5月7日(土)、朝に実家を出発。南魚沼市の浦佐地区で観光してから自宅に帰ることにした。この日も初めて訪れる所で感心・感動があった。
■越後浦佐 毘沙門堂・吉祥山 普光寺(ふこうじ)
毘沙門堂の歴史は古く、大同二年(807年)に坂上田村麻呂将軍が東国平定の際に建立したとされ、その別当の普光寺は延宝八年(1680年)に建立され、毘沙門堂とは回廊でつながっている。
3月に催される「浦佐毘沙門堂裸押合大祭」は、日本三大奇祭の1つで約1200年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されている。また、重さ約30kgの大ローソクを使用する事から「大ローソク祭り」とも言われている。
参道から橋を渡り、石段を上った先に立派な山門(仁王門)が出迎える。市の指定文化財。
山門は銅板葺の入母屋造り、八脚楼門で日光東照宮の陽明門を模したものとされる。
総けやき造りで釘は無使用。組木が重なり豪華な彫刻で飾られている。山号額には吉祥山。
楼門下の天井には、入口側と内側にそれぞれ龍が描かれている(双龍図板絵「八方ニラミの龍」)。
山門を潜ると、回廊が導いてくれる。屋根のある回廊のおかげで降雪・積雪でも参拝しやすいだろう。大ローソクは祭りにちなんだものか。
回廊をまっすぐ進むと、石造仏としては日本最大の「不動明王」と大石をくりぬいた「うがい鉢」がある。祭りではうがい鉢に直接入って身を清めるようだ。
不動明王に至る手前で右を向くと毘沙門堂。毘沙門天のはずだが扁額には「多聞天王」とある。念のため調べてみる・・・日本では、独尊で祀られる場合には「毘沙門天」と呼ばれ、四天王として祀られる場合には「多聞天」と呼ばれる。四天王はそれぞれ、東方を持国天、南方を増長天、西方を広目天、北方を多聞天(毘沙門天)が守護しており、多聞天(毘沙門天)は四天王のリーダーを担う。・・・当毘沙門堂には四天王が祀られている。
毘沙門堂は、室町前期の建築で国の特別保護建造物に指定されていたが、昭和6年に火災に遭い再建された。
再建時の設計者が伊東忠太という方で、調べてみると同県内の弥彦神社や東京の築地本願寺、湯島聖堂など様々な寺社の設計をされていた。
上杉謙信・景勝、直江兼続ゆかりのお寺とされる普光寺。赤い大屋根が目を引くが、もともとは茅葺屋根だった。時代の流れでメンテナンスが難しくなったため、昭和44年に亜丹(トタン)板で覆い、雪が自然落下するようにしたという。
山門に向かって左側から境内を見ると、山門や毘沙門堂が大きなケヤキに覆われているようだ。これらのケヤキは「普光寺ケヤキ群」として市の天然記念物に指定されている。
スマホによる広角の画。左側から鐘楼、山門~回廊~毘沙門堂。境内にはケヤキの古木・巨樹が屹立し、触れることができる。(↓人と比較できるかな)
反対側の様子。右側から普光寺本堂~別行殿 (宝物殿)~毘沙門堂とつながっている。
時間に余裕がなかったので、見逃しているところが多々ある。また行きたい所だ。
■八色の森公園:池田記念美術館、越後ワイナリー
「八色の森公園」は奥只見レクリェーション都市公園(6地域)の一つで、園内には池田記念美術館や越後ワイナリーなどの施設がある。
●池田記念美術館は、魚沼市(旧小出町)出身でベースボール・マガジン社および恒文社の創立者、故池田恒雄氏の志をうけ、1998年(平成10年)10月に開館。池田氏の多彩なコレクションや小泉八雲文学資料が常設されている。※館内カメラOKということで画を紹介する。
この時の企画展は「髙橋正則・佐藤守弘二人展」で、魚沼を描いた風景画を中心に展示されていた。素人目にも素晴らしいものだった。
また、春季特別展示「第5回 錯覚展 杉原教授の不思議な世界」は面白かった。変な形状の置物が、ある位置から見ると「無限ループ階段」に見える。他にも鏡に映すと形が変わり、異なるモノに見える返信モノが多数あった。
(参照「錯覚展2020」の紹介Webページ http://www.ikedaart.jp/exhibition/2022illusion.html )
美術館からは雄大な越後三山が絵画のように臨める。↓右は八海山、左は越後駒ケ岳、間の奥には中ノ岳。
●アグリコア 越後ワイナリーは、新潟県で最初にヨーロッパ式の垣根仕立てによるワイン専用品種のぶどう栽培に取り組んでいる。また、雪国ならではの雪室貯蔵で熟成させるワイナリーと、直営レストランの欧州田舎料理店「葡萄の花」がある。
ここでワインを一本購入。雪室貯蔵ワインの「越後ワイン 雪季(せっき)2019赤」。数日前にコルクを抜いて頂いた。美味しかった。
今回、南魚沼市に行くことになったきっかけは、事前に見頃の花を調べていた時に、普段は通らない堀之内(魚沼市)に芝桜の名所があると知り、ついでに周辺の観光スポットも調べた。しかし、芝桜の開花には時季が早かった(今年は5月中旬頃から)。
八色の森公園から関越道:大和スマートI.Cまでは車で数分。ランチを「肉処バッファロー」ですませ、関越道に直行した。午後1時台ということもあり道路は空いていた。