草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

個々の人間の内面をも支配する生権力への反乱が世界の潮流に!

2020年06月30日 | 思想家

東京都知事選挙の候補者を見ていて、少しばかりずっこけている人もいて、世の中が変わってきたことを実感させる。マイノリティーの人たちの世界的な反乱なども、生権力への抵抗ということが、根本にはあるように思えてならない。社会的通念から逸脱をするということが、一つのトレンドになりつつあるのではないか▼生権力というのは、フーコーの『監獄の誕生』によれば、反社会的な者たちを排除するのではなく、彼らを健全化して、従順にするということである。暴力などの物理的な力によって命令するのではなく、個々の人間の内面を支配するのである。新型コロナウイルスの拡大を阻止するために、新しい生活様式なるものが提案されているが、命、健康を守るために一つの行動指針が示され、それに逆らうことは許されないのである。それもまた生権力の見えない力が働いているのだ▼これから生権力の訓練の場である学校、会社などのシステムが音を立てて崩れていくのではないだろうか。息がつまることに、人々は耐えることができないからだ。破壊する衝動を抑えきれない人たちは、ある意味では人間らしいが、その先を考えているわけではない。生権力によらない新しい秩序をどう生み出していくか、それが私たちに課せられた課題なのである。

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反対のための反対から脱却できぬ野党を甘やかすべきではない!

2020年06月29日 | 思想家

戦後民主主義の擁護者であった丸山眞男は、高尚な政治理論を振り回したわりには、具体的な政治的判断となると、床屋政談のレベルであった▼丸山の主張は単純である。一つの政党が非常に長く権力の座にあると、いくら政策的に良い政党であっても堕落する。公約を比較してというよりも、支配関係が惰性に陥っていると腐敗が生じやすいので、「反対政党に投票するという投票行動が十分ありうるわけであります」と述べたのである。昭和33年5月24日の信濃教育界の講演会においてのことである▼反対のための反対の政党であっても、存在する価値があると訴えたのである。そうした丸山の考えで国民が決断したのが、自民党の長期政権にお灸を据えた二度の政権交代であった。一つは平成5年の細川連立政権であり、もう一つは平成21年の民主党政権であった。いずれも大した成果を上げられなかった。反対しかできない政党では混乱するだけで、あらかじめ準備をしておかなければ、政権を担当することは難しいという現実を思い知らされたのである▼反自民だけで、それ以外に政策的な一致がなかったことが問題なのである。権力を奪取するには、それ相応の大義名分がなければならず、丸山のように、反自民の野党を甘やかすべきではないのである。

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NHKなど見なくても生活をする上で国民は一つも困らない!

2020年06月28日 | マスコミ評

もはやテレビが時代遅れなわけだから、国民が背を向けるのは至極当然のことである。朝日新聞のデジタル版が一昨日、NHKの改善問題についての総務省の有識者会議「公共放送の在り方に関する検討部会」が取りまとめた要望事項を記事にした。10代や20代の若い世代で急速にテレビ離れが進んでおり、受信料の徴収の方法の見直しを含めて今後検討することになったというのだ▼何を今さらという気がしないでもないが、テレビの代表格であるNHKにしても、民放と競うかのような下手な娯楽番組を、吉本の芸人を安く使って下請けや孫請けにつくらせているのは、高額な給与や優遇措置の既得権益を守りたいからなのである▼なぜテレビを見なくなったかと言うと、番組自体が面白くなくなったことと、誰もがネットに自由に動画をアップできる時代になり、テレビから情報を求める必要がなくなったからである。それが時代の趨勢であり、いくら逆らってみも無駄なのである▼NHKの生き残る道はただ一つである。時の政府の公報番組でも流せばいいのである。野球やサッカーなどのスポーツ中継などは、それ専門の民間テレビ局が行えばいい。時代は目まぐるしく動いている。もはやNHKを見なくても、国民は一つも困らないのである。

https://www.youtube.com/watch?v=xZvN9IBeC7k

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(続)⑱笠井尚の会津の本を読む 吉田公平、小山國三著の『中江藤樹の心学と会津・喜多方』

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自由の重荷に堪えられず人々はパンと崇拝の対象を求めている!

2020年06月27日 | 思想家

日本よりも先進国といわれていた欧米で大混乱が起きている。とくにアメリカの現状は、まさしく内戦の様相を呈してきている。敗戦後の日本は、欧米流の民主主義を目指してきたが、そのモデルが混乱しているわけだから、ここで立ち止まって考えるべきときなのである▼自由であるがゆえに、それに堪えられずに、人々は暴徒と化して全体主義を目指しているのではないだろうか。『カラマゾフの兄弟』(米川正夫訳)の中の「大審問官」の物語では、イエスが自由を教えたことで、人類に悲劇がもたらされたということが書いてある▼大審問官はイエスに向かって「お前は世の中へ行こうとしている。しかも自由の約束とやらを持ったきりで、空手で出かけようとしている。しかし、生まれつき下品で馬鹿な人民は、その約束の意味を悟ることが出来ないで、かえって恐れている。なぜというに、人間や人間社会にとって、自由ほど堪え難いものはほかにはないからだ」と語ったのである▼人類にはパンを与え、崇拝に値するものを与えてやればいいというのだ。全体主義はそこに付け込むのである。蟻塚の蟻になりたい者たちにとっては、自由などどうでもいいのである。世の終わりを思わせるような空気のなかで、ドストエフスキーが問題にした自由の意味が今問われているのではないだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=aVQ3E36weWY

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(続)⑰笠井尚氏の会津の本の読む。 『湯川村史1』(末木文美士も執筆)

 

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泥船の野党に見切りをつけて自民党に取って代わる保守政党を!

2020年06月26日 | 政局

反安倍であれば誰でもいい朝日新聞は石破茂を持ち上げるのに必死だが、そんなことよりも、野党に紛れ込んでいる保守派が出てきて、自民党を揺さぶることの方がはるかに現実的である。代々木の官僚である共産党と結託して、日本を混乱させるだけの野党など、日本には必要がないのである。前原誠司が国民民主党を離れるタイミングを探って、日本維新の会に接近していることの方が注目に値する▼今さら前原が自民党に行くことはできなくても、自らの信念を貫くには、それなりの決断をすべきだろう。このままでは今は亡き恩師の高坂正堯も浮かばれない。高坂は「現実は飛躍しない」との名言を吐いて、観念論の平和主義者を批判したのである。国民民主党の代表である玉木雄一郎は節操がない。立憲民主党と合流しかねない。自分たちが選挙で当選するには、それしか選択肢がないと思っているのだ▼小選挙区のせいで、自民党からは公認されないので、それで他の党から立候補したという政治家が大部分である。そんなことで本当にいいのだろうか。自らの主義に従って行動すべきなのであり、憲法改正を堂々と主張して、自民党に取って代わる保守政党を立ち上げるべきなのである。

https://www.youtube.com/watch?v=3waQU4z2C0g

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(続)⑯笠井尚氏の会津の本を読む 渡辺正雄の『日本人と近代科学』「第一章武士から科学者へ―山川健次郎―」

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桜井氏と上念氏はエキサイトするのではなく堂々と論争すべき!

2020年06月25日 | 選挙

虎ノ門ニュースを中継している現場に昨日、東京都知事選挙に立候補している桜井誠氏の選挙カーが乗り付け、ちょっとした騒ぎになった。桜井氏は出演中の上念司氏に苦言を呈したかったようだ。上念氏が日頃から桜井氏を批判していたから、この機会にと思ったのだろう▼お互いの支持者がネットでヒートアップしているが、暴力沙汰になったわけでもなく、それほど目くじらを立てることではない。保守であっても一枚岩ではない。様々な意見があるのであり、あの程度のことは許される範囲ではないだろうか。とくに、日本が危機的な状況になってきている今、悲壮な覚悟を持つ人たちが出てくるのは当然だ▼ここで注意しなくてはならないのは、誰が敵であり、誰が味方であるかということだ。政治は安倍内閣以後のことが問題になってきている。憲法改正もできず、国家として身構えることができない日本は、必ずや厳しい直面に立たされることになるだろう▼アメリカ同様に、日本を破壊しようとする勢力が暗躍している。恐ろしいのはそっちである。日本を守り抜くためにどうすべきか、どれが正しいかをめぐって、激しく議論するのはよいことだ。しかし、いざ鎌倉となったときには、小異を捨てて大同に付くべきなのである。

https://www.youtube.com/watch?v=fFhrExmmiPI

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(続)⑮笠井尚氏の会津の本を読む 久野明子の『鹿鳴館の貴婦人大山捨松』

 

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トランプが大統領選で敗れれば米国の舵取りは親中派の手中に!

2020年06月24日 | 選挙

日本にとっても当初は、政治経験の乏しいトランプは厄介な大統領であったことは確かである。安倍首相との度重なる会談を通じて、日本についての誤った見方は改めることになったのである。その典型的な例が米軍の駐留経費の負担である。門田隆将氏がツイッターで指摘していたが、それにNHKなどは触れたくないから、前大統領補佐官であったボルトンの回想録で言及されていた、現在の4倍の80憶ドルも日本に要求してきたという点だけをニュースにするのである▼ボルトンが書いていることで特筆すべきは、安倍首相がトランプに対して、北朝鮮と安易に妥協することがないように、と何度も釘を刺していたことである。中共の脅威についても、日米同盟の強化を説いたのである。ボルトンはトランプについて、国益よりも、自分のことを優先させる大統領として批判しているが、ホワイトハウスの側近ではなくて、安倍首相の言うことだけは、素直に耳を傾けたのである▼ボルトンは軍事的にはタカ派かも知れないが、トランプが経済的に中共を締め上げていることで、かろうじて独裁国家を封じ込めているのである。ボルトンまでもがこき下ろすようでは、トランプの再選も危うくなってきた。しかし、民主党のバイデンが勝つようなことにでもなれば、米国で親中派が台頭してくることは必至である。それこそ日本にとっては最悪の事態である。

https://www.youtube.com/watch?v=Qr63bXyq3G8

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(続)⑭笠井尚氏の会津の本を読む 森澤堅次の『山を訪ねて 会津の日向山・日翳山』。

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国家として身構えなければ中共の尖閣諸島侵略を阻止できない!

2020年06月23日 | 安全保障

日本の安全保障環境が急激に悪化している。にもかかわらず、日本人の多くは、未だに平和ボケから脱することができないでいる。昨日の午後、尖閣諸島の日本の領海内に中共の海警局の船4隻が約4時間にわたって侵入した。もはや1隻2隻のレベルではないのであり、尖閣諸島に攻めてくるのは時間の問題なのである▼今すぐにでも政府は手を打つべきである。公務員を常駐させることは、今日にでもできることである。領土を守り抜く決意を示すことで、中共の侵略を未然に防止すべきなのである。このままでは、東シナ海もまた、南シナ海と同じように中共の手に落ち、尖閣諸島には中共軍が常駐し、要塞化することになるだろう。国家として身構えなければ、とんでもないことになってしまうのだ▼去る9日には中共軍の戦闘機が台湾の領空を侵犯し、台湾軍が戦闘機を緊急発進させるという事態になった。覇権国家中共の野望を甘く見てはならないのである。アメリカのトランプ政権が国内の暴動で手を取られている隙を突いて、必ず習近平は仕掛けてくる。いかなることが起きても、侵略者を断固撃退する決意を私たちは持たなくてはならない。アメリカ頼みではなく、未曽有の危機を前にして、国家としての日本の力が試されているのである。

https://www.youtube.com/watch?v=bsHSdKT0_y0

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(続)⑬笠井尚氏の会津の本を読む 井伏鱒二の「普門院さん」

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安倍首相の後継は保守政治家の高市早苗総務大臣しかいない!

2020年06月22日 | 政局

安倍首相の後継としては、女性ということも考えられるのではないだろうか。今の段階で名前の挙がっている石破茂、岸田文雄、小泉進次郎などよりは、よりまともな選択ではないかと思う。石破にいたっては、安倍内閣の足を引っ張り過ぎて、自民党内では評判がよくない。岸田は名門宏池会の派閥を継承しながら、もう一つパッとしない。小泉はまだまだ苦労が足りない▼派手さはないが、答弁が堅実で安定感があるのが総務大臣の高市早苗である。政務調査会長も歴任しており、日本で最初の女性総理大臣にふさわしい。国会議員としてのスタートは無所属で、新進党にいたこともあるが、靖国参拝や外国人の地方参政権の付与については、保守派の主張に合致している。すでに8期目であり、それ以外の自民党の女性国会議員と比べて、能力的にも群を抜いている▼世界はかつてない激動期に突入している。我が国が生き残っていくためには、国民が一致して事にあたらなければならない。当面は自民党以外の政権は考えられず、そこから首相は選ばなくてはならない。これまで名前が挙がっていなくても、高市が出馬をほのめかせば、おのずと流れは変わってくるのである。安倍首相を支持している人たちも異議はないはずだ。高市を自民党の保守派は担ぐべきなのである。

https://www.youtube.com/watch?v=eONzSYG8CzI

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(続)⑫笠井尚氏の会津の本を読む 古川古松軒の『東遊雑記』

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河井夫妻の逮捕は政治資金収支報告書に記載しなかったからだ!

2020年06月21日 | 選挙

衆議院議員の河井克之前法相と妻の案里参議院議員は18日、東京地検特捜部に公職選挙法違反で逮捕されたが、国会議員側から地方議員側への資金提供は、読売新聞が書いているように一般的に行われている▼政治資金規正法にもとづき寄付として処理していなかったことが罪に問われたのである。政治団体間の寄付の場合には、提供した側は、原則的に政治資金収支報告書に記載し、領収証を添付しなければならず、それを怠ったことで、前法相逮捕という前代未聞のことが起きたのである▼東京地検特捜部と広島地検としては、河井夫妻が渡した金が寄付ではなく、参議院選挙での買収資金だったことを立件しようとしている。同じ広島選挙区に自民党の候補者がいたために、ただ単に表ざたにしたくなかっただけだろう。そこに検察は目を付けたわけだが、ウグイス嬢の報酬から入った選挙違反事件はようやく全貌が見えてきた▼朝日新聞や東京新聞などは誰にいくら金を渡したかに注目しているが、渡し方が杜撰であったのだ。政治資金規正法自体は抜け道が多いのに、それに引っかかったばかりか、買収の疑いすら持たれているのだ。大半のマスコミはいつもの通り大騒ぎをしているが、何が法に触れるかをきちんと取材して記事にしているのは、読売新聞くらいなものである。

https://www.youtube.com/watch?v=yg4codl7WZE

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(続)⑪笠井尚氏の会津の本を読む 星亮一の『会津白虎隊』

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