今回も完璧に仕上げる事が出来ました。自宅半地下の源工房にて
今日は、テレマークビンディングの取付けです。
依頼主は霊峰「白山」の管理人のIさんです。
なんでも、山スキー派だったIさんがテレマークに転向するとか!?ボクとしてはテレマーカーなので大歓迎。
いつもながらの正確な取付け、そして丁寧に絶対ビスが抜けないよう確実な取付けを心掛け、完璧に取り付けることが出来、ホッとしてます。
先日、自宅にスキーとビンディング、靴を携え訪問してこられました。お土産に「プレミアムモルツ」を頂きました。板はパウダー用の太板にスイッチバック。
板のトップシートに白色のテープを貼って自作専用工具でセンター出し! 3ピンセンターに基づきビンディングのビス孔を毛書きます
板には前回付いていたビンディングの穴が有ったので、3日前に中を掃除して接着剤を封入し、今日硬化した表面を平滑に削り取り始める。
いつもの様に長辺の中心線を正確に出し(板はトップ~センター~テールとカーブしているのでセンター出しには職人の技が必要)3ピンセンターを出して後はビンディングのビスの中心線を出し、穴を開けて取付けの準備をする。
穴開けは一発勝負なので、毛書いた後も何度も何度も測り直しして失敗しないように慎重に行う。そしてビスはいつもの冷間圧造で行い、表面の盛り上がったところは鑿で削り平滑にする。これで板表面とビンディング裏面とが隙間なく取り付けられる。
ビンディングセンターの微調整の為、中心線は最後まで残しておきます。 最終調整した後、本締めして仕上がりです。
そして最後は2液混合性エポキシで絶対に緩まないよう、そして硬化後痩せないため水が入らない。しいては隙間なく頑丈に仕上げられます。
そうこうすること、Youtube 見ながら作業しつつ合計5時間かかった。イイ仕事するにはこれだけ時間がかかるのか!?自負としてはショップで行う冶具に頼ってポンポン付けるよりも、ボクの仕事は遅いけど、自分でいうのも変だけどイイ仕事していると思います。これは趣味の大工や建具作りの技が役に立っているのだと思います。
そんな甲斐あってか、遠方より取付け依頼に来てくれる山屋さん、ボクの技術を信頼してくれていることに感謝です。
なお…これを副業でやっている訳ではありません。あくまでも趣味の範疇です。
金沢在住の木下と申します。
不躾ですが教えていただきたいことがあります。
ゲンゴロウさんほどでは有りませんが私も自分でインビス加工をやってます。
文中に「冷間圧造」とありますがこれは何のことでしょうか?
はじめはビスの種類で冷間鍛造のような作り方をしたビスのことかと思いましたがジルブレッタの記事で「冷間圧造中」と有りましたのでどうも違うような気がします。
おそらく、インビスのビスのネジ山は冷間圧造ではなく切削で作られていると思います。
ボクもインビス加工を何度かしていますが、母材をタッピングしてインビスをねじ込んでいますが、ジルブレッタとかTLT等の直付けの場合には、母材に穴を穿ち、そこにタッピングせずに直接ネジを打って母材に雌ネジの形を作るべく塑性変形させます。山スキーはトップシート下がカーボン等で補強されているけど、内部はウッドなので、雄ネジをねじ込むと十分、母材のウッドに冷間圧造的に雌ネジが作られます。これにより、圧造されたネジ山に再びビンディング取付けの際にネジを締めると密着度と強度が上がるといった考え(今までの経験も含まれます)でやってます。
あと、ポイントとして2液混合性エポキシを使うのも大事です。衝撃吸収性はもとより、硬化による痩せが無いので、山行中に緩んだ!といったクレームも今まで有りません。
お互いDIY取付けをしているようで嬉しいです。山でビンディングトラブルが有ると生死にかかわる非常事態になります。これからも取付けはショップに任せず自ら確信をもって付けて行きましょうね!
色々長くなりましたが、投稿ありがとうございました。山でお会いできると嬉しいです!
母材をタッピングする事を指しての表現だったのですね、よく分かりました。
他にも色々勉強になる記事を楽しく読ませて頂いています。
私の場合はビンディングを複数個購入する余裕がないのと、今はTLTですが後々テレに移行するかもしれない、などの理由でインビス加工にトライしました。
インビスとタップはブルークリフさんで購入です。
下穴加工時に板の表面が浮き上がったり、板によってはガラス繊維でチクチクするなどネットの情報には無い事がありなかなか奥が深いですね。
今度どこかでお会いできると良いですね!
表面浮き上がりについてですが、ボクの云う冷間圧造をした場合、ビンディング取付け前にビスを打った場合(冷間圧造)、トップシートよりネジ穴付近がが浮き上がります。ビンディングの裏面とトップシートが面と面で密着するよう鑿(無ければカッター)で表面を削り平滑にしてからビンディングを取付けています。こうすることにより面と面で密着してスキーとビンの剛性が上がると思っています。
一発勝負のビン取付け、でも完璧に取り付けられた時の快感、そして板とビンの一体感というか異質どうしの接合といった感じがたまらなく嬉しい(変人!?)
これからも山で遊ぶ道具を自ら楽しんでカスタマイズ!?していきましょうね!DIYですね