午前中、6歳競走馬の繋靱帯炎のトリミング手術。
左右両前の内側繋靱帯だった。
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7歳繁殖牝馬の疝痛の依頼。
分娩4日後。
PCV39%、乳酸1.9mmol/l。
超音波で、結腸壁は厚いかな?と思う部分もあるが、右背側結腸ははっきり正常。
直腸検査しても、腹圧も高くなく、結腸の膨満も触れない。
来院しても痛かったが、検査のために投与した鎮静剤が切れて痛くなるのを待ってみることにした。
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入院厩舎でまた痛くなった。
そして、別な疝痛症例の依頼も来た。
「開腹しましょう。様子観てると順番抜かしされるから;笑」
開けてみたら・・・
なんと小腸がひどいことになっていた。
空腸の腸間膜に孔が開いて、空腸以下から回腸が入りこんで絞扼されていた。
様子を観ている場合じゃなかったのだ。
しかし、浮腫を起こし、点状出血がある部分も盛んに蠕動を始めた。
これなら、完全壊死した部分と、斑状に出血した部分だけを切除・吻合すれば大丈夫だろう。
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この開腹手術中に来院した疝痛の2歳馬も開腹手術になった。
結腸左背側変位。
脾臓にひっかかった結腸を外すだけで手術終了。
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その手術が終わる頃、また舌小帯を損傷した2歳馬の依頼。
「はい、じゃあ来てください」
私は先に引き上げる。
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前日まで実習に来ていた学生は、
「急患ってこんなに来るもんなんですか?!」
と驚いていたそうだ。
・「ここは救命救急だからね」
・「急患も当たり前に毎日来るなら緊急事態じゃないよ」
・「大丈夫、慣れれば対応できる」
さて、インターンシップのmentor としてどんな回答をすべきでしょうか?
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”幸福はあなたに合った形を探す過程の中にある。
この過程には、正しいも、間違いも、ゴールもない。
あらゆる性質はちがった姿をしており、あらゆる姿はちがった性質を持っているから。
あなたにとって完璧な形をみつけることは決してできないのかもしれない”
だから・・・それを探す過程の幸福は永遠に続く、って言いたいのかな。
あー、なんて羨ましい・・・
この季節、トリアージ、診断、順番決め、がとても大事になります。
いつも来るなら救急病棟が成立するのでしょうけれども、そうでないから後回しにしてもいい様な患者が混在するので、そこを上手く回せるコーディネーターがいないと破綻しますね。
どうでもいいことに執着して急かす中の人なんてのも組織の中では結構なシコリです。
昨夏は長かったので梨の実も期待したのですが、アナグマが幹を這い上がりあらかた食い尽くし残ったのは剪定こぼれた長い枝の先にぶら下がった一個。
台風来なかったのが幸運。
結果につながるどこかで見たような一本道のような症例報告やカルテも見ますが、ホンマかいな思いますね。
クライアントさんも皆さんネットスマホで勉強されますけれど、そうならないのが不思議でしょうがないでしょうね。
枝葉の多い外科仕事でプロセス楽しむことに甘んじられてはたまらないだろうなと思います。
摘果をきちんとして、残る数個に期待する、ここは観ていても大層楽しいと思います。
実習生、研修生にも休みが必要かもしれません。こんな厳しいのは自分には無理、と思われても困りますので。
慣れるまでたんたんと治療にあたり、おんまさんの命を救ってくれる獣医さんになって欲しいな