風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「『魔法の1行』がかける本」

2012-09-15 | 読書
共通の思い出の店つながりで
この春知り合った作家水野麻里さんの最新著作。
もちろん買いましたとも。
だって「魔法の1行」書きたいし(^^)

読んだ感想は「なるほどなぁ」だった。
まぁ書くことから近い業界にいることもあり、
普段無意識の内に感じたりしていることを
文章できちんと書いてもらっているから。
「そっか、こういうことはこう書けば説明つくじゃん」
と目からウロコって感じ。
一番感心したのは「読書は何のためにするのか」。
今まで何度かそういう質問されたりしたけど
「面白いから」としか答えて来なかった(笑)
なるほど・・・引き出しかぁ。
(詳しくは本書をご覧下さい)

もうひとつの「なるほど」は
水野さんが小説執筆の際やっているコツ。これはいい。
特に長い文章を書きたい時には結構有効だと思う。
こっそりパクろう(これも詳しくは本書をご覧下さい)

でもね、この本の主題は要は文章の書き方じゃない。
どちらかというと普段の生活というか
もっと大げさな言い方をすると「生き方」だ。
どんなことでも着地点、到達点、目標は必要だろう。
そして自分はどうやってそこを目指すのかという姿勢が
恐らく哲学なのだと思う。
それを自ら見いだすために引き出しが必要・・・
みんな繋がる。
技工だけの文章は
どんなに上手そうに見えても「魔法の1行」じゃないってことね。

水野さんも子どもの頃のことを書いているが
ワタシも同じような経験がある。
かつてココに書いた記事から抜粋すると・・・

  ☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

小学2年の時、「せんせいのこえ」という詩で市だったか県の表彰を受けた。
授業で書いたものだったが、大人達からのウケがめちゃ良かった。

  「○○くん!!」せんせいのおおきなこえ
  ぼくはどきっとした

という導入から始まる詩は、級友達の「ぼくは」から始まる詩とは一線を画していた。
その後、先生の声がいかに恐く大きいかについて何行か書き、最後は

  せんせいのこえは おかあさんのこえににている

・・・この決めゼリフ、実は「狙った」(笑)
賞を狙ったわけじゃない。
こう書けば大人達にウケるんじゃないかと子どもながら考えたわけだ。
導入部分はもちろんのこと、
マイナス展開から最後に「おとす」というのも狙いだった。
見事に「はまった」快感。

  ☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

嫌な子だった(^^;
でもその原体験のお陰で
今「文字」や「文章」に興味を持ってるんだから
まぁいいか(笑)

「『魔法の1行』が書ける本」水野麻里:著 三笠書房
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする