風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

花巻の観光戦略

2018-06-27 | 文化
花巻は、他の自治体からうらやましがられるほど
観光資源をたくさん持っている。
市内の温泉は14〜15軒を数え、台温泉のような温泉街もある。
ハヤチネウスユキソウが有名な日本百名山の早池峰山は人気の山だし
国の無形重要文化財&ユネスコ記録文化財の早池峰神楽も
日本三大神楽のひとつとして人気がある。
宮沢賢治や萬鉄五郎を生み育て、高村光太郎や寺島貞二が疎開し、
南部杜氏の里であり、エーデルワインの産地であり、
雑穀生産量日本一で、揉めも野菜もリンゴやブドウも美味しい。
花巻と土沢という2つの城下町を包括し、
加えて石鳥谷、大迫という交通の要衝としての宿場町を持ち、
新幹線の駅があり、空港があり、
高速道路のインターチェンジは市内に4つもあるほど公共交通の便が良く、
おまけに全国からお客様を集めるマルカンビルがある。

ときどき「コンテンツがありすぎなんじゃないのか?」とか
「残念ながら場所が点在しているからなぁ」とか言われるのだが、
一番の問題は、場所だけではなく、
それぞれのコンテンツが「存在として点在している」ことだと思う。
県内一のキャパを誇り、海外からのお客様を年間4万人も集める温泉は
市街地にインバウンド対応するコンテンツがないために市外観光へ連れ出し、
賢治関係は賢治関係で、光太郎関係は光太郎関係で、
早池峰山や神楽に関しても全く単独での活動がメインだ。
しかも、営利企業以外は補助金頼みだったりして
組織としても、コンテンツとしても脆弱であり、
連携ができていないから綱引き状態になっている感じ。
これでは市の予算がいくらあっても足りない。

ということで、
いま全国的に動きが出ている日本型DMOこそ
花巻には一番必要なものなのではないかと以前から考えていた。



昨日、昨夜のセミナーの存在を知って急遽参戦。
懇親会ではマイクの前でマチココの話なども少しさせてもらい
結果として大変有意義な参加となった。
セミナーももちろん有意義。
DMO(Destination Management or Marketing Organization)の
仕組みや有効性は知っているつもりだったが
その実際における組織のあり方、財源確保については目からウロコ。
すごく面白い。
花巻にどう確立していくのかについては力仕事だけど
いまやらなければ・・・というタイミングだろう。

温泉や賢治記念館には観光客が来る。
しかし市民も歩かない市街地を観光客が歩くわけがない。
市民自身が花巻のまちの魅力を再発見しつつ歩き、
コミュニティーを形成して人と人とのつながりがあるまちこそ
観光客にも魅力あるまちになるのだと思う。
昨夜は「まちの魅力あっての温泉」と
大手温泉経営者の方もおっしゃっていた。
小さい力ながら、そのための一助になるべく
「花巻まち散歩マガジンMachicoco」や
Machicoco主催のイベントは存在し続ける。



まずは7月、宵宮シーズンの「浴衣散歩DAY」



こちらを成功させなければ。
コメント
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