馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

1歳馬の回盲部重積

2019-01-15 | 急性腹症

朝、疝痛の依頼の電話があった。はずだと、電話。

職場支給のガラケーがスマホに替わったのだが、使い方、設定がようわからん;笑

家でも胸ポケットに入れていたのだけど、音量やバイブの設定が小さかったのかもしれない。

電話をかけなおすのだけど・・・・電話のかけ方もようわからん;笑

          ー

前日夕方から疝痛を起こしていたという1歳馬。

それでも無事(?)来院することになった。

来て小腸の完全膨満を超音波検査で確認。

PCV45%、乳酸2.9mmol/l。

もう開けなければならない。

         ー

明け1歳馬が痛みがひどくはないが、小腸が膨満しているとしたら、推定診断の第一は回盲部重積だ。

開腹手術したら予想どおり回盲部重積。

しかし、よくある例とちがって盲腸内へ回腸が数十センチ入り込んでいる。

抜けてこないとやっかいだが・・・・・

ひっぱって無理矢理引き出した。

途中で引きちぎれそうになって危なかった。

小腸全体の膨満もかなり。

回腸を切断し、先に吻側の内容を捨てる。

そうしないと邪魔になって、回腸を閉じにくい。

回腸は腫れ上がっていて内反させて閉じるのに苦労した。

あとは、空腸を盲腸へ端側吻合し、腸間膜を縫い付けて穴を閉じた。

           ////////

さて、そろそろ恒例の全国公営競馬獣医師協会の研修です。

新しい講師先生もいます。

私のパートの骨折内固定では、要望があれば子牛のプレート固定もやりたいと思います。

牛の先生もよろしければどうぞ。

            ー

相棒は爪切りを嫌がってガラスを割ってしまった。

叱らないんだけど、シュンとしていた。

しでかしたことをわかるようだ;泣笑

 

 



8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (piebald)
2019-01-15 10:56:37
さすが大型犬ですね。チワワではありえません。
ポニーばかり相手にしてると、普通の馬の威力を確認忘れてしまうのと同じですね。
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2012年までさかのぼって (maru)
2019-01-15 17:03:40
はじめまして。馬主です。
昨年10月くらいから足掛け3か月、2012年までさかのぼってブログを見てきました。獣医さんではありませんが、馬獣医学の進歩、駆虫の話や症状の出方、ケースによっては予後の話まで。勉強になります。貴重な記録を書き続けて頂いております。御礼申し上げます。
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Unknown (はとぽっけ)
2019-01-15 18:52:16
 適当にウニャウニャ動いているようで、いざ再現性のある腸管重積を人為的発生させようとすれば、できない。でも、治せるんだからいいか!
 オラ君、でも爪切りを嫌がったためとは思ってないんでしょ?そこわかるように教えられそうですか?怪我はしなかったでしょか?
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>piebaldさん (hig)
2019-01-16 05:44:46
すごいパワーです。硬いものや重いものを当てる、とかじゃなくて、体でぶつかってガラスを割るとは思いませんでした。
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>maruさん (hig)
2019-01-16 05:51:53
古い記事まで読んでいただいてありがとうございます。書いているかいがあります。

右上の「記事を書く」は検索としても使えますので、病名などを入れて、「このブログ内で」としていただければ、その病名が入った過去記事を検索できます。
あるいは、左のカテゴリーで選んでいただくとその病類の記事が並びますので、そういった利用の仕方もあります。
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>はとぽっけさん (hig)
2019-01-16 05:57:02
なんでもない腸管を重積させようとか、纏絡させようとしてもできません。今回の症例は葉状条虫症だと考えています。回盲部が腫れて、それを盲腸が飲み込んだのです。

爪きりは道具を見ただけで挙動不審になります。蹴爪だけは伸びすぎるので切ってやらないとなりません。半年に一回もやらないんですけど・・・
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Unknown (maru)
2019-01-16 15:20:55
使い方をありがとうございます。今後も楽しみにしております。
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>maruさん (hig)
2019-01-18 06:10:33
このブログは2006年から書き始めました。よろしければ、時間があるときに「むかし」も覗いてみて下さい。
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