【カヤンゲル島。 パラオ本島から北約40kmに浮かぶリーフアイランドだ。】
1月15日(木)
今日はテールトップを叩きながら、海況次第でカヤンゲル島を目指そうという計画。
1時間半のクルージングでテールトップの端に到着。テールトップは30~40kgのGTが出る魅惑のポイントです。去年も良い思いをしたし、期待はいやが上にも高鳴る。
今日も西からのウネリと、東からの風が吹いている。昨日よりも波が大きい気がする。(鬱)
2艇でリーフエッジを叩きながらカヤンゲル目指し北上開始。
【テールトップ。 今日もリーフエッジはパーフェクトウェーブ。危険でポイントをタイトに攻められない。】
ウーン、明らかに魚の反応が悪い。
たまーに、ダツやバラクーダ、アカマスなどの外道が上がるのみ。
何回かGTも出るが食い込まない。 食いが浅い感じだ。
僕は今回、下記の3組のタックルをセットしておき、シチュエーションに合わせて使い分けた。 バスプロみたいですね。
ロッドはオールカーペンター。 お気に入りのロッド群です。
①グランダーマーリン+PE4号+サーフェイスブル(向い風、遠投、オールマイティー用)
②DJ83ML+PE6号+ガンマ(食い渋り時、勝負所用)
③SP79M+PE5号+ムラムラポップ(深場用、大型ポイント用)
バラクーダなどの歯モノが多いところは勿論①。決してガンマは投げません!
テールトップの北端まで攻めたが、結局この日僕らのボートはGTノーキャッチ! 別艇は何本か上がった。
昨年は良い思いをしたポイントなのに、今回は不調だ。多分ウネリのせいだろう。
テールトップからカヤンゲルまでの海峡は、1.5mぐらいの向かい波があるが、スローで波をかわしながら頑張って海峡横断する。
キャビンが無いのでスプレーを浴びながら、ただただ耐えるのみ。
日が沈む頃、カヤンゲル島の沖に到着。
リーフの中に密林に覆われた、平べったい4つの小島が見えている。人が住んでいるのは1つだけ。あとは無人島だ。
夕暮れ迫る中、島に降り立つ。島の子供達が僕らを見に出てきた。
【カヤンゲル島はジャングルに覆われている。 南の島の夕暮れは、極上の一時だ。】
【孤島に辿り着いた釣り師。厳しい一日だったことを背中が語る・・・ そんな釣り人を南海の夕日が優しくつつむ。】
ジャングルの中の小道を5分ぐらい歩くと、ゲストハウス?に到着。(単なる空き家なのかな)
平屋でドアや窓ガラスの無い20畳位のだだっ広い部屋が一つ有るだけ。
ベッドも何も無い。 床に布を敷いてゴロ寝するしかない。
【ゲストハウス。外見は意外と綺麗だが窓は開放。中はガランドウ。床に布を敷いてゴロ寝しろってことね・・・。】
夕食は島民が持って来てくれた。
得体の知れない葉っぱの酢漬けと魚のフライとおにぎり。デザートはパパイヤ。飲み物は椰子の実にストロー刺してチューチュー。
お世辞にも美味いとは言えない、というか葉っぱは不味くって食べられなかった。
【島民が運んできてくれた夕食。 机は無いから床に並べて食べる方式。】
島は南北1km、東西200mぐらいかな。全部ジャングル。山や丘は無くまっ平ら。標高5mぐらいかな。
津波が来たら間違いなく全島水没でしょう。島民は50人位だそうだ。
ゲストハウスの向かいに島民の家(といっても屋根のみ)があったが、暗闇の中で何人もの人間が集まって、歌を歌ったりしながら遅くまで夕食を摂っていた。
【道はこんな感じ。ジャングルの中で何かが鳴いている。 お向かいの島民の家。リビング&キッチンのようだ。】
ジャングルの中からは鳥だか何だか知らないが、澄んだ声でカ・カ・カ・カッって鳴いている。
部屋のすみからは、おなじみ鳴きヤモリがキョキョキョキョ。
遠くにリーフに砕ける波音が、ザー。
開け放された窓から、心地よい風が吹き込んでくる。
たまに島民の笑い声が聞こえる。
電子音は一切無い。 1/f ゆらぎに満たされた究極の平和・・・
南の島の原風景そのもの。
【何か居る!と思ったらネコ。コンクリートジャングルに棲む日本のネコとは動きが違う。】
僕らはやることが無いので、水シャワー浴びた後は、覚悟を決めて寝るのみ。
窓が無いから当然虫は入り放題。 防虫スプレーを全身に掛けているが、蚊の猛攻に一晩中悩まされた。
南洋の孤島のジャングルの中で寝るなんて、なかなかできる経験じゃないよね。
こういうの、嫌いじゃないです。
1月16日(金)
朝6時起床。 全員寝不足・・・
直ぐにタックルを船に積み込み、食事も摂らずに島を後にする。
僕らが長居出来るほど楽な所じゃないが、でも、もう少し島に滞在したかったな。
ウネリと風が相変わらず落ちないため、ベラスコリーフ攻めは諦め、昨日来たルートを逆戻りすることにする。
朝一、ビッグサイズのアカマスをキャッチ。 こいつ、結構いい引きするんだよね。
続いて、良い感じのコーナーで20kg弱のGTキャッチ。パラオのレギュラーサイズかな。
その他にも、チェイスは結構あるが、日が昇るにつれて食いが渋くなる。
【アドルフが撮ってくれたGT。”Nice Pictureトレタヨ”って、3枚とも尻尾や頭が切れてるじゃん!】
昼に本島北端の辺鄙な船着場に到着。
カヤンゲルから戻ると、こんな場所でも物凄く都会に感じた。(笑)
午後はベイトのナブラ打ちからスタート。
アカマスのオンパレードだ。
その後もパッとせず、この日の釣りを終了。
カヤンゲル島までは行ったがその先には行けず、ベラスコリーフは次回におあずけ。
結局、調子の出ないテールトップを二日間かけて攻めたようなものだった。
1月17日(土)
島の北側はコンディション悪く結果が出ないので、最終日の今日はウェストパスから南下ルートを取ることにする。
ウネリは相変わらずあるが、風はやや落ちてきた。
開始早々にGTゲット。飽きない程度にチェイスもあり、テンポよく釣りが出来る。
魚の出そうな場所にルアーを通すと、今日はしっかり魚が出てくれるので、結構楽しい釣りが出来る。こうでなくっちゃね。
いきなりジローさんのルアーにセイルがチェイス! 一気にボルテージが上がる。
食い込まない。
またチェイス、食わない。
セイルの数が増え、4、5匹が猛烈にチェイス。
ジローさんのロッドが曲がった! ロッドを横抱きに合わせている。フックアップ成功!!
ラインが一気に出される。
続けて市ノ川さんのロッドも曲がる。 セイルのダブルヒットだ!
アッー! 市ノ川ロッド、残念フックオフ。 よし、ジローさんに集中だ。
【セイルフィッシュとジローさんのファイトシーン。 ラインの先でセイルがジャンプ。 右の写真はアップです。】
猛然とジャンプを繰り返す。なかなかのサイズだ。
ジローさんも落ち着いてファイとしている。右の口元にフックアップしているのが見えたのでマズ大丈夫だろう。根ズレの心配も無い。
市ノ川さんがジローさんの横に付いて、体勢をフォローする。
キャプテンがリーリングを楽にするため、ボートを魚の方にゆっくり前進させる。 左舷側に魚は寄ったが、相手はまだ元気なため走り回る。
ジローさんもだんだんきつくなって来たのか、ロッドで魚をコントロールできなくなってきた。
ヤバイ! 船底に入られる!
僕はキャプテンに「ハードポート、アスタン!」と指示。ラインが船首を交わさせる事に成功。魚は右舷に出た。 危なかったな。
魚を船から離し、体勢を整えゆっくり寄せる。 魚が浮いた。 ラインがテールに巻いているが大丈夫だ。
キャッチ! キャプテンがランディング。 船内に歓声が上がる。全員で獲った一本だ。
【グッドサイズのセイルフィッシュキャッチ。 ジローさん、ナイスファイト!】
ジローさんオメデトー!!!
セイルとしてはグッドサイズ。ロンピンサイズより二周りは大きい。40~50kgありそうだ。
再開してまもなく、もう一度セイルの群れに当たる。結構リーフエッジに居るようだ。
チェイスはするが食わない。
僕は2度のチャンスとも、たまたまポッパーを投げていたのでカヤの外でした。
ガンマとサーフェイスブルのみチェイスです。毎度ながら、セイルはルアーにセレクティブですね。
その後もGT、その他が良い感じで釣れ続けた。
最後、シャークシティーで締めくくる。ここも良い感じで流れがあり。GTの活性もマズマズ。時間を忘れて投げ続けていました。
【ダブルヒット、ダブルキャッチもありました。 2年連続だね!】
この日、GTは船中9匹。その他多数。
有終の美を飾ることが出来ました。
4日間、2艇のGT総キャッチ数は30匹ぐらい。
ビッグサイズGTは出なかったけど、パラオはこれでいいんです!
今回はコンディションが悪かったけど、これだけ釣れれば充分満足です。
夕食のレストランで、今日のセイルが地元料理となって食卓に並んだ。
セイルって赤身なんですね。まんまマグロです。
【セイル料理。左からカルパッチョ、これはグー。 寿司は焼肉のたれが塗られていて台無し。 スープは出汁が効いてウマー。】
カルパッチョは美味かった。フライはマズマズ。スープもいけました。その他色々な形で料理されてきましたが、地元系の上手く表現できない料理でした。
夕食後、ホテルに戻ってマッサージしたりして、各々クールダウン。
深夜3時発の直行便でパラオを後にした。
こんな感じで、今回のパラオ遠征は無事終了しました。
終始、ウネリとアゲインストの風とスコールに悩まされましたが、結果、パラオは今年もたっぷりと楽しませてくれました。
本命のベラスコリーフは次回の楽しみにとっておきましょう。
怪我で戦線離脱していた金田さんが、3年のブランクを経て見事GT復活を遂げたのも嬉しかったな。
同行のみなさん、お世話になりました。