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権力を握っている政府が合法的な政府

権力を握っている政府が合法的な政府

誰にしたがうべきかを考える時、誰が権力をもって
いるか、どんな権利や暴力により彼が権力の座についたか、
彼がどのようなかたちで権力をふるっているか、
などということを考えてはならない。そうではなく、
ただ、彼が本当に権力をもっているかどうかを
考えればよい。人に勝る権力をもっている者は、
それが誰であろうと、間違いなく神からその権力を
受けとっている。それゆえ、異議を唱えることなく、
あなたはみずからを彼にさし出し、心から彼に
したがわなくてはならない。

When a question is made whom we should obey;
it must not be lookt at what he is that exerciseth
the power, or by what right or wrong he hath
invaded the power, or in what manner he doth
dispence it, but onely if he have power. For
if any man doe excell in power, it is now out
of doubt, that he received that power of God;
wherefore without all exception thou must yield
thy selfe up to him, and heartily obey him.

(Francis Rous, The Lavvfulnes of Obeying the Present
Government [1649], p. 7)

* * *
過去の異国における思想・思考として関心を惹くものを
紹介しているのみで、わたし個人の考えではないので、
ご理解を。念のため。

英語テクストはみな散文。適宜改行を挿入している。

* * *
これは、1649年、チャールズ一世処刑後に樹立された
共和国政府への支持を訴えるための議論。ラウスは
神学的著作もある知識人で、政治的にも、議会の議長を
務めるなど人望のあった人。

ひどい議論のように見えるが、逆に考えるとどうか。
つまり、正当・正統ではない(ように見える)政府には、
いつでも誰でも(武装して)抵抗していいか? 政府が
正当・正統かどうかは誰が決める? そもそも武装抵抗は
正しいか?

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