山ヤのゲンゴロウ

山登りと自転車、ログハウスなど趣味にいつて

事故報告 山スキーにて滑落し負傷する

2019年04月17日 | 山スキー!H31
今日は、いつもの平日ヒマ人のM井さんとボクとで山スキーに行ってきました。
行先は…別山です。ここで事故りました。今、こうして顛末を報告でき、悲惨な目に遭いましたが帰って来れて本当に嬉しく、全てのものに感謝です。


 現場の状況!別山谷にて滑落…(スマホで撮った写真)

朝、いつもの様に風嵐ゲートから入り市ノ瀬に到着。チブリ尾根経由で別山を目指します。天気は良好でチブリ尾根避難小屋8:35に到着風が出てくる。そして普段使わないスキーアイゼンを装着し御舎利目指し、一部氷化した斜面を慎重に登り詰め、10:20御舎利到着、そして10:40別山到着

昼食をとりつつ雪が緩むのを待つこと11:28別山と御舎利のコルから「別山谷」に向けエントリー。

最初の1ターンでエッジが効かず滑落する。足を下方向にし落ちてゆく。ウィペッドを雪面に刺し制動を試みるが雪は固く効かない。段々加速していく…
雪面に出ている木(這松か何か)に一度激突し止まるか!?と思ったが、弾き飛ばされ更に落ちていく…。頭が上だったか下になっていたかよくわからない。約50m滑落し、次は比較的大きな木に当たり止まった…。

この50mの距離…あっという間だったが、ボクとしては何だか長い時間に感じつつ、変なことを考えていた。今までの人生の事、明日仕事休まないといけないなぁとか、色々考えていた。そして不思議に思ったのは、ものすごく速い速度で落ちていくのだが悲壮感は感じず、自分で成すすべもなく後は天に任せるしかないなといった事を、その瞬間で考えていたことだ。

激痛が身体を襲い、周りの景色が一時停止した瞬間、止まったと思い、意外に冷静だった。瞬間我に帰り、自分自身で「落ち着け…落ち着け…」と言い聞かせ、これ以上落ちないよう身体の安定化を図る。

ストック2本は手袋もろとも飛ばされ、ふと血の味がしたのでどこから出血しているのかと思い左手を見ると手のひらに血液が滲んでいる。指先が冷たいので見てみると小指から中指まで3か所爪が剥けていた。痛みは感じず、末梢の冷たさを感じる。右頬からも出血していた。

上方を見上げるとM井さんが何か声をかけている。「大丈夫!」と言い再び怪我しているところを探す。

こういう時ってアドレナリンが分泌され痛みを感じないのか、我慢できる痛み。全身打撲の状態で、左わき腹が痛く呼吸するたびに痛む。そして右膝(服を脱ぐと挫創だった)、右足首の打撲、右前腕の擦過傷、左手甲部の打撲、擦過傷、左上腕の打撲、右臀部の打撲、頚椎の痛み等色んな所が痛んだ。(後に家に帰って恐る恐る服を脱ぐと全身至る所に打撲痕が有った)
ザックも裂け、服も破けましたが、裂傷を負わずある意味ラッキーでした。そしてヘルメット着用の意義も実感。(頚椎捻挫だけど頭を守れた)

ストックは上方、下方に吹っ飛んでおりM井さんに回収してもらう。M井さんに声をかけてもらい我に返る。2050m地点へ向け横ズリで慎重に下り、漸く雪も緩みだしたので、ここから1830m地点へ向け滑り、シールを貼ってチブリ避難小屋へ登り返した。

今回の事故をうけ、本当に怖い目に遭ったし、無事山を下りることが出来安堵しているところです。今まで山での事故は他人事の様に考えており、仕事がら普段から救助する立場のボクとしては色々考えさせられた。
昔、12月の富士山で目の前を滑落し落ちていく人を3回見ている(うち2名死亡)傾斜的には富士山よりも急勾配だった別山谷、ぼくもそうなっていたかもしれない。

山岳会の皆さんには事故の連絡を受け、初動の対応を取って頂き、出動することにはなりませんでしたが、本当にありがとうございました。今後気を付けるのはもちろん、皆にこの経験、教訓をフィードバックしていこうと思います。そして最近、調子に乗っていたので、今後は更に謙虚に山に向き合いたいと思います。
今週末も山に行こうと思っていましたが、2週間ほど治療に専念し、また山に戻りたいと思います。
基本、昼行燈のボクですが、最近調子に乗っていたことを反省…今後も昼行燈スタイルで山に行きます!

でも、昔、沢登りで遡行した別山谷を滑れたので、これはこれで良かった。次は井谷か!?

 チブリ尾根から見上げる別山谷!これを見たら行くっきゃないと思うのは山スキー屋さんなら当然か!?


 別山山頂にて記念撮影!白山が美しいです!


 山頂祠でいつもの糖質0ラーメン!今日もケトン体エンジン全開でした。

高校山岳部の時から今までずっと登り続け、大好きな白山。こんな目に遭ったけど白山に対する思いは昔と変わらない。今までの人生で色んな楽しい思ひ出を演出してくれた白山。ボクの郷土の守り神の白山。今日は本当に痛かったけど、また行くぞ!!
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8 コメント

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不幸中の幸いでしたね (cima)
2019-04-17 20:06:14
大事に至らなくてよかったですね。
事故の日に記録をアップするとは、ゲンゴロウさんならでは、超人的です。
谷間だったから、日陰で雪が硬かったのですかね?
不幸中の幸いですが… (ゲンゴロウ)
2019-04-17 20:53:26
cimaさんご無沙汰してます。
山では、何となく全身が痛く、テレマークして避難小屋に登り返し下山しましたが、今、全身(特に右脚股関節周辺)が痛くロボットみたいに不自然な動きをしています。とりあえずビール飲んで少し酔っぱらって痛みを忘れています。
ですが、身体に負った鋭的(擦過傷や挫創)よりも鈍的な痛みが強く、今後が心配です。
あの斜面をテレマークで突っ込んでいった事を少し後悔しています。
別山谷は出だしの急斜面は日が当たらず氷化してました。その後は緩んでいて快適でした。
GWは良いんじゃないかな!?(落石で板が傷つくかも)
心配して頂きありがとうございます。ビール飲んで治します(笑)…でも痛い…特に右脚と爪剥がれたところ…
Unknown (S田)
2019-04-17 21:17:42
お疲れ様でした。
無事に下山できて一安心です。
今は治療に専念して、また山スキー行きましょう!そしてトレイルも走りましょう。
Unknown (やまやまお)
2019-04-17 21:19:32
山中からアップされたigを見て驚きました。
無事にご自宅に戻られたということで安心しております。

事故の状況を読ませてもらいました。
一瞬の出来事で事故に遭ってしまうんですよね💦
明日は我が身と思い、残りの山スキーシーズン、気を引き締めて楽しまないと!と、思わせてもらいましたm(_ _)m

一日も早い復帰を願っております(^人^)
ありがとう! (ゲンゴロウ)
2019-04-17 21:21:47
最初、ダメかもと思ってましたが、アドレナリンのお蔭か下山できました。
今は、激痛に喘いでいます。
治ったら山スキーにトレランに頑張るつもり。
ロキソニン常用するかも。
身体中湿布貼りまくり (ゲンゴロウ)
2019-04-17 21:25:46
やまやまおさんお久しぶりです
この時期、谷は落石無く快適に行けると甘い考えで突っ込んでいった代償です。
昼行燈のボクですが、つい魔が差しました。
でも、どんな斜面でもテレマークで頑張るぞ!といった気持ちが今回の事故で更に強くなりました。
また一緒にテレテレしましょうね!(痛い…)
Unknown (yoshi)
2019-04-18 21:05:15
心配しました…テレマークでここにエントリーしたのは先にいないのでは?読むからに痛そうです!
お大事にしてください。
別山谷下部は快適! (ゲンゴロウ)
2019-04-19 11:33:53
yoshiさんこんにちは。
出だしの氷化した斜面をテレマークで攻めてみたのが失敗でした。スキーは2シーズン目でエッジは効いていたのですが、ヤッパシ…テクニックですね。
今日、整形外科で診てもらったら肋骨が折れてました!

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