロイド・ブリッジズとケティ・フラド( 彼女もこの映画で一気に有名になったそうですが、テレビ西部劇 ” ライフルマン ” にも出ているので後日の載せようと思います・・・・・・綺麗ですね )、 悪漢フランク・ミラーの釈放の電報を受け取る駅長( テッド・スタンホープ )
保安官を嫌っているちょっと憎たらしいホテルフロントマン(俳優名?)と 昔の西部劇ではお馴染みさんのギョロ目のジャック・イーラムが酔っ払いで留置所に収監されているチョィ役で出ているのがご愛嬌、若いのでやせています
その他、酒場にたむろする連中の顔ぶれをよく見ると「ライフルマン」にも出てくるような俳優さんがいるようです。最後の写真は真ん中が悪漢ボブ・ミラー( シェブ・ウーリー)で右はくせのある酒場の亭主( ラリー・ブレイク )
端役の俳優さんたちの名前は前回の本「 西部劇大鑑 」( 児玉数夫さん著 )のおかげで知ることができました。
ところで、ビデオの表紙の写真ハットをかぶらずにエミーを抱き抱えながら拳銃を構えているシーンは映画にはなかったと思いますがなぜこんな写真を表紙にしているのか不・思・議!
最後に「 真昼の決闘 」の時代設定がいつ-という疑問・・・・・ある雑誌に ” 時は1870年~ ” と出ていましたが映画の中でどこかに時代をはっきり示す何らかの描写があったのかどうか・・・・・?? さて探して見るのも一興かな・・・・・