積雪も少なく、気温も比較的暖かで穏やかな大晦日、1年の締めくくりの日であるが、普段の休日と同じように「晴走雨読」生活。
『悪人』(吉田修一著 朝日新聞社 2007年刊)
今年度出版された小説の中で、昨日の日本経済新聞の書評で評価が高かったので直ぐ購入、途中で止められぬ位一気に読んでしまった。☆☆☆☆☆傑作といって良いだろう。
「格差社会」といわれている今日の社会情況をテーマにした場合、このような小説になるのだろう。一方に、外車を乗り回し、皆からのあこがれの的のような富裕層出身の学生がいる。他方に、働いても働いても生活に追われ、何になれるわけでもなく、何かを実現できるわけでもない多くの若者がいる。
いずれも、真に心許せる友も無く、大切に思える人も無く、これといった目標の無い毎日の生活が続く、そこにゆきずりの出会い、そして偶発的な事件の発生。
2007年という時代が良く描かれていると思う。何年か後に読み返すと当時の社会の雰囲気が伝わる小説になると思う。
ある世代より以下の若者達の内面に広がる「刹那」。この社会の地下で蠢く崩壊感。そして、許せないメディアの暴力。
この絶滅品種主宰のブログに立ち寄っていただきありがとうございます。良いお年を!そして、来年のテーマは、「自ら行動した結果の感動を!」であります。
『悪人』(吉田修一著 朝日新聞社 2007年刊)
今年度出版された小説の中で、昨日の日本経済新聞の書評で評価が高かったので直ぐ購入、途中で止められぬ位一気に読んでしまった。☆☆☆☆☆傑作といって良いだろう。
「格差社会」といわれている今日の社会情況をテーマにした場合、このような小説になるのだろう。一方に、外車を乗り回し、皆からのあこがれの的のような富裕層出身の学生がいる。他方に、働いても働いても生活に追われ、何になれるわけでもなく、何かを実現できるわけでもない多くの若者がいる。
いずれも、真に心許せる友も無く、大切に思える人も無く、これといった目標の無い毎日の生活が続く、そこにゆきずりの出会い、そして偶発的な事件の発生。
2007年という時代が良く描かれていると思う。何年か後に読み返すと当時の社会の雰囲気が伝わる小説になると思う。
ある世代より以下の若者達の内面に広がる「刹那」。この社会の地下で蠢く崩壊感。そして、許せないメディアの暴力。
この絶滅品種主宰のブログに立ち寄っていただきありがとうございます。良いお年を!そして、来年のテーマは、「自ら行動した結果の感動を!」であります。