風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

ふるさとの風景

2009-04-11 | 風屋日記
先日ここでお知らせした
BSフジ「旅するハイビジョン 全国百線鉄道の旅」
~みちのくの大自然を行く 釜石線・山田線・岩泉線~
録画までして見た。

思っていたよりもかなり鉄分の多い番組だったけど(笑)
デジタルによる美しい映像が目を釘付けにした。
普段は日常の中の平凡な風景でしかない花巻駅が
TV画面を通して見ると胸がうずく懐かしい故郷の風景になる。
ゆったりとした時間の流れの中にある素朴な気動車。
のんびりとした構内アナウンス。
やがてゆっくりと、かつて花巻北高があった桜雲台の裾野を
ゴトンゴトンと音を立てて通っていく列車。
列車の行く先に伸びていく線路は
私が子どもの頃、線路脇をよく通った高校生時代、
そして東京へと巣立っていった頃と全く同じ軌道だ。
線路を離れて映し出された賢治記念館も、イギリス海岸も
そして花巻農高敷地内の羅須地人協会もいいけれど、
新花巻駅近くや小山田駅周辺と思われる
何でもない田圃の中を列車が走る映像もいいものだ。

宮守あたりの山間部、古い駅舎の遠野、釜石、
錆が目立つ宮古駅に停まった列車も味わいがある。
嬉しかったのは遠野と釜石の間の上有住(かみありす)駅。
小学校4年の頃、新卒だった若い先生に誘われて
クラスの有志が釜石線に乗ってピクニックに行った。
目的地は上有住にある鍾乳洞の滝観洞。
確か夏だったけど鳥肌が立つほど涼しい洞内を進むと
一番奥に見事な滝があった。
家族でも確か一度子ども達を連れて行ったことがあるなぁ。
その滝観洞も番組内で紹介されていたよ。
鉄ちゃん垂涎の盲腸線である岩泉線は初めて見たが、
駅周辺に建物の影すらない、
山菜採り以外何のためにあるのかわからない駅がいくつか。
終点の岩泉の駅をもっとよく見たかったな。

宮古から盛岡への山田線も初めて見た。
途中で宮古に引き返す車両があるんだねぇ。
盛岡へと降りていく手前の峠である区界(くざかい)も
家族で行った思い出の場所。
次男は抱っこしてたからまだ1歳前?
長男は私とお揃いのウインドブレーカーを着て
ちっちゃなリュックを背負っていたね。
シート拡げてお弁当にしようとしたらパラパラ雨が降ってきて
慌ててちかくのお店まで走っていったことを覚えている。

それぞれ1日に何本も列車が走る線路じゃないから
信号も線路も鉄柱も程よく錆びている。
風景も家が新しくなるぐらいで何十年、何百年と変わらない。
その中を列車は黙々とゴトンゴトン走っていく。
鉄道にそそられる気持ちって言うのは
もしかしたらノスタルジーの一種なのかもしれないなぁ。


※見逃した方、BSフジが見られない方でご希望の方には
 DVDをお送りします。ご連絡くださいませ。
コメント (3)
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