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西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン 203

2018年03月20日 | 懐かしのカントリースター

Eddie Dean (3)
米国盤 Sutton Records SSU-333 Eddie Dean / I Dreamed of a Hillbilly Heaven
(1)Hillbilly Heaven (2)Love The Way You Say It (3) Banks of The Old Rio Grande (4)Impatient Blues (5)Tangled Lies (6)Iowa Rose (7)Walk Beside Me (8)Katmandu (9)Make Believe (10) Seeds Of Doubt
今日のレコードはすこしマニアック、Suttonレコードというマイナーレコード会社が発売したもので作りも粗末で、曲名だけで何のクレジットもなく解説もなくて訳がわからないもの(smile)。ただ、Eddie Dean というカウボーイ&カントリー歌手名だけを私は知っていたのでアメリカの中古レコード屋さんのカタログの隅っこに各2ドルと載っていたからピンと反応して彼のレコード3枚同時に買ったのでした......船便で3ヵ月くらいかかった時代。音はよくなくてもジャケットだけは粗雑でも雰囲気があってよかった(smile) でも重要な曲が1曲入っていた,.....たったそれだけで満足100%(^^) 名前の通った歌手なのにレコードの粗末さよ......と思ったものです。歌い方は正統派、今では失なわれてしまった昔のカントリーの良さが溢れている...と私自身は感じています。
ところで"夢に見たヒリビリー天国"ですが、アイデアの勝利といえる曲...ヒットしたりしなくても記憶に残る曲といえるでしょう。スティールギターにのって語りがほとんどですが、ヒリビリー天国の夢をみる...そこにいるのがウィル・ロジャース、ジミー・ロジャース、ハンク・ウィリアムズ......そして Red Foley、Ernest Tubb、Gene Autry、 Roy Acuff、Eddie Arnold、Tex Ritter、 Roy Rogersと名前が出てきて 次にエディ・ディーン...と自分の名前のあるところでびっくりして目が覚める。皆んなビッグスター揃いの中に自分が......という驚き! good idea ! この歌が作られた頃はほとんどの人が存命だったはずですが当のEddie Deanを含めて今ではみ〜んなHillbilly Heavenにいます。
このレコード、間違ってもCDなったりはしないでしょうけど(3) Banks of The Old Rio Grande 、(6)Iwoa Rose 、(7)Walk Beside Me、マイナー調の(8)katmandu など雰囲気のある佳曲で、ジム・リーヴスとかレックス・アレンといった昔のカントリー歌手が好きな人達には受けると思うんだけどなぁ......バーボン・ウィスキーを飲みながら聴くカントリー(^^)
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スリム・ホイットマン

2018年02月04日 | 懐かしのカントリースター

往年のカントリー歌手スリム・ホイットマン(1923〜2013年フロリダ州出身)についてある方からコメントをいただきましたが、奇遇なことに丁度彼のレコードを何枚か聴きたくて選んでいたところでした。Slim Whitman の一番好きな写真を一緒に載せて偲びながら外は雪景色の日曜日の超寒い朝、バーボンウィスキーを飲みながら聴く。1977(昭和52)年発売のLPレコード、全盛期は過ぎていたとはいえまだまだ元気に歌っていた頃のものなのでいい

米国盤 Liberty Records L N-10033 Slim Whitman / Red River Valley
(1) Rhinestone Cowboy (2)M r.Ting-A-Ling(Steel Guitar Man)(3)Let Me Call You Sweetheart (4)It's A Small World (5)Somewhere My Love (6)Una Paloma Blanca (7) Red River Valley (8)Too Young (9)Cara Mia (10)When The Moon Comes Over The M ountain
スリム・ホイットマンの魅力って何かな・・・と自分なりに考えてみた。まづは歌い方がとても丁寧です、今どきのロッキンカントリー臭が全くと言っていいほどないのでエレキギターやドラムがうるさいカントリーとは違っています。だから逆に言えば、ビートの利いたロッキンカントリーに慣れている人には物足らなさがあるでしょう。声のキーが高くてヨーデルもとても上手です。昔のカントリー歌手にしては洗練されていて(紳士的)、ジム・リーヴスと同じようにイギリスやヨーロッパで好まれた歌手ではないか・・・と思います。でも、しっかりとカントリー&ウェスタン音楽の伝統を受け継いでいるところがあってスティールギターやフィドル(カントリースタイルのバイオリン)が入ったようなカントリーの古典的な名曲を自身でカバーしてたくさん歌ってくれているんですね、それが案外よくて私がスリム・ホイットマンが好きな理由にもなっています。それと、アメリカ民謡、イギリス民謡のような Folk song、Home song のような誰れでも知っているような曲をたくさん録音して残しているところもいいです・・・” アニー・ローリー ” とか ” Molly Darling (冬の星座)”、” Red River Valley(赤い河の谷間) ”、” Home On The Range(峠の我が家)” など。マーティ・ロビンスにもこんなところがあって商業的にはならなくてもギターの弾き語りのような形でしっかりと録音に残していてくれていました。こんなカントリー歌手は大好きです・・・みんな亡くなってしまってはいるんですが。
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懐かしのカントリー&ウェスタン 202 [ バール・アイヴス (2)]

2017年12月27日 | 懐かしのカントリースター
 
Burl Ives (2) 
米国盤 United Artists Records UAL-3060 Ballads with guitar / Burl Ives
(1)Go 'Way From My Window (2)Two Maidens Went Milking (3)Willie Boy (4)Irish Rover (5)Croodin' (6)Turkish Revery (7)Wanderin' (8)Ladies Man (9)Henry Martin (10)How Could You Use A Poor Maiden So (11)Pueblo Girl (12)Lily Munro (13)Hypochondriac Song (14)Pirate Song 
11月に叔父の見舞いに東京に行った時に買った2枚のLPレコードのうちのひとつ。 
バール・アイヴス(1909~1995年イリノイ州出身)については以前に「 Song Of The West 」というLPレコードを Cowboy Song のカテゴリーのところで取り上げていますので2度目の登場になります。バール・アイヴスは Folk & Country 歌手、俳優などけっこう多彩な人だったようでレコードの数もSPレコード時代からあるので膨大な量があって、アメリカではとても有名な人だったもようです。知名度では日米の差が激しくて、日本ではどちらかといえば映画俳優それもわき役俳優としての方が知られていたかも知れません。出演映画では「エデンの東」「大いなる西部」が有名かな、カントリーミュージック界では ” A Little Bitty Tear (ちょっぴりさみしいこの気持ち)” がヒットして有名でした・・・・Wikipediaで見てみると西部劇ファンとして気になることが・・・超初期の頃に「拳銃往来」(1948)という作品でホテルの受付役で出ている・・・とありました。 
さて、このレコード裏に発売が1959(昭和34)年と書いてあるのでそれこそ58年くらい前のもの・・・私が何でこのレコードに興味が行ったかというと、この中に ” Irish Rover ” と ” Henry Martin ” という曲が入っているのに気付いて買ったのでした。 ずっと昔、カントリー好きで交流のあったある人がカセットテープで送ってくれたことがあってその中に入っていたのです・・・カセットテープはなくしてしまいましたがバールが生ギターだけで歌うきれいなメロディの素朴な唄がいつまでも残っていたからでした。 
この人の声はソフトで滑らかなので歌によっては物足らない時もありますが聴きやすいです。 今の時代には似た人が見いだせないようなタイプのタレントのように思います。

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懐かしのカントリー&ウェスタン

2017年12月23日 | 懐かしのカントリースター

オムニバスレコードは楽しい
日本盤 YS-134 The Big Hits ! / 大平原に歌う
(1)The Battle of New Orleans (2)Pointed Toe Shoes (3)The Long Black Veil (4)Heartache By The Number (5)I'll Catch You When You Fall (6)Frankie's Man, Johnny (7)You Dreamer You (8)Waterloo (9)When It's Springtime In Alaska (10)I'm In Love Again (11)I'll Kiss The Past Goodbye(12)The Wall
(平成29)12/23土曜日は天皇誕生日で休日、久しぶりに天神に出て、年末なので何か中古レコードセールがないかと思って時々行く3つの中古レコード屋さん廻りをした。はじめから500円前後でないと買わないつもりで行った....成果はありで嬉しい。20〜30%割引きとかで助かったし、割引きなしでも300〜400円とお得だった。カントリー&ウェスタンのレコードなんて買う人はいないのかもなぁ...と思いながら内心ニンマリしながら巡ったのだった。それにしてもXmas前の天神は若者達であふれている...私には違和感大(smile)
デスクトップ型パソコンがダメになって(Windows-XPだから仕方がないのかなぁ)...何にも出来なくてコメント頂いた方達にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。年末のセールスでノートパソコンを買う予定で、それまでは看護婦さん達に携帯からブログに投稿したり画像を載せたりする方法を教えてもらったのでせめてもの追い込み投稿で来年に繫ぐためにも載せようと思います。携帯からの投稿は慣れなくてとっても時間がかかって大変ですが何とか頑張ります。 
年末までは今回買ったレコードを載せることにしました。 
 
さて、本日のLPはアメリカのカントリー全盛時代のコロンビアカントリーのスター歌手達です、ペラジャケットといって美しくコーティングされたジャケットのLPレコードは1960年代の発売が多くて、私にはまだ幼ない学生時代で買えるような代物ではなかった時代のもの。今思うとあの時代というのはけっこう Country & Western や Bluegrass Music のレコードが発売になっていたようで時にびっくりするような日本盤レコードに出くわすことがあります。私よりも先輩方が夢中になった時代のレコードです。 
 
写真が載っていませんがパッと顔が浮かぶ人はかなりのオールドファンかマニア。いずれにしろ今は昔のカントリーで、自分的には各々の歌手に強烈な個性があった時代故に好みの Country Music です・・・続く
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懐かしのカントリー&ウェスタン 200 [ フレディ・ハート (2)]

2017年11月24日 | 懐かしのカントリースター

Freddie Hart(2) 米国盤 Columbia Records CL-1792 The Spirited Freddie Hart
(1)Loose Talk(2)The Wall(3)I'm No Angel(4)The Key's In The Mailbox(5)Heaven Only Knows(6)What A Laugh!(7)Heart Attack(8)Fraulein(9)Chain Gang(10)Two Of A Kind (11)Farther Than My Eyes Can Be(12)Drink Up And Go Home

先頃92才になる叔父(母の弟)のお見舞いで東京に行った。空いた時間に江戸城を見て廻りたかったけど風邪気味で体調いまいちだったので神田の古本屋散策に変更。前回に江戸城の外周を半分歩いて廻った(桜田門など)ので残り半分を、と思っていたが風邪には敵わない。神田は昔からすると随分古本屋が減ったように思う、中古レコード屋さんも数えるほどしかなくなった......だから宝探しみたいなワクワク感がなくなって淋し気がした。レコードを2枚買うにとどめた、その1まいが今回のフレディ.ハートです。現在生き残っている数少ない旧世代のCountry Legnd のひとりといっていいでしょう。Frddie Hart のColumbia Records 時代というのは珍しいです......不遇時代といってもいいかもしれません。後年古巣のCapitol Records に復帰して放った"Easy Loving" という大ヒット時代からするとですね。この人、同郷の先輩Hank Williams の影響を受けていたようで歌い方はけっこうアクが強いかなぁという印象があります。渋いといってもいいかも。軽快な(1)Loose Talk は自作のヒット曲の焼き直し、(3)I'm No Angel もスチールギター入りの軽快曲、(4)The Key's 〜はフィドル(カントリースタイルのバイオリン)、スチールギター入りのまるで全盛期のBuck Owens を思わせるようなスタイルで嬉しくなる......てな訳で正調カントリーありロカビリースタイルありで何度も聴いていくと魅力が解ってくるというスルメ型のカントリー歌手ですね。ちなみに、彼は昔"Hank Williams Guitar'' なる語りを入れた曲を録音しています、亡くなられた音楽評論家の水野裕二さんがDJをしていたNHK-FMフォーク/カントリーの世界で流されたことがあって感激しましたが ほんのこの前のような気がします......時の流れて早いなぁ
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カントリー歌手 メル・ティリスが亡くなった

2017年11月23日 | 懐かしのカントリースター
Mel Tillis   が亡くなった 1932年~2017年11月19日フロリダ州出身 85歳 
 
今日(平成29)11月23日は勤労感謝の日で祭日、鹿児島にいて仕事も休み・・・・・・何することもなくぼんやり休養していたら昼過ぎにカントリー好きの友人K君からメールがあった。”メル・ティリスが亡くなった”と・・・・そうなんだぁ、Mel Tillisという名前を久し振りに聴いて何となく感慨深いものがあった。このところカントリーミュージックを聴く気が起こらず遠ざかっていたのでホントにそう感じた。Country Music 好きな僕ら(K君と私)にとってメル・ティリスは最後の大物カントリー歌手と呼んでいいかもしれない。たくさんのLegendとよばれた昔のカントリー歌手が次々に他界していく中でいつも○○が残っているよ、○○はまだ元気に歌っているよ・・・といった話題になって その中にメル・ティリスが必ずいたからね。 個人的には初めて買ったメル・ティリスの日本盤LPレコードのことが思い出される・・・作曲能力が豊かで、カントリーらしいカントリー(いわゆる正調カントリー)がたくさんあったからね・・・・博多に帰ったら彼のLPレコードを聴いてみようと思う・・・未完につき続く
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デルモア・ブラザーズ(3)

2015年12月01日 | 懐かしのカントリースター
 
The Delmore Brothers (3) 
日本盤 ビクター VIM-4017 The Delmore Brothers / Alton And Rabon Delmore
(1)Silver Dollar (2)There's Trouble On My Mind Today (3)Old Mountain Dew (4)In The Blue Hills Of Virginia (5)Make Room In The Lifeboat For Me (6)Gathering Flowers From The Hillside (7)She Won't Be My Little Darling (8)Will You Be Lonesome Too? (9)Precious Jewel (10)Gospel Cannon Ball (11)I Now Have A Bugle To Play (12)Last Night I Was Your Only Darling (13)Baby Girl (14)I Wonder Where My Darling Is Tonight?
前回の続き・・・・ 
 一見矛盾しているようですが、兄のアルトンは気むずかしい性格で気性が激しく、うつの傾向があった反面、優しく紳士的な男でもありました。弟のレイボンは人の好い性格でしたがとてもシャイで片方の目が斜視だったせいか人目を気にするようなところがありました。二人ともとても信仰心の厚い人間でした。アルトンは Athens 出身の Thelma Neeley と結婚し、弟のレイボンはテネシー州 Carthage 出身の Nola King と結婚、レイボンは死ぬすこし前には離婚していました。 
 
アルトンの ”Gonna Lay Down My Old Guitar ”という曲は暗く内省的な雰囲気を持っており、厳しい巡業公演の生活から一息入れる-といったような( 息抜き的 )内容になっています。夫婦間のいざこざはしょっちゅうで、デルモア・ブラザーズのレパートリーには報われなかった愛の唄が目立っており、それを説明をしたような唄、例えば ”Broken Hearted Lover ”、”Til The Roses Bloom Again ”、”Honey I'm Ramblin Away ”、”Don't You See That Train ”といった曲にトラブルから逃れる姿勢が示されているように思います。また、” Fugitive's Lament ”という曲などはアルトン自身が法の目から逃げる西部のアウトローになったようなイメージを思わせるものになっています。 

アルトンはテナーギターのリードに乗ってデルモア・ブラザーズの多くの曲を作曲しました。このアルバムに収録されている曲の半分以上は弟レイボンが弾くきれいなテナーギターピッキングがフューチャーされています。アルトンは1000曲以上も作曲している多産のソングライターでしたし、小説をも書いていました。自分の死に際して自叙伝を書きつつあったのでした。 
 
レイボンも兄同様に有能な作曲家で百曲以上の自作曲を持っていました。The Delmore Brothers の全盛期には13のラジオ放送局にレギュラー出演をもち、37州にわたって公演を行なっていました。、兄弟のデュエットとしてはメジャーレコード会社に400曲以上のレコーディングをし、それに加えて The Arthur Smith Trio のメンバーとして Fiddlin' Arthur Smith とレコーディングもしています。 Uncle Dave Macon のレコーディングにも付き合ってバック演奏を務め、時々は Merle Travis, Grandpa Jones, Red Foley 等とゴスペルカルテット The Brown's Ferry Four としてのレコード録音を残したのも輝かしい経歴です。 
 
スターと呼ばれる人達のほとんどは全盛時代と忘れ去られていく時があるものですが、デルモア・ブラザーズに限ってはそうではありません、Alton と Rabon Delmore のことは何年にもわたってカントリーミュージックファンの記憶の中に輝き続けているのです。The Delmore Brothers は繰り返し Country Music Hall Of Fame にノミネートされてきました、そして1971(昭和46)年に彼等は Nashville Songwriter's Hall Of Fame に選出されたのでした。   -Bill Harrisonー  という人の文章でした

<ひとこと> 3回に分けて載せましたデルモア・ブラザーズの解説訳でしたが、兄弟のレコーディング歴が詳しくは載っていません。1回目のレコードに1933~1941年となっているので彼等の初期の頃に当たるんでしょうが、全盛期は2回目に乗せた写真の King レコード時代にあるんだと思います。今回のLPレコードはデルモア・ブラザーズとしては珍しいデッカレコード時代に当たるようで日本で発売になったこと自体が稀有なことだったんだと思います。 聴いての感想は後日に書く予定・・・なお、デルモアブラザーズのCDは外国ではけっこう出されているようなんですが日本盤CDは見たことがありません。私はCDを全く持っていないので何とも言えませんがこれから聴いてみたいという人にはやはりCDの方がいいんだと思います
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デルモア ブラザーズ(2)

2015年11月27日 | 懐かしのカントリースター
   
The Delmore Brothers (2)
日本盤 ビクター音楽 VIP-5073 The Delmore Brothers Sixteen All-Time Favorites
(1)Blues Sta Away From Me (2)Sweet Sweet Thing (3)Everybody Loves Her (4)I'll Be There (5)Blues You Never Lose (6)Freight Train Boogie (7)Please Be My Sunshine (8)Muddy Water (9)Field Hand Man (10)Midnight Train (11)Born To Be Blue (12)Brown's Ferry Blues (13)Hillbilly Boogie (14)Good Time Saturday Night (15)There's Something About Love (16)Steamboat Boogie

日本盤 ビクター音楽 VIP-5074  In Memory Of The Delmore Brothers
(1)Sand Mountain Blues (2)Frozen Girl (3)Mississippi Shores (4)Goin' Back To The Blue Ridge Mountains (5)Let Your Conscience Be Your Guide (6)'Dis Train (7)Oh Susannah (8)Blues You Never Lose (9)Kentucky Mountain (10)I Swear By The Stars (11)Can't You Hear Him Calling (12)The Trail Of Time

前回からの続き・・・・ 
1930(昭和5)年の Athens fiddler's contest で優勝したことに勇気づけられると、1931(昭和6)年11月になってアルトンは友人の Bill Willet を説得して Columbia レコード会社のオーディションを受けるためにジョージア州アトランタまで車で連れて行ってくれるように頼んだのでした。 Willetが近年 思い出として次のように語っています ”タレントスカウトはほとんどレコード録音まで取り仕切っていたんだよ、だからその日のデルモア兄弟の Columbia での単独レコーディングが実現したってわけさ ”・・・と。 彼はまた次のようなことも覚えていて語っています・・・”(デルモア兄弟のレコーディングと)同じ日に あるバンドと一緒に盲目のギタリストが出ていたよ ”・・・・と。 それはおそらく Riley Puckett のことで、バンドというのは Skillet Lickers のことでしょう 。 デルモア兄弟は Willet の旧式 Whippett car で旅に出たものの 出かけてから25分きっかりで-たぶん家には決して戻ることはないだろう-という決めごとをあっさりあきらめてしまったのでした。 
 
1932(昭和7)年にはデルモア ブラザーズはテネシー州ナッシュヴィルの WSM ラジオ局のオーディションを受けて合格。 単独出演するのに必要な人気を得るまでのしばらくの間は 兄弟には(自分たちで移動に必要な)車を持つ余裕がなかったのでグランド・オール・オープリーに出演のため土曜日ごとに車に乗せられて運ばれてくる状態でした。しかし、デルモア兄弟はすぐに大衆の心をつかんで Uncle Dave Macon のようなオープリーのスターと一緒に共演できるようになり、人気が急上昇するにつれて他のミュージシャンたちへの影響を聴きわけられるようになってきました。、例えば、Monroe Brothers や The Blue Sky Boys の初期のレコーディングの中にデルモア兄弟の影響を見つけ出すことができるくらいになったのでした。 
 
ナッシュヴィルでの時代には、デルモア兄弟の生活にこっそりと忍び寄るかのように個人的な問題が出現してきました。二人は1938(昭和13)年にWSM(グランド・オール・オープリー)を去りましたが、それは過度の飲酒が原因だったことは明らかです。二人はノースカロライナ州 Raleigh へと移っていますが、それは南部や中西部でのたくさんのメジャーラジオ局での演奏出演のために来るべきその後の長い放浪の端緒でもありました。多くの歌がこの絶え間ないspiritを伝え、二人が歩んできた各地で経験した良き時代のノスタルジー(郷愁)を表しています。”Nashville Blues ”、”Happy On The Mississippi Shore ”、”Back To Birmingham ”といった曲には古い時代へのあこがれが表現されているのです。 
 
二人が出演したたくさんの放送局への在籍期間はとても短いものでした。1950(昭和25)年にはデルモア兄弟はテキサス州ヒューストンへ移動しましたが、その地がデルモア・ブラザーズのプロとしてのキャリアの終焉となったのでした。巡業公演というハードな生活の積み重なりの影響と飲酒癖が破滅へのきっかけになったのでした。兄のアルトンは3歳の娘 Susan が亡くなると完全に心が折れて、ますます深酒するようになり音楽への興味を失なっていきました。兄弟は分裂し、1952(昭和27)年には弟の Rabon が重病にかかりデトロイト経由で Athens に帰っていきました。兄のアルトンはしばらくの間はバーテンとして働き、やがて Rabon に続いて故郷へと帰って行ったのでした。 

1952(昭和27)年12月4日弟の Rabon Delmore は肺癌で亡くなります。その時に兄の Alton はデルモア・ブラザーズは兄弟でないと音楽的には成り立たないことを悟りましたが 復活の望みは( Rabon の死によって )永遠に断たれたのでした。兄のアルトンはアラバマ州 Huntsville 近郊へと移り、そこでしばらくの期間ローカル放送局で仕事をし、同時にギターを教えたり訪問セールスの仕事をして運を取り戻そうとしました。 
Alton Delmore は1964( 昭和39 )年6月9日に Huntsville で亡くなり、妻の Thelma と3人の娘達、一人息子の Lionel が残されました。息子の Lionel は現在ナッシュヴィルでソングライターになっています。アルトンの妻 Thelma は1971(昭和46)年に亡くなっています。    次回に続く 

<ひとこと> 今回載せたLPレコードはデルモア・ブラザーズの King レコード時代のものです。珍しく日本盤が発売されていましたが、アメリカの Kingレコードは初期のころのヒルビリー、カントリー&ウェスタンの宝庫で、真に Rural American Music( 南部、南西部、中西部あたりのアメリカ向けといってもいいか も) を発信しているようなレコード会社だったという印象が強いです。日本ではほとんど輸入盤でしかお目にかかれないようなレコードが多かったと思います・・・・原盤は日本では値段がべらぼうに高くてしかも大都会でしか手に入らなかったのではないでしょうか 。今回の2枚のレコードはデルモア兄弟の全盛期に当たるのではないかな・・・と個人的には思っています。2枚目のレコードの中にフォスターの名曲 ”オー、スザンナ ” があります・・・私はデルモア兄弟が歌うこの曲がとても好きで録音して何度聴いたことか!!   続く
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デルモア ブラザーズ(1)

2015年11月26日 | 懐かしのカントリースター
 
The Delmore Brothers (1)
米国盤 County Records-402 The Delmore Brothers 1933-1941 recordings
(1)The Nashville Blues (2)Blue Railroad Train (3)Broken Hearted Lover (4)Happy On The Mississippi Shore (5)Til The Roses Bloom Again (6)Brown's Ferry Blues (7)Back To Birmingham (8)Don't You See That Train (9)Big River Blues (10)Gonna Lay Down My Old Guitar (11)Fugitive's Lament (12)Honey I'm Ramblin' Away

今回は伝説の兄弟デュオ ”デルモア ブラザーズ ” を3回にわたってとりあげることにしました。私は兄弟の残したLPレコードを何枚か持っていますが、アメリカの独立レーベル County Records 社から出されたLPレコード( 写真 )の裏ジャケットに兄弟のおおまかな経歴が載っていますので省略せずに訳して載せることにしました。 ただ、わかりやすくするために処々に私なりの補足や写真を入れています。 
デルモア ブラザーズは2001(平成13)年に栄えある Country Music Hall Of Fame に選ばれましたが、現代の日本のカントリーミュージックファンの間ではほとんど忘れられたような存在になっているのではないでしょうか。今回の古いアメリカ発のレコード解説が少しでも興味の湧くきっかけになればいいな・・・・と思っています。 以下解説

「 カントリーミュージックの歴史の中でも有名な兄弟デュオのひとつである The Delmore Brothers はアラバマ州 Elkmont の出身で、兄の Alton Delmore は1908(明治41)年12月24日、弟の Rabon Delmore は1916(大正5)年12月3日に生まれています。二人の両親である父親の Charlie、母親の Mary(=Aunt Molly)は Limestone 郡の北部にある岩だらけの丘陵地帯でやっとこさ生計を立てているという小作農でした。1920年代初期に郡南部のテネシー河近くの肥沃な低地帯でよりよい生活を夢見て農業に従事しようと移住したのでした。しかし事はうまく運ばず、他人の土地を借りての小作農の仕事は肥沃な低地帯も岩だらけの丘陵地帯と変わらず、報われないものでした。それに加えて大恐慌の波がこの地を襲ったのでした。 
 
アルトンとレイボンはほかの兄弟・姉妹たちと一緒に自分たちの家の収穫作業を手伝い、日雇いとして他の家の作業を手伝い、父親の Charlie は秋になると綿摘みの仕事をしたのでした。Tennessee Valley Authority ( テネシー河流域開発公社・・・・Wikipedia で検索してみると、1933年に米国大統領フランクリン・ルーズベルトが世界恐慌対策として実施したニューディール政策の一環でアメリカ南部の貧困改善に一役買ったとのこと ) による劇的な経済的変化が起こる以前は大多数の隣人たちと同様に Tennessee Valley 地区は貧困にあえいでいました。実に厳しい時代でしたが デルモア家にはいつも音楽が満ち溢れていました。優れたミュージシャンだった母親の Mary( Aunt Molly )は子供たち全員に音楽を教えたのです、中でもアルトンはとびぬけて優秀な教え子でした。アルトンの音楽才能は local singing school に参加することでより磨かれていきました。 デルモア家の者は教会が開く夏季伝道集会で歌うことも好きでした。
しかし、依然としてデルモア ブラザーズの音楽に直接の背景を醸し出していたのは貧しさだったのです。Tennessee River 地区で朝から晩まで疲労困憊になるような労働を共有する(黒人たちと)同じ境遇の白人労働者には黒人ブルース歌はデルモア兄弟のコード(音楽)に敏感に心に響いたのでした。 

かつてアルトンが次のように述懐しています・・・・”私たち兄弟が音楽生活でお金を稼いで絶頂期にある時でも染み付いた貧しかった時代の不安感とか怖れを払拭することは決してできませんでした”・・・・と。 苦境の時代の過酷さから逃れたいという強い欲求は兄弟の多くの歌に具現されており、ボーカルと楽器演奏の双方に心を動かされるほどに表現されています。Train や River という語は兄弟にとっては貧乏生活からの逃避としての問題を解決する手段を表わしていました。 
アルトンは早い時代に弟のレイボンにテナーギター(4弦ギター)を教えました。10歳になる頃には二人は近隣の音楽会で一緒に演奏し、後年二人に名声をもたらすことになる close harmony を披露したのでした。1930(昭和5)年にデルモア ブラザーズは郡の中心地 Athens で毎年開催される Old-time fiddler's contest にエントリーして優勝。コミカルな唄を歌ったあるグループにほとんど優勝をさらわれるところでしたが、審査員たちは二つのグループを何度か呼び返したあと最終的にデルモア ブラザーズに軍配を上げたのでした。その夜家に帰ったアルトンが言うには 聴衆が望むなら僕達だってコミカルな唄を歌うこともできたんだけどね・・・・と。 

アルトンの功績は ” Brown's Ferry Blues ”という曲にあります、この歌はテネシー河畔にある自分たちの家近くに古くからあるフェリー乗り場にちなんでつけた歌です。( 皮肉なことにこの有名な歌に感化を与えた河辺の場所はのちにその種の中では世界有数のTVA [テネシー河流域開発公社] の Brown's Ferry Nuclear Plant になったのでした)。この歌は正しくは Novelty song ( 斬新な内容の唄 )と見なされていますが まぎれもなく苦境時代の暗澹としたニュアンスが聴かれるものです。 即ち次のような内容に・・・ ” Hard luck papa standin' in the rain, If the world was corn he couldn't by a grain・・・・”。 その歌が Limestone 郡周辺の人達にだけしか関心を示されなかったとしたら二人はWSM(グランド・オール・オープイー) のステージでこの歌を演奏することなどなかったことでしょう。 実際は、放送局のマネージャーが兄弟がその歌をジャムセッション風に歌うのを聴いてラジオ番組にその曲を入れるように主張する以前からデルモア ブラザーズは WSM (オープリー)のステージで1年中この歌を演奏していたのですから。 次回に続く 
 
<ひとこと> 私が初めて聴いたデルモア ブラザーズの唄は( いつどんな時だったかは思い出せませんが ) ”When It's Time For The Whipporwill To Sing ( 夜鷹の鳴く頃 )” という曲でした。 きれいなメロディラインを持った曲です・・・・・4弦のテナーギターは珍しくて、昔アメリカのフォークグループ The Brothers Four の一人が弾いているのを見たことがあるくらいでしたが なかなかいい音がする楽器です。昔のヒルビリー兄弟グループはギターとマンドリンの組み合わせが多いですが、デルモア ブラザーズの場合 弟の Rabon Delmore が曲の中でメロディを弾く時はほとんどこのテナーギターが担当しているのではないでしょうか。二人のギターテクニックもなかなかのものですし 何といってもそのボーカルデュオの雰囲気が好きです。 古い昔のアメリカの不況時代に貧乏生活から抜け出すために必死だった( 往年のジョン・フォード監督の映画「 怒りの葡萄 」の世界かな )・・・・といった背景を知ると彼らの歌を聴くのにもつい真剣になってしまいます
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リン・アンダーソンが亡くなった

2015年08月06日 | 懐かしのカントリースター
リン・アンダーソンを偲んで 
 
Lynn Anderson (1)
米国盤 カセットテープ Laser Light Records 72 128 Lynn Anderson / Cowboy's Sweetheart
(1)I Want To Be A Cowboy's Sweetheart (2)Ponies (3)Desperade (4)Even Cowgirls Get The Blues (5)Run For The Roses (6)The Red River Valley ( guitar and mandolin solo, Marty Stuart ) (7)Someday Soon(8)Don't Fence Me In (9)The Wayward Wind( harmony vocal, Emmylou Harris ) (10)Happy Trails

リン・アンダーソンが亡くなりましたね ( 1947~2015年7/30 ノースダコタ州出身 )、私よりもちょっとお姉さんになります。リン・アンダーソンといえば ”ローズ・ガーデン ” というくらいにカントリーだけではなくてジャンルを越えてポップス畑でも大ヒット(1970=昭和45年)した曲で知られています。 でも私にとっては今日採りあげたこのアルバムが印象あるものになっています。 何枚かレコードも持っているんですが、1992(平成4)年発売の このカセットテープアルバム(LPレコードもあるんでしょう)は彼女にしては珍しくアメリカ西部やカウボーイなんかに題材を求めた内容のものなんです。 
もうずいぶん以前になりますが、リン・アンダーソンは個人的な日本人の友人を訪ねて鹿児島に来たことがあります・・・・・その時に鹿児島市内の ” Heaven Hill ” というカントリーバーに遊びに来たそうで、友人の K君が教えてくれたことがありました。私自身は仕事で行けなかったのですがその時は ”エッ!あのリン・アンダーソンがなぜ鹿児島に? ” とびっくりしたものでした、全く予期しない出来事だったからです。 今から思えばもったいないことをしたなあ・・・・・と思います。カセットはK君がその時に奨めてくれて買ったものです( リン自身が持参してきていたものだったかも知れません )。 普段カセットは聴かないのでこのカセットテープも行方不明になっていて今日やっと探し当てて彼女を偲んで 買って以来2度目に聴くテープ・・・・・そんなに熱心に聴いてはこなかったリン・アンダーソンですが、彼女がもうこの世にいないことを知ると淋しく何となく感慨深いものがあります。ジャケット裏に彼女自身のコメントがありますので(私の補足を入れて)訳して載せておくことにします。      
 
 
「 私がまだちっちゃな女の子だった頃、古い西部で幌馬車隊の馬車に乗っていてインディアンにさらわれる自分を空想したことがありました。愛馬トリガーに乗ったロイ・ロジャース( 少年少女達のヒーローだった Singing Cowboy )がいつも助けに来てくれたものです、そして夕暮れ迫る頃馬車を降りて ”Happy Trails ” を歌ったものでした。私は馬やカウボーイ、ロマンチックな西部にいつも憧れを持っていました、それにそのようなことを歌った唄も好きでした。カウガールになることはずっと私の大きな夢でしたから、そんな内容の歌を皆さんに歌ってあげる立場になるなんて私にはとってもスリリングなことなんです。あるものはモダンな内容のものですが、Traditional( 伝承的な )な曲もあります。 日が暮れてドライブを切り上げる時、馬に乗る時、古き良きアメリカ西部が姿を消していく前に見ておきたい時にもこの音楽を聴いて欲しいと心から思います。」

・・・・・以上ちょっとロマンチックなことが書いてあります( smile )・・・・・出身が北ダコタ州ですから乗馬も得意で、アメリカ西部の風をいっぱいに浴びて育った(?)ことを思うとこんな内容の唄を歌うのは不自然なことではありません、そんな感じを持ちました。音的にはスチールギター、フィドル(カントリースタイルのバイオリン)も入ってじっくり聴いていくと味わい深いアルバムになっています。 

個人的には1972(昭和47)年頃の ” Listen To a Country Song ” という曲が印象に残っています
コメント (4)
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