吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

I T インターネット社会の安心の設計を。

2008年04月13日 | Weblog
 1970年の国の正味資産はGDPの4倍の260兆円だったが、それから20年の1990年には3550兆円とGDPの8倍にまで拡大した。そして、バブルの崩壊。その後は、土地も株式も負の調整額がつづいた。国の正味資産、国富の減少だ。とくに、土地などの有形固定資産の減少が大きい。国富に占める土地資産額の割合でみると、1990年は69%だったものが2004年は47%に減少しているのだ。

 土地長者が消え、IT/ ベンチャー長者が出現した。1995年10%やっとだったインターネットの(世帯)普及率は2005年には90%にまで上昇した。数字的には、ほとんどの家庭(世帯)にインターネットが普及したことになるが、若い人と高齢者や、都市と地方のインターネット利用格差は大きい。

 インターネットの利用端末もパソコン(6500万)と携帯電話(6900万)が同じぐらいになり、国民の2人に1人がケイタイを通じたインターネット接続を経験している。2000年から2005年にかけ急速に拡大したブロードバンド(契約数)やCATVの普及がこれらを加速したのだ。

 地方と都会の知的生産格差の拡大も世代間の格差も、インターネットの利用性の格差がもたらしていることに留意しなければならない。これからの富に格差をもたらす元が知識であるとするトフラーに従うならば、インターネットの利用性の格差がこれ以上拡大しないよう配慮しなければならない。

 もうひとつは、社会の安全や安心の設計だ。起こることを前提にしたリスクマネジメントではない。サイバー犯罪が発生しないように、インターネットや情報システムの災害崩壊やテロ破壊が発生しないようなインターネット・インフラを構築しなければならない。

 警察や国民生活センターが受理したインターネットの悪質商法や有害情報などに関する相談は、この5年で8倍に増え、年間84000件(2005年)にもなる。パソコンなどに感染被害をもたらすウィルスも多い。サイバー犯罪の検挙数も年間3000件(2005年)を越える。詐欺やポルノや脅迫などが2800件、不正アクセスやPC妨害などが350件も検挙されているのが現実なのだ。

 新しい社会的犯罪であるサイバー犯罪の防止やリスク回避策は、安心できるインターネット情報社会づくりの最低限のことだ。インターネットはいまや基本的な社会的生活インフラで、その安全・安心と信頼の設計こそ火急の課題なのだ。
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クルマ・フリー社会と長寿高齢化社会のビジョンを示せ!

2008年04月13日 | Weblog
 ほとんどの国民が自動車運転免許をとる。クルマ社会。買い物やレジャーをはじめ、ちょっとした用足しや移動もクルマ。マイカーで通勤したり、パークアンドライドで遠方通勤する人も多い。新幹線や通勤快速、都心の地下鉄に乗り入れする私鉄の特急なども整備された。都心の超高層ビルの会社に、新潟や福島や静岡などから通勤する人々も増えている。

 公共交通網や新幹線などの整備がどんどんビジネスマンや勤め人の通勤距離を延ばす。知的付加価値生産力の都市と地方の格差を大きくしている。パソコンやインターネットが普及し、オフィスやペーパーがフリーになりフェイストゥーフェイスで顔を突き合せなくても仕事ができる時代だと言われながら、それでも会社や職場という場所に通勤する。これからも、都心部に働く人の集中はつづく。

 自分もそういう時代に、人々と同じように暮らしている。土日のマイカー・ドライバーだ。土日の買い物や用足しだけのクルマだが、病院に行ったり電車やバスでは行きにくい区役所などへの足には必要なクルマだ。年金受給の高齢者の仲間に入っている自分だが、クルマを手放す時期も近い。後期高齢者になったら、運転免許証を返上しようと思っているが、その時のライフスタイルがイメージできない。

 後期高齢者医療制度や年金の徴収や支給以上に、高齢者の医療や介護およびライフケアの仕組みや制度が見えない。足腰の自由度や歩行の不自由があって、日常のインドア、アウトドアの行動や移動についての社会的サポートなどが見えない。

 ”見えない”ことが、いま一番の問題なのだ。近い将来の展望や約束が得られていないことが、人々をして不安にさせているのだ。明らかに”いままで”と異なる社会になっているのに”いままでどおり”と言われても信用できないのだ。いままでと、このようにここが違うという近い将来の社会の姿を示してほしい。長寿高齢化社会の生活インフラやソーシャルケアシステムの姿を示してほしい。

 昨日のビジョンと今日のビジョンが変わらない”安心”を政治してほしい。年金や介護だけではないのだが、約束を守る姿を政治やお役所が示してほしい。安心や信頼の根拠は、まず”約束”を約束どおりやっていくことに尽きるのだから。
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