風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

旧暦

2016-01-31 | 文化


年賀状の絵柄としてオーソドックスな梅の花。
松と並んでお飾りやお軸などにも使われる。
が、実際には正月に梅は咲いていない。
また賀詞にも「初春」や「迎春」「頌春」などと
春を寿ぐ言葉が使われるけれど
本格的に寒くなるのは正月明けからが普通。
言葉や絵と季節が合っていない。
なぜか。

これは賀詞や絵柄に旧暦の習いが残っているせい。
日本では明治6年に新暦(グレゴリオ暦)が
欧米に合わせるべく採用されたのだが、
強引に施行されたため
混乱が150年近く経った今でも見受けられる。
「そういうものだ」と決めてしまえばそれまでだが、
とはいえ季節と歳時記があっていない弊害は
日本人の季節に対する思いを
薄めてしまっている気がしてならない。
二十四節気や節句のお祝いなどもその通り。
法律や国家体制を戦前に回帰するのではなく、
もう一度旧暦に沿って暮らしてみると
日本の文化や季節や自然に対する感性がより高まり、
日々の暮らしも豊かなものになる気がするのだが。

今年の旧暦の正月は新暦の2月8日。
東京日比谷公園ではもう梅の花がほころんでいた。
コメント
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