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『拉致対論』 その1

2009-09-07 21:06:49 | Weblog
 『拉致対論』(蓮池透、太田昌国著 太田出版 2009年刊)

 これまでに、私は、2007.11.15の当ブログ『変わるか、北朝鮮政策』で安倍の政権投げ出しの原因がアメリカからの圧力による可能性と福田政権に変わって対北朝鮮政策の変更の可能性に言及した。

 2008.6.18『再び、拉致異論』で、「世界」2008.7月号のインタビューにおける家族会元事務局長蓮池透氏の変化を指摘した。

 2008.6.20『再び、拉致異論 その2』で、安倍に代表される北朝鮮に対する制裁では物事が前進しないこと、家族会の活動が被害者の範疇を超えており、政府に見放される運命にあることなどを述べた。

 2008.8.24『拉致異論 その4』で、福田政権で入閣した中山恭子拉致担当相の役割が家族会のガス抜き役だったこと、山崎拓氏の安倍政権の北朝鮮政策を批判し続けた背景に資本の意図があることについて述べた。



 『拉致対論』は、2002.9.17小泉訪朝でにわかに注目を集めた拉致問題に、2003.7『「拉致」異論』で、日朝両国政府批判、日本左翼批判という独自の視点から切り込んだ太田昌国氏と、当時全く対極の位置にいたであろう家族会事務局長蓮池透氏が4夜にわたって語った記録である。

 マスコミは酷いもので、この頃は拉致問題が1mmも解決していないのに報道されることが極端に減っている。まさに、ニュースとしてまるで賞味期限が切れてしまったようであるが、私にとっては、何回かにわたって推測を交えて論じたテーマが事実であったかどうか、本書で検証できた点が何点かあった。

第1章「対話を通した意見の深化と認識の深化」より

 蓮池氏は9.17の直後は、拉致問題が急に日の目を見て、「調子に乗っていました。」「ある種の錯覚に陥っていました。」と述懐する。(素直に反省)

 家族会の運動を支援してくれた「救う会」佐藤勝巳氏(現代コリア研究所)がどういうところなのかも知らなかった。(佐藤氏は、かつて日共で帰国運動を先導していたが、反北朝鮮に転じた人物。)(佐藤氏を批判)

 浜本達吉氏(日共国会議員秘書、後に除名)、石高健次氏(朝日放送プロヂューサー)、阿部雅美(産経新聞)の3氏の尽力で家族会ができた。(3氏を信頼)
 
 安倍の「全員生存を前提に平壌宣言に則り」という発言は、大矛盾。宣言は、8人死亡を受け入れた証し。(安倍氏を批判)
コメント
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