風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

CM・広告 考

2007-02-23 | 風屋日記
仕事柄CMなどの広告はよく見る。
CM・広告で最も大切なことは3点。
まず目を惹かなければ意味がない。
1人でも多くの人に認識してもらうことこそ
コストパフォーマンスのいいCM・広告と言える。
2つ目として、
宣伝対象である商品なり会社なりのポイントを
決められた時間内に簡潔に、しかも正しく伝えること。
いくら目立つCM・広告でもその部分が欠けてしまうと
何のために喧伝するのかわからなくなる。
そして最後に(私はこれがもっとも大事だと思うが)
哲学や理念を持って、倫理に基づいた表現であること。
目も惹く、商品もわかった、
でも公衆の面前に出すべきではないだろう・・・
という表現では社会的に許される広告ではない。

小林製薬のTVCMを面白く見ている。
「熱さまシート」や「トイレその後に」などの商品を
音楽も有名タレントも使わず、
また印象的なキャッチコピーなどのテクニックもなしで
一貫して地味なCMを流している。
ナレーションいつも同じ人では徹底的に説明口調。
もしかしたらクリエーターはもちろん、
広告代理店すら使っていないんじゃないかと思えるほど
何の工夫もないように見えるCM。
・・・が、同社のすべての商品のCMが同じノリなので、
CMが始まった途端にすぐ同社のものだとわかる。
あれはあれでひとつのスタイルになってしまった。
あのパターンももちろんアリだ。
他のCMが色んな表現を追い求める中で
逆に異色を放って見えるのだ。
「こーんないい薬があるんです」というコピーには
正直笑ってしまった(^^;

「♪た~らこ、た~らこ♪」で有名なCMは衝撃だった。
見ているこっちまであっけにとられ、
CMに出ている女の子と同じ、口をポカンと開けた表情で
毎回ボーゼンと見てしまう(笑)
インパクトは抜群だろう。
あれを考えたクリエーターは何者だろうと思うほど
あまりに意味もなく突拍子もない表現。
でもね、実は私の記憶の中に商品名がない(^^;
たらこの大軍と固まっている女の子の絵、
それにあの不思議な旋律の歌だけは忘れられないのに
どこの何という商品なのか覚えていないというのは
はっきり言ってCMとしては失格だろうね(笑)

朝日新聞で週に一度
広告評論家の天野祐吉さんが「CM批評」を書いている。
あれはホントに面白く、毎回欠かさず読んでいる。
実は「風屋日記」における私の文体と文章構成は
あの方の影響を強く受けているのではないかと
自分自身で分析してみたりしているのだが。
コメント (8)
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