8月15日(水)、『東京電力 信濃川発電所』を見た後、その下流にある『JR東日本 信濃川発電所 宮中取水ダム』(新潟県十日町市)を見に行った。信濃川中流域には2つの信濃川発電所があった。狭い山道の途中から雨が降り始めたけど、かろうじて・・・。
■JR東日本 信濃川発電所 宮中取水ダム
このダムから取水された水は、千手発電所・小千谷発電所・小千谷第2発電所の3つの発電所に送られている。JR信濃川発電所は、この3発電所の総称で使われている。
・千手発電所:昭和14年運転開始、有効落差約52m、最大120,000kW、
・小千谷発電所:昭和26年運転開始、有効落差約48m、最大123,000kW
・小千谷第2発電所:平成2年運転開始、有効落差約107m、最大206,000kW
東京電力の信濃川発電所から狭い道路をくねくねと上って下っていくと、ダム湖が一望できる所があったが、車をとめられないのでやむなく進む。
取水ダムの手前まできて、道端が広くなり車も止められた。
さらに下って、ダムの放流側を眺める。向こう側には魚道がみえる。
全部で11ゲート(?)あるようだ。この時は内4つが開いていた。
宮中取水口から水が入ってくる取水路(沈砂池)の様子。6つのゲートがある。ここから遠い調整池まで運ばれる。
取水口から3つの発電所へ、水は以下のように運ばれる。
(1)宮中取水口→(水路トンネル)→浅河原調整池→千手発電所へ、(2)千手発電所→山本調整池→小千谷発電所へ。(3)宮中第2取水口→山本第2調整池→小千谷第2発電所へ。
分かりにくいので、JR東日本のWebサイトから「信濃川発電所概要図」を拝借。
千手発電所から放出された水を、さらに山本調整池に導き、再度発電に使うのが凄いところだ。
調整池にいったん水を入れてから発電するのは、JR保有の発電所らしいところであろう。関東一円の列車運転等用に供給されることから、発電量は調整池の運用で調整され、関東圏に対しては朝と夕方のラッシュ時に合わせて集中的に発電が行われ、ピーク時の電力需要に対応している・・・らしい。
水力発電の運用方式による分類には
(1)流れ込み式:河川を流れる水をそのまま発電所に引き込んで発電する
(2)調整池式:短期間の電力需要変動に対応するため、調整池に水を貯めて水量を調整しながら発電する
(3)貯水池式:貯水池に水を貯めて発電する
(4)純揚水式:揚水発電には貯水池式水力発電をさらなる重負荷へ対応させるために揚水発電機を設置した混合揚水式と、上池を山の頂上近くなどに置いた自然流入量がほとんど無い純揚水発電がある
宮中取水ダム~信濃川発電所の場合は、「水路式」で落差を得て「調整池式」で運用していることになる(のかな)。
歴史を振り返ると、・・・石炭節約に関する国策として、鉄道の電化及びその動力源として信濃川に水力発電所を整備することになり、昭和6年(1931年)に着工。計画は調整池を各発電所の近くに1箇所ずつ設けるもとのだったので、これらの工事は大規模かつ巨額の費用が必要なため、4期に分けて開発された。完成は昭和44年(1969年)。その後、更なる電力需要の大幅増加に対処するため第5期工事に着手し、平成2年(1990年)に完成した。
山本第2調整池と小千谷第2発電所ができたのは、ちょっと前のことだった。知らなかった。それと、たまたまこの日の午前中、山本第2調整池を眺めていた・・・ということが分かった。これも何かの縁みたいなものかと思わないでもない。