幡大介さんの大富豪同心シリーズ「湯船盗人」を読んでいたら、な~るほど!と解りやすい文章があったので備忘のため転記しておこう。
●裏店(うらだな)
江戸の町人地に立っている建物は、すべて“店(たな)”でなければならない。
江戸はそもそも徳川の城の廓内で、純粋に軍事施設・・・つまり基地なのだ。本当は、武士しか必要とされていないし、入場できない場所であるはずだ。
江戸の市中(城内)で暮らす町人たちは、武士の暮らしを支えるために必要だから、集められているのである。だから無為徒食の遊び人や無宿者は、存在することすら許されない。町人たちは武士を相手に何かの商売をしているわけだがら、住み処には必ず職業を書き示していなければならない。長屋が裏店と呼ばれるのには、そういう理由があった。
●仕舞屋(しもたや)
仕舞屋とは“店じまいをした店舗”という意味である。江戸の町人は皆、店を構えていなければならない、という前提条件があったので、単に住み暮らすための家を建てることは許されない。そこで、「この屋敷は店じまいした店舗でございます。今は失業中ですが、いずれまた開店します」と言い訳しなければならなかった。それが町人の住居が仕舞屋と呼ばれる理由であった。
ちなみに、この大富豪同心シリーズは、テンポも良く疲れない面白い、さらに文字も大きくて読みやすい。時代物はこういうのが多く、前々回記したように合間合間に必要な小説だと思っている(私にとっての場合)。
書かれていることはまったく知りませんでした。
この記事にコメントを頂いたのは嬉しいです。(知らないのは私だけ・・・と心配もしました。)