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西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇の本 -3- (アメリカ西部)

2008年03月22日 | 西部劇の本
ワイアット・アープ伝  津神 久三 著  リブロポート(1988年出版)
この本はアメリカ西部史上有名なワイアット・アープについて書いた本です。この本の特徴として著者の津神 久三さんはアープに関するあらゆるアメリカの文献(親アープ派と反アープ派のそれぞれの文献)、当時の新聞記事、アープの周辺の関係者の証言などを渉猟して自身の見解を展開されており、全く尊敬に値する労作だと思います。写真も豊富に載っています。以下に目次だけ載せてみますがこれだけでいかに詳しく述べた本であるか判ると思います。
第1部
 サンペドロ谷の銀発見   定説「アープ悪党説」への疑問   エルズワースとウィチタ1873-76年   ダッジ・シティ1876-77年   クレイ・アリスンとの一騎討   ダッジ・シティ1978-79年
第2部
 アープ一家の到着   騒憂の銀山町   トゥムストン戦争の発端   リンチ暴徒撃退事件   「カウボーイ」たち
第3部
 ベンスン行駅馬車強盗事件   ”OKコラル”への道 1   ”OKコラル”への道 2   決闘ーその日、朝から夜中まで   ”OKコラル”裁判
第4部
 アープは強盗であったか 1   アープは強盗であったか 2   アープは強盗であったか 3
第5部
 バージル・アープの負傷退場   策師ワイアットの暗躍   チャールストン事件   血の報復   アイアン・スプリングスの決闘   トゥムストンの終曲   あとがき      

”「トゥムストン(墓石)」とは変わった地名だ。しかも、その隣りの町が「コンテンション(争い)」である。闘争ー墓石と続いては、この組み合わせだけで、すでに暴力まかり通った西部開拓時代を思わせるに十分なイメージが生まれる”・・・・・との書き出しで始まる517ページのボリューム満点の本です。W.アープの軌跡を丁寧に追っかけたもので、日本で此処まで詳しい本が出るとは思ってなかったので買ったときはびっくりしました・・・・でももう20年もたつんですね。その間映画でケビン・コスナー主演の「ワイアット・アープ」(1994年=平成6年)とか同じ年にカート・ラッセル主演の「トゥームストン」が上映されて面白く見たものでした。この本今でも現役なのか不明ですがアメリカ西部や西部劇に興味を持っている人達にはとてもよい本だと思います。
この本に載っている面白い話・・・・アリゾナで銀の試掘に没頭していたエド・シーフェリンという男の回想録「トゥムストン発見史」に、近くの騎兵隊砦に食料や日用品を買い込みにいく度に兵隊達が「何か”石”が見つかったかよ?」と・・・「いいや、でもいつかはここでひと山当てて見せるぜ」というと決まって「そうだろうよ、おめぇさんの墓石(tombstone)を見つけるくらいだろうよ」と言われたそうで、後年ついに銀の大鉱脈を掘り当てた時、「自分の墓石」の言葉が耳について離れなかった彼はそこをTombstone(墓石)と名付けた・・・・のだそうです。
鉱山町としてトゥームストンがいちやくブームタウンになって人口が増えると新聞社を起こす人も出てくる・・・・その際「墓石(tombstone)にゃ墓碑銘(epitaph)が必要だ。」・・・てな訳で新聞社名が「エピタフ(Epitaph=墓碑銘)」社になったとか、対抗するもうひとつの新聞社が「ナゲット(Nugget=金塊)」社になった・・・・などと知ると、まあ~アメリカ人のユーモアセンスというか西部人のおおらかさを見る思いで楽しい一面でもありますね(smile)

ところで、Town too tough to die(タフすぎて死なない町)がキャッチフレーズのアリゾナ州の小さな田舎町TOMBSTONEは、今はフロンティア時代の盛時をしのぶ観光地とし命脈を保っているそうです・・・・まさに「つわものどもが夢の跡」って感じなんでしょうね。 西部劇ファンとしては一度訪れてみたいもの・・・・
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西部劇の本 -2- (アメリカ・ウェスタン辞典)

2008年02月11日 | 西部劇の本
アメリカ・ウェスタン辞典 大島良行  編著1981 (研究社)     
1981年(昭和56年)に出版された小さな辞典(353ページ)です。著者大島良行さんがはしがき(巻頭言)に次のように述べておられますので一部ですがこの本の目的が集約されていますので・・・・・

”西部劇映画を通じて「西部」のイメージが日本の人たちに伝えられ、この地域にかなりの親しみを感じている人も少なくないでしょう。しかし、残念なことに、「西部」のほんとうの姿を伝える媒体が少ないために、西部劇映画を見ながら、実体はどうだったのだろうかと考えたり、映画の物語や情景に疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。   この辞書は西部劇映画に登場する事件や人物、場所も含まれていますが、主に19世紀後半の「西部」の歴史に関する事件、事項、人物、場所、民話の主人公、当時の用語などを集めて解説したものです・・・・・毎年、日本から何万人もの日本人がアメリカへ行きますし、私が同行する人々や現地のガイドと称する日本人に、「西部」について質問しても、ほとんど正確な答えが返ってきません。アメリカへ行く人、アメリカへ行ってきた人、また、西部劇映画を愛好する人がたいへん多いのに、「西部]について知っている人が少ないのは、知らせる媒体が少ないからです・・・・・この辞書はもっと一般の人々に使ってもらって、西部劇映画の嘘を発見したり、アメリカ旅行での知識を利用して、アメリカの真の姿の発見に役立ててもらえればいいと願っています”・・・・とのことです。

とても有難い本で僕もよく利用させてもらっています・・・西部に関する用語辞典(A~Z)の他に「開拓者の治療法」「原住民の治療法」「西部の動物」「西部の民謡」「有名西部劇映画一覧」「開拓時代の料理」・・・・カウボーイ・ビーンズとかアリゾナ・キャセロールとか多くの例が、材料や作り方まで載っていて作って食べてみたいと・・思わせるようなものです。    今は古本でしか手に入らないですがこの方面に興味のある方にはお役立ち本でお勧めです
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