晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『鉄道ひとつばなし2』

2007-05-02 22:23:23 | Weblog
 『鉄道ひとつばなし2』(原武史著 講談社現代新書 2007年刊)

 著者の原氏は、いわゆる鉄道マニアではなく、天皇制など日本政治思想史の研究者。氏が「鉄道」を思索の手がかりのひとつにしているのが、小さなエッセイが集められたこの著書から良くわかる。

 氏は、歴史、思想、都市と郊外、東京と地方などを「鉄道」から分析していく。



 
 数年前、道北の稚内までの鉄道の旅で感じたことは、今は、鉄路を剥がしてばかり、この巨大な装置としての鉄路を敷いた時代が持っていた未来へのエネルギーの源泉は何だったのだろうかと。明治の思考スパンの偉大さに敬服。
 


 駅舎やホームは、その時代を表している。札幌駅のJRタワーはまさしく平成の産物。でも、旧札幌駅の駅舎や0番ホーム、地下道、北口の様子もしっかりと私たちの昭和としての記憶の中にある。


 鉄道をめぐる記憶はなぜこんなに鮮明なのだろうか。そして、鉄道を中心に思考が廻るのだろうか。

 車窓からの風景、時刻表での旅行計画の空想、駅弁、汽笛の音、トンネルの中の煙と臭い、チッキ、連絡船、海峡ラーメン、鈍行列車・・・
 

 
コメント (4)
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