今回の山行は9月29日、30日に黒部ダムから欅平間の「下ノ廊下」です。
職場の夏休みがやっととれたので、カミさんにも有給休暇を取ってもらい、平日ヒマ人の二人で行ってきました。
28日(月)19時に自宅発~扇沢23時着。カミさんの車でビール飲んで車中泊。翌朝5時起床し6:30車を回送サービスの係員に渡します。この回送により、30日の宇奈月温泉で車を受け取ります(27000円)。扇沢駅発黒部ダムの始発に乗るため7:00には並び7:30の始発に乗ってダムへ。「黒部の太陽」でもおなじみの破砕帯を通過。そしてダム駅7:50に到着。ついでにダムの堤頂まで足を延ばしました。引き返し登山者出口(カレ谷出口)から外に出ます(8:00)。登山道を下り、木橋を渡ると観光放流中の黒部ダム!迫力が有りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/90/b78a0afb5120d5cd22d6796d279bc00b.jpg)
出発前に、黒部ダムの天端で高さを提高186mを堪能。今からこれよりも高いところを歩く下の廊下はどんなもんだろう!?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/cb/438f41d441f7f344d4c06c780976f770.jpg)
扇沢駅で始発のバスを待ちます。(7:30発) 昔はトロリーバスだったけど今はバッテリーで走ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/d0/8e556d0b69c35bfbb4044faebd6169c9.jpg)
バスに降りた後、ダムに向かいました。 ダムから引き返し、登山者専用通路を歩き、ダム下への登山道を歩きます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/55/46b2903ef753dfc472e693db16284846.jpg)
ダム下に降りた後、仰ぎ見る立山!空が青い!!(8:00)
今週は天気が安定し2日間は天気良好との予報。下ノ廊下も良いけど、北アルプス縦走も良いだろうなぁと思いつつ、今から始まる絶叫・絶景に期待を馳せ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/38/4be02e74ec96be63f0b65820b20c1f38.jpg)
まず、黒部川を渡渉すると… 観光放水していました。でかいダムだと再認識
丸山基部の岸壁を進みます。さほど悪場もなく登山道を下るといった感じ。朝の空気が清々しい。沢沿いを歩くのはヤッパシ気持ちがいい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/ae/13dbab7e9402c5987f0461e3c7d3a430.jpg)
最初は登山道を歩くと徐々に左岸に作られた岩を削り作られた道が現れます。高度感はまだ大丈夫
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/68/f0b5b005b92c95143575d48f02e7cc92.jpg)
徐々に難易度が上がってきます。整備してくれた国、関電に感謝
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/26/607e224b4b065e1afddb81e6141252d8.jpg)
内蔵助谷の出合。ここでヘルメット着装(8:50) 右岸には新越の滝。秀麗な滝です。
内蔵助谷を越えると徐々に道幅は狭く「落ちたら死ぬ」感が強くなります。でもまだ序の口です。左には黒部の魔神「大タテガビン」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/19/d5ebb6298212d8dae2416033370d84a5.jpg)
「屏風岩の大へつり」左岸に作られた心もとない道を進みます。写真撮るときは注意が必要!ザックを岩に当て反動で落ちないように!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/e6/91eb213b9321f1a2656aaa0514b97873.jpg)
別山谷手前のアスレチックコース!梯子で大高巻き。降り立って見に行くと大崩壊しそうな道だったので作られたようです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/74/eba80b21d3ace011162338a821de3c78.jpg)
どこまでも続く危ない道!気が抜けない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/b4/76e434fa7ff170ac0308d6419eedf931.jpg)
別山谷でやっと一息。行動食を摂る(10:30) まだまだ…。アドベンチャー!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/0f/71e2459034f5c604d0a371ba1e4875f5.jpg)
徐々に慣れてきた細い道。高度感はまだまだ!!
別山谷を過ぎると谷は狭まり、白く泡立つ流れと、深く蒼味がかった淵や瀞。ここが白竜峡だ。写真をとったり流れを眺めたりと、その風情を二人で満喫する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/b5/e30aac76d7f6e064aded3fd8e9459740.jpg)
白竜峡です。何となく綺麗な感じ。(11:05)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/6f/5325de52fda978bc41cad24af07c8035.jpg)
穏やかな流れの黒部川だけど、徐々に幅は狭くなります 水流を浴びながら…
白竜峡を過ぎ、水流を浴びた後、暫くで広い河原状の穏やかな流れになります。気が抜けないところも有るが、十字峡が近づいてくると樹林帯の道になり、沢の音が近づいてくる。十字峡だ!(11:55)十字峡の吊り橋からは涼しい風が流れ気持ちいい。吊り橋を渡った後は再び谷は深く険しくなり一気に高度感の有る水平歩道を歩くことになります。足元から沢床までスパッと垂直に切れ落ちた断崖絶壁にビビりながら歩きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/bb/fedbff3c2bc5841cf8bbb953cbd34ab4.jpg)
十字峡に着きました。自然の造形に感動。この後、渓谷は狭まり、歩くところも高くなりだします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/d0/09bab03f1627191d0a27399398299186.jpg)
一気に高度感が増し、足元の渓谷を見るとビビってしまうので、慎重に渡ります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ee/5bd5b8ad327fa924bbe3ad1c260152c8.jpg)
よくもまぁ、こんな所に道が有るもんだと。 全く足の置けないところは木材と番線で急拵えで作ってあります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/77/d4a19d84ff4ebe2444d0333fabf53ad2.jpg)
足元は片足が乗る程度のところもあります。番線を握り慎重に。
断崖絶壁の気の許すことのできないところを歩くが、半月峡の流れに緊張の続く道を歩いてきただけに一瞬だけ気も和らぐ。ほんと一瞬だけね。
そしてS字峡の緩やかなカーブの流れを見ると、山の中にふと現れた人工物!そう黒四地下発電所の送電線口が見えてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/e2/1bab15204e828d9eeee7a72ffa8f0d5b.jpg)
半月峡の流れ。写真では伝わらない。とても美しい流れでした(12:45)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d3/1ff559e31e39c38f8bc9af0fb91182f4.jpg)
黒四ダムの地下発電所からの送電線。不気味な音が出てます。 道を下ると東谷吊り橋です。渡った後は作業道を歩き仙人ダムへ
送電線口が目の前に出てくると、登山道を一気に下り吊り橋を渡り対岸に移ります。砂利の車道を歩き仙人ダム(黒三ダム)へ。緊張も解かれのんびり二人で他愛(口喧嘩したりと)ない会話でダムに到着(13:40)。掲げられた標識に従い、ダム堤頂を歩き構内に入る。ダム放流口からの高度感さながら、上流は堆砂の多さに驚く。もうすぐダムは砂で埋まってしまうのでは!?と実感。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/59/cfe2d89eab4640fd440f139b520f63d7.jpg)
仙人ダム(黒三ダム)の構内を歩きます。 仙人ダムの提端から見下ろす。黒四よりも当時の技術で作られたダムに感動
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仙人ダムを越え、トンネルを歩くと…熱気と硫化水素が立ち込めるトロッコの線路と交差します。ここが高熱隧道だ!!感動!!!(13:55)
ダムの左岸に設けられた坑内(トンネル)に入り歩くと、熱風と硫化水素の臭いがする。そして…高熱隧道の線路と交差する。そう、これが高熱隧道だ!(当時とは若干違うけど)下ノ廊下に来たもう一つの目的はこの場に立つことだった。ボクが吉村昭の小説を全巻読破するきっかけとなった小説「高熱隧道」の舞台である。地下線路沿いに熱い気流が流れ汗ばむ。目頭が熱くなると同時に、従事した作業員、そして殉職された方々に対し感謝の気持ちを捧げると同時に合掌し慰霊した。大東亜戦争中の日本の軍需物資製造のための電源開発の為に従事した人々の残した遺産だが、現在もこれらから生み出される電気を我々は享受しているのだ。改めてボク達の先祖がこの日本に残した遺産に対する感謝の気持ちを忘れてはいけないと実感した。(詳しくは小説を読んでみてください)
この後は、関電人見宿舎を過ぎ、再び高熱隧道尾根を越え阿曽原温泉に向かう。
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関電宿舎を過ぎ、阿曽原温泉向け尾根を越えます。疲れた体に登りで権現峠。ここから下って温泉へ(14:25) 阿曽原温泉着(14:50)
阿曽原温泉に到着し、主人にテント場の受付をする。今年は中国武漢ウイルス感染予防の為、小屋泊り営業はせずテント泊のみであるため、人が少ない。平日もあってか、7~8張り程度のテントしか幕営されておらず閑散としている。小屋もビール(500㏄800円)のみ販売している。早速テントを設営してひと息入れ、露天風呂にGO!!付属されている石鹸で体を洗いリフレッシュ、そして疲れを癒すことが出来た。その後カミさんも入り、ビールで乾杯(カミさんはチューハイ→500㏄3本は担ぎ上げました)
気さくな小屋の主に阿曽原温泉のことを色々教えてもらいました。そして「高熱隧道」の舞台だったトンネルがすぐそこに有り、そのズリ出しで埋め立てられたのが今のテント場だということ。そして掘削時に高熱の岩盤を冷却するとき汲み上げられた水源の沢とか色々興味深い歴史の話に感動しきり!是非このコースを歩かれる方は吉村昭 著の「高熱隧道」を読んでから来てもらいたい。日本の電源開発に携わった人々の血と汗と涙の片鱗を感じずには居られないだろう。
外で晩飯食った後は、山の日没の余韻を楽しみ、テントの中に入ってウイスキー飲んで寝る。
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身体を洗い(石鹸OK)温泉に浸かりました。気持ちよかった!! 高熱隧道の現場入り口(現在は使われていません)
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カミさんが温泉から上がった後は宴会!!(小屋での販売はビールのみです) 翌朝4時起床(5:40キャンプ地を後にします)
夜、寝ているときに地震が有った。過去に地震で登山道が崩壊したと聞いたが、揺れは弱く大丈夫だろう。翌朝4:00起床しα米とカレーを食べた後はテントを撤収し出発準備。段々と空が明るくなりだし、薄暗の中5:40快適だった幕営地を出発する。
最初は登山道を登り、直ぐに、断崖絶壁コースになる。
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阿曽原温泉から再び尾根を登りスリリングなコースへ! オリオ大滝で水を汲みます。
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谷に作られた堰堤状のトンネルを潜るところも そして再び高度感ある断崖絶壁コース!感覚が狂ってきました(^^)/
昨日と変わらない高度感の有る道・・・今日も天気が良い。スラブの絶壁に作られた道であるため、所々頭上から水が落ちてくるところが有る。雨が降った日なら凄いことになるだろうし、滑りやすくなり難易度も上がるだろうなと思い進む。
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奥鐘山!「高熱隧道」読んだ人ならこの山の意味が分かる。RC造の飯場が志合谷からの泡雪崩で吹っ飛んだ現場!
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突き抜ける高度感!こんなところで雨に遭ったら怖い!
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大太鼓!よくぞ刳り貫いたと思うし、感謝して通ります。(8:00)
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志合谷!急峻な谷!ここで泡雪崩が発生したのか・・・確かに冬は凄いことになるだろうなぁ。
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志合谷入り口。長い長いトンネル 素掘りのトンネル!息が白くなるほど寒く、足元は水が流れてます。
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志合谷を出た後、歩いてきた道(志合谷右岸)を振り返る
志合谷の両岸とも発達した急峻なスラブ。そこを削って作られた道…。感謝しながら進むとトンネルが。こんなところに岩を削って道を作ったとしても落石や雪崩で直ぐぶっ壊れるんだろう。長い両岸にかけU字状に穿たれた素掘りのトンネルを進む。
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そのあとも、トンネル数か所在りました(ヘッデン不要) まだまだ続く。毛勝三山の展望台に10:00到着
欅平のトロッコの汽笛やアナウンスが徐々に聞こえ出し、下界に近づいてきた感が湧いてくる。861mの展望台に10:00到着。ここから激下り!あっという間に10:20欅平に到着。ここで観光案内所とかを散策し、トロッコの出発を待つ。出発の寸前にビールを購入し、トロッコに揺られながら景色を堪能。物見遊山しながら宇奈月温泉に到着。
そういえば・・・23年前、途中の猫又駅で下車して猫又谷を遡行したなぁと懐かしくなった。あの時は沢で豪雨に遭い、ずぶ濡れでビバークし、増水し靴下とか装備を流された事が懐かしい。その後、不帰避難小屋に泊り下山して祖母谷で河原を掘って湯に浸かったなぁ。
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奥鐘山の向こう側に後立山が見え出す。白馬~唐松~五竜が望めた。 欅平でのんびり観光気分に浸りつつマスクを装着
11:04発宇奈月温泉のトロッコに乗車し物見遊山で12:20頃に到着。日帰り温泉に浸かり汗と疲労を流し、カミさんのボルボを駐車場で受け取りお土産買ったりしながら、カミさんの運転でのんびり高速道路で帰宅しました。
「黒部に怪我無し」という格言が有る。これは黒部川(下ノ廊下)では怪我では済まされない。死ぬということだ。(下ノ廊下は9月下旬から11月初旬までの約2ヶ月の間入ることが出来、昨年は5名、今年は既に1名の尊い命が犠牲に成りました)その通り、ちょっとした事で転落死すると実感。今回は条件が良く無事帰ってこられた。そしてまたカミさんとも一つ良い思ひ出を作ることが出来きた。
職場の夏休みがやっととれたので、カミさんにも有給休暇を取ってもらい、平日ヒマ人の二人で行ってきました。
28日(月)19時に自宅発~扇沢23時着。カミさんの車でビール飲んで車中泊。翌朝5時起床し6:30車を回送サービスの係員に渡します。この回送により、30日の宇奈月温泉で車を受け取ります(27000円)。扇沢駅発黒部ダムの始発に乗るため7:00には並び7:30の始発に乗ってダムへ。「黒部の太陽」でもおなじみの破砕帯を通過。そしてダム駅7:50に到着。ついでにダムの堤頂まで足を延ばしました。引き返し登山者出口(カレ谷出口)から外に出ます(8:00)。登山道を下り、木橋を渡ると観光放流中の黒部ダム!迫力が有りました。
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出発前に、黒部ダムの天端で高さを提高186mを堪能。今からこれよりも高いところを歩く下の廊下はどんなもんだろう!?
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扇沢駅で始発のバスを待ちます。(7:30発) 昔はトロリーバスだったけど今はバッテリーで走ります。
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バスに降りた後、ダムに向かいました。 ダムから引き返し、登山者専用通路を歩き、ダム下への登山道を歩きます
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ダム下に降りた後、仰ぎ見る立山!空が青い!!(8:00)
今週は天気が安定し2日間は天気良好との予報。下ノ廊下も良いけど、北アルプス縦走も良いだろうなぁと思いつつ、今から始まる絶叫・絶景に期待を馳せ
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まず、黒部川を渡渉すると… 観光放水していました。でかいダムだと再認識
丸山基部の岸壁を進みます。さほど悪場もなく登山道を下るといった感じ。朝の空気が清々しい。沢沿いを歩くのはヤッパシ気持ちがいい。
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最初は登山道を歩くと徐々に左岸に作られた岩を削り作られた道が現れます。高度感はまだ大丈夫
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徐々に難易度が上がってきます。整備してくれた国、関電に感謝
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内蔵助谷の出合。ここでヘルメット着装(8:50) 右岸には新越の滝。秀麗な滝です。
内蔵助谷を越えると徐々に道幅は狭く「落ちたら死ぬ」感が強くなります。でもまだ序の口です。左には黒部の魔神「大タテガビン」
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「屏風岩の大へつり」左岸に作られた心もとない道を進みます。写真撮るときは注意が必要!ザックを岩に当て反動で落ちないように!!
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別山谷手前のアスレチックコース!梯子で大高巻き。降り立って見に行くと大崩壊しそうな道だったので作られたようです
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どこまでも続く危ない道!気が抜けない。
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別山谷でやっと一息。行動食を摂る(10:30) まだまだ…。アドベンチャー!
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徐々に慣れてきた細い道。高度感はまだまだ!!
別山谷を過ぎると谷は狭まり、白く泡立つ流れと、深く蒼味がかった淵や瀞。ここが白竜峡だ。写真をとったり流れを眺めたりと、その風情を二人で満喫する。
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白竜峡です。何となく綺麗な感じ。(11:05)
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穏やかな流れの黒部川だけど、徐々に幅は狭くなります 水流を浴びながら…
白竜峡を過ぎ、水流を浴びた後、暫くで広い河原状の穏やかな流れになります。気が抜けないところも有るが、十字峡が近づいてくると樹林帯の道になり、沢の音が近づいてくる。十字峡だ!(11:55)十字峡の吊り橋からは涼しい風が流れ気持ちいい。吊り橋を渡った後は再び谷は深く険しくなり一気に高度感の有る水平歩道を歩くことになります。足元から沢床までスパッと垂直に切れ落ちた断崖絶壁にビビりながら歩きます。
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十字峡に着きました。自然の造形に感動。この後、渓谷は狭まり、歩くところも高くなりだします。
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一気に高度感が増し、足元の渓谷を見るとビビってしまうので、慎重に渡ります
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よくもまぁ、こんな所に道が有るもんだと。 全く足の置けないところは木材と番線で急拵えで作ってあります
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足元は片足が乗る程度のところもあります。番線を握り慎重に。
断崖絶壁の気の許すことのできないところを歩くが、半月峡の流れに緊張の続く道を歩いてきただけに一瞬だけ気も和らぐ。ほんと一瞬だけね。
そしてS字峡の緩やかなカーブの流れを見ると、山の中にふと現れた人工物!そう黒四地下発電所の送電線口が見えてきた。
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半月峡の流れ。写真では伝わらない。とても美しい流れでした(12:45)
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黒四ダムの地下発電所からの送電線。不気味な音が出てます。 道を下ると東谷吊り橋です。渡った後は作業道を歩き仙人ダムへ
送電線口が目の前に出てくると、登山道を一気に下り吊り橋を渡り対岸に移ります。砂利の車道を歩き仙人ダム(黒三ダム)へ。緊張も解かれのんびり二人で他愛(口喧嘩したりと)ない会話でダムに到着(13:40)。掲げられた標識に従い、ダム堤頂を歩き構内に入る。ダム放流口からの高度感さながら、上流は堆砂の多さに驚く。もうすぐダムは砂で埋まってしまうのでは!?と実感。
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仙人ダム(黒三ダム)の構内を歩きます。 仙人ダムの提端から見下ろす。黒四よりも当時の技術で作られたダムに感動
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仙人ダムを越え、トンネルを歩くと…熱気と硫化水素が立ち込めるトロッコの線路と交差します。ここが高熱隧道だ!!感動!!!(13:55)
ダムの左岸に設けられた坑内(トンネル)に入り歩くと、熱風と硫化水素の臭いがする。そして…高熱隧道の線路と交差する。そう、これが高熱隧道だ!(当時とは若干違うけど)下ノ廊下に来たもう一つの目的はこの場に立つことだった。ボクが吉村昭の小説を全巻読破するきっかけとなった小説「高熱隧道」の舞台である。地下線路沿いに熱い気流が流れ汗ばむ。目頭が熱くなると同時に、従事した作業員、そして殉職された方々に対し感謝の気持ちを捧げると同時に合掌し慰霊した。大東亜戦争中の日本の軍需物資製造のための電源開発の為に従事した人々の残した遺産だが、現在もこれらから生み出される電気を我々は享受しているのだ。改めてボク達の先祖がこの日本に残した遺産に対する感謝の気持ちを忘れてはいけないと実感した。(詳しくは小説を読んでみてください)
この後は、関電人見宿舎を過ぎ、再び高熱隧道尾根を越え阿曽原温泉に向かう。
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関電宿舎を過ぎ、阿曽原温泉向け尾根を越えます。疲れた体に登りで権現峠。ここから下って温泉へ(14:25) 阿曽原温泉着(14:50)
阿曽原温泉に到着し、主人にテント場の受付をする。今年は中国武漢ウイルス感染予防の為、小屋泊り営業はせずテント泊のみであるため、人が少ない。平日もあってか、7~8張り程度のテントしか幕営されておらず閑散としている。小屋もビール(500㏄800円)のみ販売している。早速テントを設営してひと息入れ、露天風呂にGO!!付属されている石鹸で体を洗いリフレッシュ、そして疲れを癒すことが出来た。その後カミさんも入り、ビールで乾杯(カミさんはチューハイ→500㏄3本は担ぎ上げました)
気さくな小屋の主に阿曽原温泉のことを色々教えてもらいました。そして「高熱隧道」の舞台だったトンネルがすぐそこに有り、そのズリ出しで埋め立てられたのが今のテント場だということ。そして掘削時に高熱の岩盤を冷却するとき汲み上げられた水源の沢とか色々興味深い歴史の話に感動しきり!是非このコースを歩かれる方は吉村昭 著の「高熱隧道」を読んでから来てもらいたい。日本の電源開発に携わった人々の血と汗と涙の片鱗を感じずには居られないだろう。
外で晩飯食った後は、山の日没の余韻を楽しみ、テントの中に入ってウイスキー飲んで寝る。
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身体を洗い(石鹸OK)温泉に浸かりました。気持ちよかった!! 高熱隧道の現場入り口(現在は使われていません)
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カミさんが温泉から上がった後は宴会!!(小屋での販売はビールのみです) 翌朝4時起床(5:40キャンプ地を後にします)
夜、寝ているときに地震が有った。過去に地震で登山道が崩壊したと聞いたが、揺れは弱く大丈夫だろう。翌朝4:00起床しα米とカレーを食べた後はテントを撤収し出発準備。段々と空が明るくなりだし、薄暗の中5:40快適だった幕営地を出発する。
最初は登山道を登り、直ぐに、断崖絶壁コースになる。
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阿曽原温泉から再び尾根を登りスリリングなコースへ! オリオ大滝で水を汲みます。
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谷に作られた堰堤状のトンネルを潜るところも そして再び高度感ある断崖絶壁コース!感覚が狂ってきました(^^)/
昨日と変わらない高度感の有る道・・・今日も天気が良い。スラブの絶壁に作られた道であるため、所々頭上から水が落ちてくるところが有る。雨が降った日なら凄いことになるだろうし、滑りやすくなり難易度も上がるだろうなと思い進む。
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奥鐘山!「高熱隧道」読んだ人ならこの山の意味が分かる。RC造の飯場が志合谷からの泡雪崩で吹っ飛んだ現場!
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突き抜ける高度感!こんなところで雨に遭ったら怖い!
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大太鼓!よくぞ刳り貫いたと思うし、感謝して通ります。(8:00)
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志合谷!急峻な谷!ここで泡雪崩が発生したのか・・・確かに冬は凄いことになるだろうなぁ。
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志合谷入り口。長い長いトンネル 素掘りのトンネル!息が白くなるほど寒く、足元は水が流れてます。
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志合谷を出た後、歩いてきた道(志合谷右岸)を振り返る
志合谷の両岸とも発達した急峻なスラブ。そこを削って作られた道…。感謝しながら進むとトンネルが。こんなところに岩を削って道を作ったとしても落石や雪崩で直ぐぶっ壊れるんだろう。長い両岸にかけU字状に穿たれた素掘りのトンネルを進む。
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そのあとも、トンネル数か所在りました(ヘッデン不要) まだまだ続く。毛勝三山の展望台に10:00到着
欅平のトロッコの汽笛やアナウンスが徐々に聞こえ出し、下界に近づいてきた感が湧いてくる。861mの展望台に10:00到着。ここから激下り!あっという間に10:20欅平に到着。ここで観光案内所とかを散策し、トロッコの出発を待つ。出発の寸前にビールを購入し、トロッコに揺られながら景色を堪能。物見遊山しながら宇奈月温泉に到着。
そういえば・・・23年前、途中の猫又駅で下車して猫又谷を遡行したなぁと懐かしくなった。あの時は沢で豪雨に遭い、ずぶ濡れでビバークし、増水し靴下とか装備を流された事が懐かしい。その後、不帰避難小屋に泊り下山して祖母谷で河原を掘って湯に浸かったなぁ。
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奥鐘山の向こう側に後立山が見え出す。白馬~唐松~五竜が望めた。 欅平でのんびり観光気分に浸りつつマスクを装着
11:04発宇奈月温泉のトロッコに乗車し物見遊山で12:20頃に到着。日帰り温泉に浸かり汗と疲労を流し、カミさんのボルボを駐車場で受け取りお土産買ったりしながら、カミさんの運転でのんびり高速道路で帰宅しました。
「黒部に怪我無し」という格言が有る。これは黒部川(下ノ廊下)では怪我では済まされない。死ぬということだ。(下ノ廊下は9月下旬から11月初旬までの約2ヶ月の間入ることが出来、昨年は5名、今年は既に1名の尊い命が犠牲に成りました)その通り、ちょっとした事で転落死すると実感。今回は条件が良く無事帰ってこられた。そしてまたカミさんとも一つ良い思ひ出を作ることが出来きた。