速足で乗っている程度でもゼーゼーヒューヒュー鳴って、苦しくなるようだった。
「大学の外科の教授に処方してもらった薬を与えていて、少し楽なようだ」とも聞いたが、今にして思えば、神経麻痺による喘鳴症が投薬で楽になるはずはない。
芦毛の細身で小柄な雌馬で、1、2度乗せて貰ったが、反動が柔らかい馬だった。
しかし、気性が悪いところがあり、人を乗せたくない時には馬房の中で尻を向けて来て、つかませなくなる馬だった。
喘鳴症のせいで、運動させられると苦しいのでそうだったのかもしれない。本来はおとなしい馬だった。
あの喉鳴りでは乗馬も長く続けられなかっただろう。
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深呼吸させても、左の披裂軟骨は外転しない。
神経が麻痺して動かなくなっている。
こういう喉頭片麻痺の馬は、強い運動中には左写真のように左披裂軟骨が虚脱を起こして、気道を閉塞させる。
こうなると馬は苦しくて止まってしまう。
この喉頭片麻痺による喘鳴症の外科治療としての喉頭形成術 Tieback についてはこの次。
すごい馬ですね。障害を飛ぶのが好き。という馬はいるようですね。馬場へ放牧すると、馬が自分で障害を飛んだのを見たことがあります。