因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

龍馬伝第15回『ふたりの京』

2010-04-11 | テレビドラマ

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 龍馬には会いたい人がふたりいる。一人は自分に生き方を教えてくれる人、そしてもう一人に会うために、京へやってきた。隠密として京の三条家に仕える平井加尾(広末涼子)である。龍馬が土佐から京、江戸に向かう前、再会したふたりは束の間の逢瀬を過ごす。

 だんだん嫌な感じになってきた。武市半平太(大森南朋)を中心とする土佐勤王党である。武市は藩主を上洛に導き、三条実美(池内万作)に働きかけて、将軍を朝廷に召しだして攘夷実行を約束させるという策を申し出る。下士でありながら土佐藩をまとめあげ、朝廷の遣いにまでのし上がった。考えられないほどの出世、変貌である。一方で自分を慕う岡田以蔵(佐藤健)を利用して、開国派や勤王党に反対する人々を暗殺させる。尊王攘夷のためならば何をしても許されるというのか。

 武市はじめ土佐勤王党面々のやりとりや描写が単純に感じられてならない。武市が「そんなやつは見過ごしておけない」を思わせぶりに言うと、以蔵はそれがどんな人物なのか、実際に何をしているのかを確かめもせずに、黙って剣をつかんで消えていく。「以蔵は使えるぞ」と平井収二郎(宮迫博之)にささやく武市。武市はこんなに簡単に人斬りをさせ、以蔵はここまで愚直に武市に従っていたのだろうか。「人の道に反することはいけない」と以蔵を諭す龍馬は、職員室に居場所のないアウトロー教師の雰囲気。それは悪くないけれども。

 かつての幼なじみはいまや土佐藩を代表し、国を動かすほどの地位にのぼりつめた。かたやお尋ね者の脱藩浪人だ。誰一人頼るものはなく、「喧嘩をせずに日本を守るにはどうしたらよいか」を教えてくれる人、勝麟太郎に会いに江戸に赴く。

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