先日、NHKアーカイブスという番組(過去に放映された傑作選の放映)、食い入るように
拝見しておりました。タイトル:日本人は農なき国を望むのか?...。高名な農民作家である
故・山下惣一さん(実名ご容赦を)の特集でありました。
私の師匠のお一人に、その生涯を農協運動に捧げた方(故人)がおられ、その方との接点から
山下さんの書籍、何冊読んだことかと...。お会いしたことはありませんが、何度かお見かけした
ことがあり(TPP反対運動などの場で)その発言、いつも衆目を集めておられました。
国の政策で指定品目の増産を行うも価格暴落、そこに自由化が拍車を掛ける。農業は人の命を
育む産業であるにもかかわらず、食と農の距離は益々離れる。やがて農業は成長よりも安定、
拡大よりも持続、競争よりも共生...に辿り着く。そして身土不二と言う言葉...。
身土不二...。身(人間の体)と土は同じ。その人が暮らす四里四方(今でいう16kmくらい
の範囲)で採れた食べ物で生活するが良い...。今、山下さんの本を引っ張り出して片っ端から読ん
でます。思わず笑ってしまうような皮肉の中に、色褪せない珠玉の言葉が並んでおります...。