風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

サバイバル ファミリー

2017-11-17 | 映画・芝居・TV


つい数日前、東京の田園都市線が停電でストップし
16万人もの足に影響が出たというニュースがあったばかり。
「東急電鉄の社長にも(バスやタクシーを待つ)列に並んで欲しい」
という、インタビューを受けていた人々の声が放送されていたのだが、
この映画を見ていて、そういう言葉が
実際にサバイバルが必要な時にはいかに空虚なものであるのかと
つくづく思った。

私は「人間のやることに完璧はない」と思っている人間。
(だからジェットコースターには乗ろうと思わない)
どんなに完璧を目指しても、それに近づけることはできても
たぶん100%は決してない。
だから当然、今回の田園都市線のようなことは当然起きる。
要は大なり小なりそのための備えを心がけているかどうかではないか?
電車が止まったら、善後策をどうするか。
私も含め、あまりに便利な世の中で生活していると、
人間が本来持っていると思う危機管理能力が衰える気がする。

レンタルで借りてきて見たこの映画は
予告編の作り方や、ところどころに散見される
非現実的でご都合主義なストーリー展開を見ていると
たぶん笑えるエンタテイメントというカテゴリーになるのだろう。
しかし見ていて、そんなに笑う気にはなれなかった。
6年前の、ライフラインが止まったあの数日がフラッシュバックしたからだ。
いざという時、公共交通機関や金は何の役にも立たない。
もちろんブランド品も。
それでもそういうものに頼り、執着する人間たちが哀しい。

スーパーやコンビニに食べるものが無くなっても
田舎では米も野菜もあった。井戸や自家水道もある。
電気が通らず、エアコンやファンヒーターが使えなくても
反射式ストーブがあったし、いざという時には火を焚くこともできた。
サバイバルが必要な時、本当に強いのは
土とともに生きる生活なのだろう。
そして地域のコミュニティーによる共同備蓄。
田舎の当地でも、必要なものの物々交換が行われていた。
ふんだんに最新技術が駆使される、普段便利に見える生活は
本当に便利な生活なのだろうか。
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