晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『現代日本の詩歌』

2008-11-17 20:20:44 | Weblog
 『現代日本の詩歌』(吉本隆明著 毎日新聞社 2003年刊)

 あの吉本隆明が、谷川俊太郎、大岡信等々・・現代日本における27人の詩人を評論。詩は吉本の本職のはずだが、その批評はぎこちなく、バッサバッサと切るのかと思いきや、恐る恐るという感じ。

 まったく素人の私がこの手の本を読む魂胆は、言葉の使い方が巧くなったり、語彙を拾ったり、少し可能性が広がるかも知れないという淡い期待。

 従がって、特にそこから法則性や新しい真実を見出すなどということはありえず、すっ飛ばしながら読みきり。

 で、一番印象に残ったのは、茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」の一節。

 わたしが一番きれいだったとき
 わたしの国は戦争で負けた
 そんな馬鹿なことってあるものか
 ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

 わたしが一番きれいだったとき
 ラジオからはジャズが溢れた
 禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
 わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

 1926年生まれの茨木さん、戦争に一番いい時期を奪われたことをテーマにしています。


 現在の私のセンチメンタルからは、「あなたが一番きれいだったとき」てな感じで書ければいいなあと思います。

 

 
コメント (2)
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