シーブレ日記

愛艇と綴る釣り日記
最近は登山や自転車へと 遊びの範囲が拡大中

ヒマラヤ ラダック バイク旅(2)ザンスカール編

2023年09月19日 11時10分01秒 | 海外遠征
この旅の第一幕は、プロの辺境カメラマンM氏に帯同する、ザンスカール撮影ツアーからスタートです。

内容が分かりやすいように、下の地図に僕の辿ったルートを色分けしてみました。真ん中の赤丸が中心都市レーです。
第一幕のザンスカール編は赤色のルートです。





成田から、エアインディア直行便でニューデリーへ飛ぶ。
ニューデリーで一泊した後、翌朝ラダックの中心都市レーへ飛びました。
飛行機はヒマラヤの山々を越えて、どんどん奥地へ入って行く…



レー到着の第一印象、、、空気が薄~い
カラッとしてて凄い爽やか。
高地ゆえ太陽の光が強烈です。半袖など肌が露出する服では紫外線で肌が一発でやられます。とにかく肌をかくし、顔や首などは日焼け止めが必須です。

早速市内のメインマーケットへ。
オー、全然インドっぽく無い! あの彫りの深いウザいインド人は殆ど居らず、日本人と同じ顔のチベット人ばかり。
ラダック来たーって感じです。



先ずは通信手段の確保。ここラダックはちょっと特殊で、ラダック専用のsimカードしか使えない。テロ対策らしいです。当然海外ローミングも無理。
現地のAirtelの一ヶ月用プリペイドsimを購入。お店でアクティベートまでやってくれました。

町の高台にある定番スポットレーパレスへ。レーの町一望!
意外と町は小さいです。直径5kmぐらいかな。標高3200~3400m程あるので、すでに森林限界を超えてます。
市内にはポプラの木が生えてるけど、一歩町を外れると全て茶色の砂と岩しか無い荒野が広がってる。想像してたより荒涼感が凄いかも。



正面には6,153m級のストクカンリ峰が見えてる。以前登りに来ようと考えたことのある山です。

レー到着初日は、何はさておき高所順応に全力を投じます。これが上手くいかないとずっと高山病で苦しむことになる。

具体的な高地順応の方法は以下の通り
・到着1、2日はとにかくゆっくり動き、激しい行動は避ける。軽装で散歩程度。
・水分を多量に取る。(目安は一日1~2リットル以上)
・呼吸が浅くならないように意識する。たまに深呼吸を交えるぐらいな感じ。
・昼寝は避ける。(呼吸が浅くなるから)
・酒、たばこはNG
こんな感じでしょうか。到着初日からガンガン動く予定は入れないことです。もし頭痛が伴うようなら早めに鎮痛飲んで楽になった方が良いかも。


この撮影ツアーのメンバーがレーで集合。カメラマンM氏と僕以外に日本人2名の方が参加です。
現地ガイド、ドライバー含め総勢6名で、一週間掛けてラダック最奥地のザンスカールを目指します。
以降、日付は特に意識せず、思い付くままに記して行きます。



レーの町から車で10分も走れば、もう何も無い荒野。その先はむき出しの岩山だらけ。
ヒマラヤに来たことを実感。(この先ずっとこんな光景の中にばかり居ることになる)



何も無い荒野を数十キロ走ると20、30軒程の小さな村が現れ、それを過ぎるとまた荒野。これの繰り返し。
レーから約100km走って、最初の目的地ラマユルゴンパに到着。
ゴンパとは、チベット仏教の僧院のこと。





空の蒼さが半端ないです。
太陽の光がとにかく強い。



次はV字渓谷。
とんでもなく褶曲した地層。数百億年を掛けて一体どんな力が掛かったのやら。地質マニアには垂涎の光景。
ヒマラヤは只者では無いとヒシと感じます。



だんだん目の前に現れる光景に、理解が追いつかなくなってくる。
雄大な自然とか、素晴らしい風景なんて次元じゃ無い。地球のナマの姿が圧倒的な迫力で次々と現れるのです。





夕方頃に目がチカチカして来て、まともに目を開けられなくなってきた。
今日一日、サングラスをせずに行動した結果、強烈な紫外線で目がやられたようです。いわゆる雪目ですね。雪山では散々気を付けてるのに、この荒涼とした風景に油断しました。
とにかく目薬を大量に差し、なるべく目を休めるようにするしか無い。
翌日から当然サングラス着用したけど、回復には2,3日掛かりました。出来ればサングラスも、脇から光が入り込まないサイドカバー付きや8カーブのようなモノが良いと思います。

レーから約240km走り、夕方ザンスカールへの中間点にあるカルギルの町に到着。この日の宿泊地です。
ここはパキスタン国境から10km程しか離れておらず、完全にイスラムの町です。
さっきまで日本人と同じ顔したチベット仏教圏に居たのに、いきなりイスラム圏に入ると異国感が一気に上がります。
本場のシシカバブは極旨!



翌日、脇道にそれスル谷沿いの小さな村へ入ると、小学校に通う子供達に出会った。
通常イスラム圏の女性達はカメラを向けると顔を隠すけど、この村はとても開放的でした。
この眼差し。。。











カルギルから秘境ザンスカールへ向かうに従い、景色も俄然に凄みが増してきます。





7000m級の山も登場。ヌン・クン峰です。やはり格の違いを感じますね。



それらの山から流れ出る氷河。
本物の氷河を初めて見ました。凄いわ。。。





峠を越えるとチョルテン(仏塔)があった。
これより先はチベット仏教圏であることを示すそうだ。つまりここから先が ”ザンスカール” であるということ。





ラダックに旅行に来る人は多いけど、殆どの旅行者はレーから100km、1泊圏内が多い感じです。
ザンスカールはレーから500km程奥地であり、道も悪く、行くだけで3日はかかります。
旅行者が行くには中々困難な、リアル秘境。
ついに来たなぁ、ザンスカール!





しかし驚くことに、カルギルからこの秘境に続く道も、この2、3年で急速に整備されており、舗装工事も急ピッチで進んでいる。
現時点ではカルギルからザンスカールの中心パデュムまで250kmあまりのうち、半分ぐらいは舗装工事が進み、残り半分がダートといった感じかと。



秘境が秘境でいられるのも、後数年かもしれません。
パデュムで3泊しザンスカール各地を撮影。





カルシャゴンパ(尼僧院)





ストンデゴンパ





バルダンゴンパ



村人の農作業風景なども











次に秘境中の秘境、リンシェ村を訪問。
ここは2020年に道路が開通したばかりで、外国人はまだ殆ど入っていません。ついこの数年前まで徒歩とランプの生活をしていた村です。





その道中も凄い景色のオンパレード。道はお約束の断崖道路。もう怖さ感覚は麻痺してますが。
よくぞこんな所に道をつけたものだと感心。(現在進行形で造ってます)





リンシェ村の全景。雄大な景色の中に小さな家が在るのが分かりますか?
風の谷という言葉がもの凄くしっくりくる所です。



リンシェ村には宿はありません。村人の家にホームステイさせていただきました。
伝統的な衣装のこの家のアマ(お母さんという意味)がカワイイ。
夕食も一緒に食べて、リアルなチベット民族の生活に直に接することが出来ました。







しかしというか何というか、、、
道が繋がったことにより物資が来ました。電柱も建って電気が来ました。これでランプの生活からLEDの生活に変わった。
そしてなんと村にモバイルタワー(携帯電話基地局)も建ったのです。
チベット古来の民族衣装を着て、数百年来変わらぬ生活様式を繋いできたアマが、なんとなんとスマホで誰かと話してる!



衝撃の光景でした。

生活が便利で快適になることは誰もが望むことであり、それを止める権利は誰にもありません。
もちろん僕らがそれに口を挟むものでもありません。
ただただ、この光景を見つめるだけでした。
秘境が秘境であるのも、本当に本当に、あと僅かなんだろうなぁ。。。

















8/19 我々は一週間の撮影ツアーを終え、無事レーの町に戻ってきました。
同行した皆さん、ありがとうございました。
特にMカメラマン氏が何年も掛けて開拓し蓄積したスポットを訪問できた事は本当に凄いことで、このツアーに参加して良かったと思います。一見では絶対に入り込めない真のザンスカールを見ることが出来ました。
「ツアー」というものに殆ど参加しない僕だけど、今回のツアーは参加して良かったと思いました。

さて、第一幕「ザンスカール撮影ツアー」は感動のウチに無事終わり、レーでツアーは解散しました。
明日からは、第二幕「ラダック一人旅」が始まります。

先ずはバイク調達からだな。


(続く)




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