銚子・角巳之・三代目

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方丈記②

2021年04月09日 | 日記・エッセイ・コラム

鴨長明が生きた時代は平安末期から鎌倉初期...。明治維新などと同じで歴史の大きな転換点...。
公家から武士に政権の主役が交代。それだけでも大きな変化であったのに、長引く戦乱、大火事、
大地震に竜巻、飢饉まで...。人心は乱れ、為政者まで生きるためなら何をしても良いのだ...と。

そんな時代背景にあって、自らは和歌など文学の分野で、時の天皇までその実力を認めるほど
大きな才能を持ちながら、周囲の嫉妬や意地悪によって希望する職位に就くことができない...。
生きるために人の道を外れてく周囲と、全く思い通りにならない自分の人生...。

50歳の時に鴨長明は出家。京都郊外の日野と言う場所に庵を立て、その庵が方丈(約3m四方)
という大きさであった事から、その庵で感じたことを記したのが方丈記である。とのことです。
人が生きるにこれだけの大きさがあれば十分で、大きな、豪華な家への執着を捨てよ...と。

この隠棲生活に満足していた鴨長明も、最晩年にはその生活にも疑問を抱く...。希望する職位、
大きな家...、こういう執着を振り払って出家し、小さな庵で生活してきたが、今度はこの境遇に
満足し、それを手放したくない自分がいる...。このこともまた執着ではないか?(続きは次回に)