シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

特別豪雪地帯:昔の除雪、雪おろし・・・上げ!?

2021-02-16 | 四方山話…

特別豪雪地帯』については、前々回の日記で概要をとりあげたとおり。
私の実家は新潟県の特別豪雪地帯にある。平野部ではなく山間部の集落。
私が幼い頃は、家の前の道路に除雪車(当時は、普通のブルドーザー)は入ってこなかった。除雪車による除雪は国道くらいだったと思う。
積もった雪は2階くらいの高さになったが、(雪国と言えば!で云う)2階から出入りすることはなく。玄関から雪の階段を作り、積もった雪の上の歩道(道路)と上り下りしていた。朝は、隣近所の大人たちが「かんじき」で歩道を作って(踏み締め)いたはずだ。
昔のことなので明確ではないけど、小学生の途中からブルドーザーが入るようになったと思う。家の前の道路の向こうは、川にむけた斜面になっていたので、ブルの雪捨て場になっていた。ブルが斜面に向かって幾重にも押した雪は硬くて子供にとってはちょっとした遊び場だった。
ブルドーザーは、やがてロータリー除雪車に代わり、道路はよりキレイに除雪できるようになった。

今では国道や主要な道路では、ロータリー除雪車や除雪グレーダなど用途に応じた働く車が活躍する。家庭でも小型除雪車や小型除雪機を購入し、私有地の除雪をしているケースもある。

子供でも屋根の雪おろしは手伝った。まぁ、小学生の頃は手伝いになってなかったかもしれないけど。2階の屋根から落ちたこともある。でも雪は深いので、ズボッと雪のなかにもぐり身体は平気だったけど、抜け出すのが大変で・・・それはさておき。

雪おろしは、なるべく家から離れたところに落とした方が良い。窓の雪囲いもするけど、家屋自体に雪が密着するのは、水分だけでなく圧もあるのでよろしくない。つまり重たい雪を投げることになるので大変。大屋根の場合は距離的に投げきれないので、「雪とい」を利用し滑らせて落とすこともあった。雪おろしの後は、家屋の周囲の雪を除く(雪山に上げる)作業もした覚えがある。

今は、1階をコンクリート造りにして、その上に木造2階建てを載せるような家が多くなった。利点は、自然に雪が滑って落ちるようにした落雪式の屋根が可能になった。他には、屋根をあたためて雪をとかす融雪式の屋根もある。
さらに、雪国の家は頑丈に造られているが、それをさらに頑丈にした耐雪式の住宅もある。3mくらい積もっても耐えられる。
昔も今も、時代時代で克雪の工夫があった・・・。

ちなみに、作るのは大変だけど。雪おろしをして適度に硬くなった雪の山の下を横から掘り進めると「かまくら」ができる。あと、窓の雪囲いと高くなった積雪のおかげで、1階は一冬中暗かった。(ついでに言うと、昔は照明もそれほど明るくなかった。)


ところで、山間部育ちなので市街地での除雪や雪おろしのことは実感としてない。
現代では、道路の「消雪パイプ」は市街地でなくとも見るものの、雪の中で通路を確保する「雁木」、道路沿いに設けられた雪を流すための「流雪溝」など市街地ならではの工夫がある。

それでは、昔の市街地はどうしていたのだろう。除雪や雪おろしをしようにも、雪を捨てる(除けておける)場所を確保するのは難しいと思う。
Webで検索していたら、興味深い画像があった。 ※写真の出典元は十日町市(市には掲載承諾済)。

上の写真のキャプションは、「はしごを使い上へ上へ雪を積む(昭和11年)」
右に家屋、左の雪の壁(雪山)は家屋より高い。壁にはハシゴが掛けられている。これが何をやっているところか分かるだろうか。
たぶん、通路を確保するために、通路に積もった雪・雪おろしで落とした雪を、上へ上へと積み上げている状態だ。これは、町内の方が協力して一斉に行うのであろう。大変だし危険な作業だ。(写っている方々の装いがパリッとしているのは、この日は撮影があると言われていたのか、何かの行事があったのか・・・何だろう?)


次は、さらに珍しい光景だ。キャプションは「雪を串ざしにして捨てる(昭和9年)」

道路に雪を積み上げていき、高くなったところで、屋根から板を掛けて雪を運んでいる。屋根の雪はもちろんだが、串ざしにした人が列をなしているのを見ると、通路の雪も家の中を通って、もしくは屋根に梯子をかけて運んでいるのかもしれない。


さらに雪が降ればこうなってしまうだろう、という光景もあった。
キャプションは「屋根よりも高く積まれた雪の山(昭和20年)」

日々の生活は大事だけど、この雪山の状態は決して安心感は無いと思う。もし先日のような地震があったら、通路を歩いている人はひとたまりもないし、家も損壊してしまうだろう。(ひょっとして、雪山には支柱が立てられていた・・・とか?定かではない。)

山間部は元々不便で大変なことが多いけど、写真のような昔の市街地の除雪・雪おろしについては、より大変かもしれない・・・。そんなことを考えさせられる、克雪今昔物語の1シーン。

十日町市のホームページ>雪国とおかまち(雪の生活の紹介サイト)>歴史
http://www.city.tokamachi.lg.jp/yukiguni/Y003/index.html
ここでは、昔の雪国のくらしについて紹介している。

 

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6 コメント

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Unknown (地理佐渡..)
2021-02-17 06:20:39
おはようございます。

昔は融雪なんてことは無かったですから、
降った分ためていくしか無かったですか
らね。佐渡でもこれほどの量では無いで
すけど、降りました。実家の屋根の雪下
ろし。一冬に一回はありました。下ろす
とひさしに迫る行野山となりましたが、
佐渡はせいぜいでその程度。とても今回
紹介のような風景では無かったです。

今は良いですねぇ。ロータリー式の除雪
車はほんとすごいパワーです。そして、
消雪パイプ。静かに一台二台のロータリ
ー車に負けぬ効果です。

さて、今朝は強風から雪に変わりました。

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地理佐渡さん こんばんは (KAEDE)
2021-02-19 23:25:34
実家にいる頃は、雪の多い年が多かったように思いますが、その後の除雪と異なり道路や家の周りに雪がたくさんあったこともあるでしょうね。
昔の市街地も大変だったようです。驚きました。
それに比べたら・・・とはいえ、雪対策は難儀ですね。
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豪雪 (kawa)
2021-02-20 23:09:47
積もり方が、今とは比べられないくらいの多さですね。びっくり。
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kawaさん こんばんは (KAEDE)
2021-02-21 17:32:28
昔の市街地は、雪を捨てる場所がないので、目の前の道路に積み上げるしかなかったようです。なので、よけいに雪が多く見えますね。
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豪雪は大変ですね (ringo)
2021-02-21 20:27:35
こんばんは。
豪雪地帯の雪おろしは、大変な作業ですね。昔は今とは比べ物にならないくらい大変だったのですね。
貴重な写真を見せて下さって、ありがとうございます。
今は、建て方が工夫されて3m屋根に積もっても大丈夫な家があるのですね。これからも、どんどん工夫された家が建てられるでしょうね。それにしても、雪はあまり降らない方がありがたいですね。
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ringoさん こんにちは (KAEDE)
2021-02-23 12:31:06
私も昔の雪おろしの画に出会い、雪国を考える良い機会になりました。
昔に比べると、除雪の仕方も建物も変わりました。たぶん、これからも変わっていくのでしょう。
雪国にまったく雪がないのも季節感が無いようで・・・。降って止んで融けて、また降って止んで融けて、それほど積もらないように適度に降ってくれたらな~と思います。
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