十年ほど前に出版(徳間文庫)された江上剛氏の『人生に七味あり』という本は、巷でよく嗜好される”七味唐辛子”ばかりが 強調されたようだ。長く勤務する銀行が 吸収合併された折、聴いた辻占いの老婆の言葉「あなたのこれからは、”七味唐辛子”人生・・・」というイメージ。
人生の七味唐辛子なる”苦の七み”「うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ」が 強烈に残った。人生には いろいろ”山 谷、苦 楽、明 暗”あるという”七つ”の味(み)が、浮んでこなかった。
もともと 「七味唐辛子」とは、赤唐辛子などその辛さ味を感じたいとする人々や(料理)味に資する「一味唐辛子」に対して、他の香辛料など(山椒、生姜、ごま、陳皮、けしや麻の実など)をブレンドして、程よい辛さや好みの味が得られるように仕上げた複合調味料。
ビジネス マンなどには、前記”苦の七み”などより ”修や行の七む”などの方がフィットしそうだ。「挑む、励む、努む、勤しむ、修む、究む、和む」なる”七む” だ。尤も サラリーマン人生訓としては、忠恕や惻隠の心 などの方が大切なのかも知れない。
人生の七味としては ” 微笑み、慈しみ、慎み、恵み、温かみ、愛おしみ、和み”なる「愛の七み」や「感謝の七か(香)」の” 穏やか、晴やか、爽やか、和やか、柔やか、安らか、円やか ”あたりを心がけてほしいと思う。