欧米のマスコミが今の日本を批判するのは、東京大学と朝日新聞が日本のインテリの代表だと思っているからだ。もっと彼らは勉強すべきだ。東大は丸山真男の牙城であった。日本を誤った方向に導いたのは、非インテリのせいだと公言してはばからなかった。丸山政治学においては、日本の大衆をファシズムの担い手と決めつけた。大東亜戦争を決定したのは、東大法学部を出た官僚であり、陸海軍の大学を出た人間たちであるのに、それを無視したのである。そして、もっとも戦争を煽ったのは朝日新聞なのである。コミンテルンの指導があったかどうかは別にして、日本のインテリたちは大東亜戦争を歓迎したのだ。にもかかわらず、丸山は日本の大衆を悪者にした。偽物のインテリとして小工場主、町工場の親方、土木請負業者、小売商店の店主、大工棟梁、小地主、乃至自作農上層、学校教員、殊に小学校・青年学校の教員、村役場の吏員・役員、その他一般の下級官吏、僧侶、神官を名指しした。そして大学についても、国立大学の有名なところ以外は大学としては認めなかった。自分の息子が私立大学に入ることになろうとは、そのときは夢想だにしなかったのだろう。その考え方がアメリカ人に定着し、丸山が書いた『現代政治の思想と行動』を第一級の本だと勘違いしている。その結果どんなことが起きるかというと、日本の大衆が靖国神社に参拝するのは「愚かな人間だからだ」ということになる。しかし、日本の大衆は国家の危機から逃げださなかっただけだ。その意味をアメリカ人はもっと日本と日本人を知るべきだろう。丸山政治学に幻惑されてはならないのである。
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