草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

桜咲く朝に 5首

2024年04月11日 | 短歌
見上げれば桜咲きたる城跡に往時の面影偲ぶ朝かな

キーボード文字打つ音も忙しなく朝の仕事を終えて珈琲

かのときの革命の書を片隅に積みて読まずに過ぎる淋しさ

事故からの歳月三年刻みけり励ます友が三人旅立つ

老いてなお学ぶことを生きがいに先を目指すは無知なる我は
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山桜花 五首

2024年04月08日 | 短歌
山奥にひっそり咲きて散るだけの山桜花愛でる人無し

熱塩の遠藤さんが手折りたる山桜花喫茶の玄関

君問うな大和心は宣長の朝日に匂う山桜花

めぐりきし春の訪れ山桜こぼれる命散るを厭わず

うるわしき会津にありて憂国の思いやむなし桜花かな

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開戦の日を前にして 5首

2023年12月05日 | 短歌
敗れたる戦いなれど悔いなきと語りし人も雲の彼方に

開戦のあの日の朝のラジオにて拳握りし民の子孫ぞ

特攻の若者白きマフラーに母の写真忍ばせしとも

悲しきは谷村新司「群青」は三百万の同胞の死を

潔く死ぬことでしか桜花咲かぬ時代が目前なりし
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徳一ゆかりの寺を取材する 5首

2023年10月25日 | 短歌
徳一のゆかりの寺の先々で無著世親の立像思はむ
 (運慶作の無著・世親の仏像が興福寺北円堂に)

観音を拝みてすがる人々の「助けたまえ」の御詠歌悲し

菩薩なる心を求めて取材するこの我もまた巡礼の旅

現代の世の荒廃を見るにつけ唯識思想は心を問いし

わけもなくお寺に足が向きにけり人の子ゆえの儚さゆえに

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国を憂いて 5首

2023年10月23日 | 短歌
訥々と語るだけなりこの我は国を憂いて小室直樹を

狂人と嘲けた者は恥を知れ三島由紀夫は今を予言す

ささやかな講演会でこの我は草莽なりし熱き思いを

戦争を阻止するために日本の守り固める子や孫のため

生命より大事なものがあることを教えた人のことば尊し

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我が祖国先島諸島波高し敗れし国が今身構える

2023年09月04日 | 短歌
 我が祖国先島諸島波高し敗れし国が今身構える

 国難に日の丸の旗打ち振られバンザイの声過去にはあらず

 秋めきて頬打つ風はやさしけど国難まさに大和島根に

 かにかくに日本の国の気高さは危機に際して真白なりせば
 
 みちのくの山峡までもしろしめす大君のもと御国死守せん
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民権の士は愛国の士 5首

2023年07月23日 | 短歌

この我の訥々語る講演を聴き入る人の眼差し優し

梅雨明けし会津柳津花ホテル赤き橋と只見川かな

加波山で極刑なりし会津人皇国のためと辞世の歌は

無期徒刑河野広躰その後の面倒見たるは頭山満ぞ

束の間の休息なりてこの我もやるべき仕事数多なりせば

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年明けて 5首

2023年01月07日 | 短歌
我好む勇の歌は悲しけりうすき縁もさだめなりせば
 
令和すら五年となりて人の世も移ろいにけり時は刻まれ
 
年明けて御国を思う同胞のネットの声に身を正しけり
 
かにかくに未練がましき言の葉を紡ぐ術なし古希過ぎたれば
 
かのときの口惜しき日々青春の飯田橋での越後訛りよ
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裏磐梯五色沼5首

2022年10月23日 | 短歌
雲が湧き雨にけむった裏磐梯五色沼の人だかりかな

二つなる裂けた磐梯雲の中されども人は紅葉愛でし

なみなみとコップ一杯注ぎけり暮れゆく秋の落葉眺めて

一杯の地酒食らえばこの我もアクセントなき会津人なり

牧水のごとき歌詠み好みたり酒飲みならば悲しみ深し




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喜多方の喫茶店「くら」5首

2022年10月15日 | 短歌
カレー食べ珈琲飲みて満腹にただそれのみで街に足向く

かそけくも人の命が冴える朝近づく冬を引き寄せてみる

リハビリも目的なくばつまらなく生きる目的探す歩みを

秋風に誘われるごとくドライブす新刊の本君に届けに

わが本のブルーは湖水木綿とか勝手に解釈講釈述べし






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