吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

もっと国土が広かったら、もっと耕作地がほしいと嘆いてもはじまらない。

2008年03月14日 | Weblog
 先日このブログで、日本の食料自給率(39%/カロリーベース)の低さを嘆いた。飼料用も含む穀物(重量ベース)自給率は実に27%という低さだ。海外に頼るしかない日本の食料なのだ。

 必ずしも農作物ではないからと楽観してみたい畜肉や酪農油脂製品も楽観できない。国民の食事の欧米化なのか嗜好なのかハテナでも、牛肉や豚肉やその他の食肉の摂取と牛乳やチーズその他の酪製品の消費傾向は依然高止まりだ。しかも、これら畜産・酪農の生命線ともいえる牛や豚などを育てる飼料が急高騰している。肉牛にも乳牛にも、養豚、養鶏、養鰻にも飼育するには、穀物飼料や配合飼料が欠かせないのだ。

 米(作)についで助成や補助金などが多い畜産・酪農だが、自立しろ経営効率を上げろだけでは、ますます高くなる営農家のヒメイだ。国民消費者の理解を得ての価格転嫁も、買ったり選ばれたりしなくなっては元も公もない。日本同様、米を食べるアジア諸国のコメ不足も深刻だ。フィリピンやインドネシアがベトナムや日本に”コメをください”と猛アタックしている。バイオエタノール化以上に深刻な温暖化、寒波、干ばつの異常気象がもたらす米などの農産物供給量の不安定さなのだ。

 非GM(遺伝子組み換え)農作物やオーガニック100%を求めてやまない日本は、いまではペットフードでさえ、オーガニック、非GM指向がつよい。そのペットフードの輸入依存率は約55%だという。世界の穀物倉庫、米国やカナダおよび南米の農家が、非GMの大豆やトウモロコシを栽培しなくなる日は近い。

 自国の農業政策や戦略や支援による自給率の向上にもすぐの限界がある。国土、耕作地が絶対的に狭小だからだ。1年や2年で2倍から3倍にも価格高騰する大豆やトウモロコシをあてにせざるを得ない日本の食料事情なのだ。

 年金や医療、道路や生活基盤などのガソリンやエネルギーと環境問題に加えて前面化した食料安全保障問題。政府はどのように考え、どのように国民の不安を解消してくれるのでしょうか。目前の最も困難なテーマを迂回しないで、取り組んでほしい。
コメント
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