風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

先生の仕事

2021-03-18 | 社会



写真は私の母校 岩手県立花巻北高の80周年記念誌。
平成24年度に同窓会副会長および印刷会社勤務者として
副編集長を任命され製作したものだ。
それから10年。
令和3年度の母校90周年に向けて
今度は私が編集長になって編集を進めている。

先般、OBである現校長とかつて勤務していた先生方を迎え
この10年間、学校が行なった取り組みを振り返るべく
3つのテーマで3回に分け、座談会を行った。
今はそこから起こした内容の原稿整理を行なっている。
OBとして、そして15年ほど前には息子たちを送り込んだ親として
一般には知られざる先生方の仕事の一端を垣間見て
心から敬服しながらの作業になっている。

両親ともに教員の家庭で育ったため(特に親父は高校教員)、
なんとなく先生という職業のことを知っているつもりになっていたが、
知っていたのは表に見えるほんの一部なのだと知った。
例えばカリキュラムと時程により授業をどう組み立てるのか、
その学校の生徒の気質によってどんな教育ができるのか、
あるいはどんなことを行い、どんなことを身につけてもらうのか、
どんな人間を育てようと考えるのか、
常に真剣に討論、議論を重ねて学校は運営されている。
授業時間を50分にするか、55分か、60分か、
たった5分、10分の違いながら授業の進め方は大きく変わる。
法律により取得すべき単位数が決められているから、
時程をどうするかは、1日何コマ入れられるかに関わる。
部活の時間とのせめぎ合い、主要教科以外の時間の考え方・・・
それを先生方は「やってみてダメなら責任とって辞める」まで覚悟して
その内容を吟味して考えていたのだ。
聞いていて、自分が高校時代に授業中寝てしまったのを後悔した(^^;

そして一番嬉しかったのは
OBではない、かつて本校に勤務した先生方の母校生徒への評価。
「この学校の生徒は自分で考える力を持っているから大丈夫」
「自ら考え、自ら動ける生徒にどう方向性を見せるか」
「能動的な生徒たちに、知識詰め込み型授業はそぐわない」
そうか、私が高校時代の校風が
まだこの学校の根底に残っているのか。
下駄履き、腰手拭いだった我々の時代から
サラサラの髪をなびかせ、スマホを持つ現代においても
知的好奇心を追求したり、千万人といえど我行かんの気質が
まだ残っているのか。

最近、現役高校生たちが、花巻のまちおこしの活動をしたいと
私のところに相談に来た。
こんなおっさんのところにも自ら積極的に飛び込んでくる
その気概こそさすが後輩たち。

90周年記念誌を作る仕事はなかなかの力仕事だが
PCと睨めっこしながら嬉しさにほくそ笑んでいる自分がいる。
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