前日、7時間がかりの橈骨尺骨骨折の手術をしたのだそうだ。
それで、予定の手術が翌日に延ばされていた。
そんな朝、分娩後3日目の繁殖雌馬が不調で腹水が採れた、との依頼。
もう70の獣医さんなのだが、たいしたものだ。
ちゃんと初診でほぼ確定診断をつけてくる。
(若い獣医さんたち、しっかりしろよ;笑)
すぐ来てもらって、予定の関節鏡手術が終わってからやることにする。
馬運車から降りて歩いてくるのを観ていると、子馬は飛び跳ねながら、母馬は頭が下がりトボトボと。
PCV57%、WBC9800/μl。
牧場で採った腹水を持たせてくれたので検査すると、白血球数74880/μl。
フリーの細菌はほとんどないが、貪食像があり、好中球多数。
腹膜炎が極度に重度とは思えないが、脱水がひどい。
子宮内の触診で左子宮角の穿孔が確認された。
腹腔ドレナージをして、開腹手術まで持続点滴を始めた。
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関節鏡手術が終わった馬があっちで寝ている。
手術室では子宮穿孔修復と腹腔洗浄の開腹手術を始めた。
開腹手術が始まったら、倒馬室では子馬の肢軸異常の手術を始める。
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私は開腹手術担当。
子宮角先端の閉鎖は楽勝。
どういう訳か痩せた馬だし、腹圧も高くないので腹腔洗浄も楽だった。
母馬は1時間あまり寝ていて、落ち着いてゆっくり立ち上がった。
入院厩舎へ入れたら水を飲んで、食欲もある。
乳は出ていない。子馬が何度も吸いに行く。
子馬は哺乳ビンでミルクをガブガブ飲む。よほど腹が減っていたのだ。
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腹水からはE.coli が分離された。
なるほど、それでエンドトキシン血症の症状が強いわけだ。
翌朝は体温39.1℃。
腹水はかなりの量が溜まっていた。
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その午後から体温は平熱になった。血液検査所見も改善された。
翌朝、抗生物質感受性検査の結果が出た。
カナマイシンはダメ。セフチオフル(エクセネル)は大丈夫。
全身投与はエンロフロキサシンに替えた。
腹腔ドレインは、腹腔洗浄して、セフチオフルを入れて抜去した。
退院だ。
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きみたちは元気でいいね
全身状態と子馬の観察、抗生物質の感受性検査の実施と薬剤選定
Nippon AMR One Health Reportが1月にでていました。今朝はそれを復習。どこかにだれかがグラフにしていました。NIIDのサイトにあったかなぁ
オラ君へのキャプション2連発から浮かびかけけは消える歌「だれかが風の中で」確定(?)まで3日もかかるなんて
フルコーラスご存じの方は高齢の部類と自任してよいと思います。
先生方もたまには健康な馬に会うのがいいと思います。
老若男女、今日も良い日になりますように。
事故馬ばかりみていると健康っていいな、と思います。