馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

骨柩と腐骨

2008-09-06 | 牛、ウシ、丑

13 黒毛和種の子牛。

生まれてすぐ親に踏まれたらしい。

皮膚は裂けていなかったが、だんだん腫れてきて、数週間経って自潰した。

傷を掻爬することを2回繰り返したが、完治しないとのこと。

P9030363 x線写真では、見事な骨柩12ができている(左上)。

腐骨を摘出しないと完治しないと判断した。

切開して、

掻爬して、

腐骨を摘出した(by Dr.K)。

11中足骨の皮質の一部が腐骨化していたようだ。

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馬より牛の方が腐骨形成することが多いようだ。

骨の質によるのか、感染に対する反応の違いか・・・・・

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involucrum  骨柩 ; 腐骨の周囲にできる新しい骨のさや

sequestrum 腐骨 : 分離片、壊死片 (周囲の健常組織から分離した壊死組織、通常は骨を指す)

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Ca360152

I'm off, these daysCa360150_2 


2 コメント

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陥没骨折でしょうか。 (zebra)
2008-09-07 21:18:40
陥没骨折でしょうか。
獣医師は黙ってまずはx線撮影!というところでもありますでしょうか。
腐骨になりやすいとしたら骨膜が脆弱な割に再生しやすかったりするのでしょうか。
治癒に向かう力は牛のほうが強いような気がします。

症例の皮膚のデブリード?の仕方に興味があります。
皮膚もそれなりに欠損していたと思うのですが、創の閉鎖はどのような形になったのでしょうか。
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>zebraさん (hig)
2008-09-08 05:26:44
>zebraさん
 x線画像で見ると、摘出した骨片は陥没というほど落ち込んではいないのですが、やはり周りから切り離されて腐骨化するんでしょうね。
 馬はこういう折れ方はしにくいように思います。治癒する力が牛の方が強いことも腐骨を覆うように骨柩ができてしまう要因なのかもしれません。

 皮膚は開けっ放しですね。徐々に閉じてくれるのを待つしかありません。
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