今回の総選挙の争点は、財務省と結託した金融利権の勢力に対して、ノーを言えるかどうかなのである。中野剛志や柴山桂太といった若手の経済学者は、その辺をしっかり見抜いている。自分たちを異端視しているが、かれらこそ正統派ではなかろうか。『グローバル恐慌の真相』のなかで、新自由主義の先進国であるアメリカの例を引きながら、柴山が「金融につながっている一部の金融階級が利権を得ているんです」と述べると、中野も「そういう意味では、学者とか知識人って罪深いなと思う。今のそういう国民を不幸にするような流れを、逆にもてはやすように、偉そうな理屈をつけて言うんですよね」と日本のインテリを槍玉に挙げている。その流れに便乗して、公共事業を悪者に仕立て上げたのが民主党である。そして、結局は財務省の言いなりになって、金融利権の推進役を買って出ているのだ。中野も指摘しているように、民主党政権が発足したばかりのときはバラマキをやった。しかし、その失敗が明らかになると、構造改革路線一辺倒なのである。財政再建にこだわるのも、そのせいだ。これに対して、自民党の安倍晋三総裁は積極財政を主張している。中野の「老朽化した橋や道路や下水道が山ほどある。被災地の復興もあるし、日本全国、耐震強化や水害対策、やらなきゃいけないことはいっぱいあるじゃないか」との考えは正論である、今こそ公共事業なのであり、頼みの綱は自民党なのである。
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