草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

室井光広の『おどるでく』の映画化で会津の観光PRを

2023年04月30日 | 思想家
ようやく会津の観光地も、コロナ下以前の賑わいを取り戻したと思ったら、今日はあいにくの雨です。裏磐梯や尾瀬などは、これでかなり打撃を受けると思います。
 観光は水ものといわれますが、天候もそうだし、コロナのようなパンデミックや天変地異、さらには戦争などがあると最悪の結果になります。
 観光と言えば大型観光施設と思いがちですが、それはかえって時代に逆行します。会津は会津なりの物語が求められているような気がしてなりません。
 白虎隊と野口英世というのは全国的に定着しています。さらに、そこに新たな物語を付け加えればいいのです。岩手県が観光地であるのは、一にも二にも、石川啄木や宮沢賢治が出たからです。
 そういう意味からも、僕は芥川賞作家室井光広の『おどるでく』の映画化を提案したいと思います。小説の舞台は明らかに南会津郡下郷町です。一躍全国的な観光地となった大内宿は「木霊の宿」、奇岩で知られる塔のへつりは「ママの河原」、さらに、湯の上温泉は「霧下温泉」と名前は変えてありますが、それによって、かえって忘れられた人々の姿が、朧気ながら見えてきます。
 さらに、知り合いの女の友達である幸子を「サーシャ」と呼び、闇に葬られた隠れキリシタンまで登場させるのですから、下手な観光パンフレットよりも、はるかに訴求力があります。脚本については、それこそノーベル賞にもっとも近いと言われ、室井とも交流のあった多和田葉子氏に頼めばいいのです。
 室井のことですから、あの世から「俺を理解してくれるのはほんの限られた人ですから」と苦言を呈してきそうですが、会津の新しい物語は、室井光広を抜きには語れないというのが僕の考えです。映画化されれば、会津を訪れたくなる人が増えるのは確実ですから。

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LGBT法をゴリ押しするような政党は保守ではない

2023年04月29日 | LGBT
 LGBT法案をめぐっての詰めの議論が自民党内で始まった。産経新聞は今日付けの紙面で記事にしている。自民党は昨日、党本部で「性的マイノリティに関する特別委員会」を開催したが、来月に迫ったG7サミット前の成立にこだわる声があるのに対して、「パフォーマンスだ」という異論が多数を占めた。
 とくに、そこで問題になったのは「差別の定義がはっきりしていない」「対立を生むことになる」ということだ。トランスジェンダーによるトイレや更衣室などの女性専用スペースの利用や、競技スポーツへの参加に関しても、明確な方針が示されないことへの反発が強まっている。
 衝撃的であったのは、推進派が「G7で同様の法整備がないのは日本だけだ」と主張したのに対して、衆議院法制局は「(G7各国)に性的指向・性自認に特化して差別禁止を定める法律はない」と答弁したことだ。
 さらに、最近になって、性同一性障害の人たちでつくる「性別不合当事者の会」が拙速な法案審議を避けるよう求めていることも取り上げられた。
 保守の観点からすれば、大切なものを守り育てるためにこそ、改革は行われるべきであり、混乱や分断を深めるような施策は、改革ではなく革命である。にもかかわらず、岸田首相が強引に押し切るならば、安倍さんが危惧したように、党分裂は避けられず、もはや自民党は保守政党を名乗るべきではないだろう。
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性の領域に法が介入するのは慎重であるべきだ

2023年04月28日 | LGBT
 LGBT法を拙速に通そうとしている人たちは、人間を簡単に割り切ろうとしているのではないか。マイノリティーと評される人たちの結婚を認め、個々人の判断によって性を決定することは、かえって混乱を引き起こすのではないか。
 福田恆存は『芸術とは何か』において、愛することと、理解することを一致させようとする試みを批判している。
「相手のうちの理解し得ぬ部分に対する敬虔な感情を失ひ、相手をむりやりに自分の理解のなかに閉ぢこめてしまほうとする。かうすることが相手を愛することだとおもひこんでゐるのです。そしてさらに、相手が自分の理解のうちにはまらぬ部分をもつてゐるかぎり、相手は自分を愛してくれぬのだと考へます。かうして、人々は相手を愛し理解しようとして、その孤獨を、いひかえれば孤獨によつて保たれてゐる生の秘密を殺しあふのです」
 相手を理解しようとすればするほど、迷路にはまり込んでしまい、自然の営みとの一体感も失われてしまうというのだ。これは男女関係にとどまらず、LGBTの人たちとの関係にもあてはまるのではないか。異性愛か、それとも違った愛の形を取るかは、それこそ個々人の選択に任せられるべきだが、それすらも揺れ動くのが人間なのである。
 人間としての「孤獨の領域を残すといふことと孤立するといふこととはは別であります」とも福田は書いている。「自他の孤獨を理解の海のなかにたゝきこんでしまひ、そしておたがひに得たものは孤立感といふやつです」ということにならないためにも、彼らを理解したふりをして、法律という制度をつくることは、双方にとって本当に幸福なことなのかどうかを、今こそ立ち止まって考えるべきなのである。
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バイデンは日韓を守る気があるのだろうか

2023年04月27日 | 科学技術
 このままではウクライナと同じ運命を日本も辿るのではないだろうか。バイデンのアメリカは、いくら軍事同盟があっても、日本と韓国を防衛する気などないのではないか。
 バイデンは韓国の尹錫悦との首脳会談で、日米韓による「拡大抑止」の方針を明らかにしたが、そこで目新しいのは、韓国への弾道ミサイル搭載可能な米原子力潜水艦の派遣だけであった
 北朝鮮はアメリカ本土に到達するICBMの配備が近いとみられている。そうなれば、韓国のために、アメリカが核を使用することは難しくなる。韓国国内では核武装を求める世論が高まっているのは、当然の成り行きなのである。
 バイデンはなぜ核の共有という決断ができないのだろう。中国や北朝鮮を「敵」と認定しているのは、あくまでも正面上のことなのだろうか。
 アメリカは、イギリスやフランスの独自の核武装を容認し、ドイツとは核の共有をしている。しかし、日本や韓国に対しては、核拡散条約を楯にしてその道をふさごうとしている。
 これは由々しき問題である。台湾有事が起きても、アメリカは正面で中国と対決することを避ける可能性もある。中国が核保有国であるために、台湾ばかりではなく、地政学的にみれば日本も、とんでもない犠牲を払うことになるだろう。
 日本は、韓国以上に危機感を持たなければならない。しかし、非核三原則にこだわる岸田首相には、バイデンと交渉する勇気がないだろう。「核がない世界」とか口にしている時点で、日本国民のことなど考えていないのである。
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エマニュエル大使のLGBT法についての発言は内政干渉だ

2023年04月27日 | LGBT
 いくら同盟国のアメリカであろうとも、日本の国柄を無視し、自分たちの考えを押し付けるのは間違っている。それはまさしく、日本を占領して置きながら、憲法を無理やり押し付けたときと同じではないか。
 アメリカですら、LGBT法をめぐって、民主党と共和党では考え方に違いがある。にもかかわらず、日本国民が決めなくてはならない問題に、ラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使が口を差し挟むのは、内政干渉以外の何物でもない。
 聖書を絶対視してきた西欧にあっては、同性愛などは神に背くこととされてきた。ソドムとゴモラが天からの硫黄の火によって滅ぼされたという記述もあり、それに反すれば罰せられてきたのである。
 しかし、我が国は事情を異にする。『葉隠』においては、衆道(しゅどう)についての心得が説かれており、西欧のようにタブー視されてきたわけではなかった。
 さらに、LGBT法で問題視されているのがトランスジェンダーである。肉体は男であっても、心が女だと言われれば、女性として扱うしかないのである。
 性的に抑圧された人間は、不幸な結果を招くから、そうした制度を壊すべきという主張は、それなりに理解はできるが、大枠において、男女というそれぞれの役割を否定してしまって、それで私たちは本当に幸福なのだろうか。
 その役割を演じられない人たちに対して、国が救済策を講じることに関しては異論がないが、大筋を変えることには慎重でなければならない。
 サミット前に法案を通すというゴリ押しは、日本の社会に混乱をもたらすだけだ。日本には日本の国柄があり、それに即して日本国民が判断すべきなのである。
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沖縄本島に入港できずPAC3配備に支障

2023年04月26日 | 自衛隊
 もはや平和ボケではなく、日本を敵視する国家を利するようなことをするのは、まさしく国家反逆罪のレベルである。
 北朝鮮の軍事偵察衛星の発射が計画荒れているが、それが落下する危険性もあることから、自衛隊は石垣島や与那国島にPAC3を配備することにしている。
 しかし、沖縄本島の那覇港管理組合が海上自衛隊の輸送艦の入港を拒否したために、輸送計画の変更を強いられるという異常事態になっている。
 玉城デニー知事は中国の傀儡そのものであり、平時の場合においてすらこうであるから、有事になればなおさら、様々なサポタージュが行われるに違いない。こんなことでは、いくら防衛力を強化しようとしても、足を引っ張られてしまうのではないだろうか。
 沖縄を死守しようとする自衛隊に対する嫌がらせをして、一体誰が得するのだろう。自衛隊のプレゼンスがなければ、先島諸島の10万人の住民はあっという間に中国の支配下に置かれることになるだろう。なぜそうした危機意識がないのだろう。
 もし中国が台湾に侵攻すれば、沖縄の自衛隊は玉砕を覚悟しなくてはならない。そうした勇気ある者たちに便宜を図り、協力するのが沖縄県民の義務ではないだろうか。自由と民主主義を奪われた人たちと同じようになっても、それでも沖縄県民はよしとするのだろうか。
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テロリストの動機を真に受けてはならない

2023年04月25日 | マスコミ評
 安倍さんを殺害したテロリストや、岸田首相に爆発物を投げたテロリストのような人間はいつの世にもいます。過激な行動をする人間は、自暴自棄になっている場合が多いようです。政治や宗教にこじ付けて平気で人を殺めることになるのです。ですから、テロリストが動機を語ったとしても、自己を正当化するための発言でしかありません。
 5・15事件や2・26事件では、青年将校らが決起したのは、それなりの時代背景がありました。部下たちの姉や妹が売られているという現実があり、東北などは経済的に惨憺たる生活を強いられていたからです。
 今回の二人のテロリストは、エビデンスを確認することなく、あまりにも短絡的です。安倍さんが旧統一教会と関係が密だったというのは、事実において間違っています。旧統一教会にとっても、迷惑な話だと思います。
 マスコミがアベガ―のために旧統一教会を持ち出したのも、あまりにも無理があります。しかし、連日のように、マスコミがキャンペーンを行えば、それを口実にして、反抗に及ぶのが情報弱者なのです。
 孤独な現代人というのは、一つや二つのことで、殺人犯になったり、自殺するわけではありません。もっと根深いものがあります。社会学的な観点からのアプローチが必要になってきており、テロリストの言葉を、真に受けるべきではないと思います。
 それ以上に社会が病んでいることに目を向けるべきです。それは一政治家が仕出かしたことではなく、権威が失われ、帰属意識も希薄になっていることと、無縁ではないような気がしてなりません。
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自民党が保守色を明確にしなければ選挙は苦戦する

2023年04月24日 | 選挙
 今回の衆参補選の結果を、自民党は重く受け止めなくてはならない。保守としての立ち位置を明確にした、山口2区、山口4区では圧勝し、社民党の強い参院大分でも辛くも振り切ることができた。
 しかし、リベラルな帰化一世を担いだ千葉5区では、自民党の金城湯池であるにもかかわらず、接戦にまで追い込まれた。二階元幹事長のおひざもとの和歌山1区では、自民党が維新に敗北を喫したのである。
 わけの分からない候補者や、私利私欲に走るような政治家が陰にいては、いくら自民党であろうとも、岩盤保守がノンという意思表示をしたのである。
 これまで岩盤保守は、立民や共産党、社民党、れいわを応援するわけにはいかず、自民党というだけで、仕方なく投票してきた。しかし、もはやそうした時代は終わったのである。
 リベラルに舵を切れば、岩盤保守が離れることを千葉5区で痛感したはずだ。奈良県知事選挙で自民党分裂に暗躍した二階元幹事長は、策士策に溺れたのである。和歌山1区で敗れたことで、政界での影響力を失うことになった。
 今後の日本の政界は、自民党、維新、国民民主党がしのぎを削るようになるだろう。憲法改正に向けた動きも加速することになるだろうが、自民党が政権の座にとどまるためには、保守色を明確にしなければならない。安倍さんも危惧していたことだが、このままでは党分裂ということになるだろう。その意味でも岸田首相の責任は重大なのである。
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法大生は島田雅彦を反面教師にすべきだ

2023年04月23日 | 思想家
「不謹慎」な発言をした島田雅彦が教授ということもあって、法政大学への風当たりは強くなっていますが、教授陣の多くは東大卒で、いうなら東大の植民地ですから、それで左翼が支配しているわけです。
 早稲田や慶応であれば、生え抜きが教授になれますが、僕が在学していた頃はほぼ皆無でした。卒業生の田中裕子が法大総長に就任したのは、その意味では画期的なことでした。
 田中は近代文学派の小田切秀雄から学び、とんとん拍子に総長までなりました。もともとは黒ヘルですが、北京大学交換研究生として中国に渡ったことで、現在の主張につながっているといわれます。
 経済学部はそれこそマルクス経済学の大内兵衛一派の牙城で、元東大教授であったことから、そのその門下が次々と教授になりました。法学部では松下圭一が有名ですが、シビル・ミニマム(市民が生活する上での最低限の生活基準)を世に問うた構造改革派です。
 柄谷公人も第一教養学部教授として知られ、81歳の今も注目されている思想家の一人です。アナーキストに近く、アントニオ・ネグリのマルチチュード(多様性をもった民衆のネットワーク)とも共通性があります。
 僕がいた哲学科では、後に東大教授になった廣松渉が講師をしていました。彼もまたマルクス主義者でしたが、その当時から廣松学派と呼ばれるような影響力がありました。
 ほとんど左翼の教授ですが、僕などにとっては、かえって反面教師になったと思います。島田などは自分の小説で「サヨク」という言葉を用いているように、人の言わないことを口にして、それで喜ぶようなポストモダンの物書きです。今回のことで、底の浅さが暴露されたわけで、教授を辞めさせなくても、かつての僕がそうであったように、目下在学中の法政の学生も、反面教師と見ているはずです。
 僕は法政大学を擁護するつもりはありませんが、島田などは、小西議員と大差のないトリックスターです。いい加減なマスコミのアベガ―が白日にさらされただけでも、口舌の徒らしいオンゴールをしてくれたわけですから。



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危機の時代こそ「美しい日本」を想起すべきだ

2023年04月22日 | 思想家
 私たちの先人は、昭和20年8月15日の敗戦を経験した。どん底からの、廃墟からの再出発であった。その当時のことを思えば、今の危機などは、怖れるに足らないのである。
 戦後まもなく新夕刊に『西郷隆盛』を連載していた林房雄は、「『あとがき』にかえて」で「日本よ、美しくあれ」と日本国民に奮起を促した。
 林は「今のこのままの日本を私共は美しい国だとは言わぬ。だが、私の心の中に美しき日本への憧れが存する限り、美しき日本は必ず回復されるのだ」との確信を抱いていた。
 また、林は「敗戦の混乱と窮乏の中で、日本の欠点を拾いあげ、日本に絶望することは極めて容易である。だが重要なことは、外界の混乱を眺めることではない。内部を眺めることである。自分自身が生きていることにまず驚き、次に自分の心の中に美しきものへの憧れと、美しき日本への切々たる郷愁がなお生きているかどうかと問うことなのである」とも主張し、日本人の揺るぐことのない精神性の高さを信じたのである。
 先の戦争の終結を天皇陛下が決断されたのも、過去を一切否定することではなかった。天皇陛下は玉音放送で「よろしく挙国一家、子孫相(あい)伝え、かたく神州(しんしゅう)の不滅を信じ、任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操(しそう)をかたくし、誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらんことを期すべし。なんじ臣民それよく朕が意を体(たい)せよ。」とお述べになられたのである。
 未曽有の危機だからこそ、私たちは「美しい日本」を思い起こさなければならないし、それによって、日本国民が一致団結しなければならないのである。
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