風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

緑の町に舞い降りて

2009-04-22 | 風屋日記
 輝く五月の草原を
 さざ波はるかに渡ってゆく
 飛行機の影と雲の影
 山すそかけおりる
 着陸ま近のイヤホーンが
 お天気知らせるささやき
 MORIOKAというその響きが
 ロシア語みたいだった

 三つ編みの髪をほどいてごらん
 タラップの風が肩にあつまる
 もしも もしもこの季節
 たずね来ればきっとわかるはず
 あなたが気になりだしてから
 世界が息づいてる

 銀河の童話を読みかけて
 まどろみ 心ははばたく
 あてもなく歩くこの町も
 去る日は涙がでるわ

 セロファンのような午後の太陽
 綾とる川面をゆっくり越えて
 いつか いつかこの季節
 たずね来ればきっとわかるはず
 誰かが気になりだしてから
 世界が息づいてる
 新しい笑顔お土産に誰かのもとへ帰る
(作詞作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)

いわて花巻空港のイメージソングに選ばれて
今月新しくできターミナルビルの中に歌碑ができたとのこと。
数日前のお披露目にはユーミン自身も来たみたい。
私にとって最も思い出深い「悲しいほどお天気」に入っている
この1曲がより身近になったというのは感慨深い。

昨夜はとある会合で、NHK盛岡放送局の上原アナの講演があった。
アナウンサー人生を変えるほどの大失敗の後で赴任した盛岡放送局。
そこで出会った岩手の大自然に惚れ込み、終の住処を建てたとのこと。
「すべてが凍り付くような想像を絶する厳しい冬の後
 爆発的にやってくる春。秋の紅葉はまるで血の滴りのよう」
「北国特有の乾いた風が吹く夏の夕暮れは空が高い」
「厳しい冬の最中、ふと薄暗い夕方に日の長さを感じて春間近を知る」
さすが「自分にしかできない伝え方」を模索しているという上原アナ。
普段私たち自身が無意識に感じている季節への想いを
的確に言葉で表現してくれる。

この地に生まれ育っていない人たちだからこそ
逆に驚きとともに感じる岩手の自然、風景、空気。
私たちはそれを当たり前のように享受しているのだということを
ユーミンや上原アナは教えてくれる。

爆発的な岩手の春は始まっている。
まもなく、今度は爆発的な黄緑色の季節がやってくる。
コメント (13)
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