吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

21世紀大衆社会とポピュリズム時評

2016年12月05日 | Weblog
ついこの間の20世紀後半、モノ社会の発展はマネー社会に入った。そして、バブル崩壊しデフレ経済社会に入った。すでに人口減少社会に入った日本は、デフレ脱却どころかいつも現在維持が精いっぱいの経済低迷にある。21世紀に入り16年が過ぎた。

2015/ 16年の世界は、中国と米国の景気経済の浮き沈みに翻弄された。経済でも政治でも世界をリードし、世界警察を自認していたアメリカの威厳や力が低下し、リーダーを失った。民主主義社会をリードしてきた政治家エリートたちの課題掌握と解決力が落ちた。四半世紀前よりアクセライズしてきたグローバライゼーションが、後退している。

この一年の米国大統領選挙における候補者と大衆選挙民との動向と結果としてのトランプ勝利が教えた教訓は、民主主義の限界と課題を提起した。トランプのアメリカ・ファーストは、世界の自国第一主義傾向を強めた。EU離脱のイギリス、移民反対とテロ対策に悩むフランス、移民不満や経済低迷に苦慮するオランダやドイツなども、自国第一のポピュリズムだ。どの国のリーダーも大衆の不平不満の解決処方が見つかっていない。(12/5早朝、オーストリアの反ポピュリズム良識の報が届いた。変わるかもしれない。)

民主主義という社会不満や社会希望の吸収装置が、機能しなくなっている。多くの国や人々が、インテリ・リベラリズムとポピュリズム(大衆迎合)としての強権選択の岐路に立たされている。

このようなことを思っている2016年は12月1日の「山・鉾・屋台行事」ユネスコ無形文化遺産登録を受けた「秩父祭の屋台行事と神楽」が、無形と有形(モノ)論議の不毛を教えた。それにしても、能楽、文楽、田楽、紬や和紙および和食などのユネスコ無形文化遺産登録は、うれしい限り。すべて、大衆オリジンの文化で無形だ。
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