馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

グルグルの結腸捻転

2022-07-13 | 急性腹症

朝、Tiebackの予定だったのが、繁殖雌馬の疝痛の依頼。

急遽、Tiebackを延期してもらって、疝痛馬が来るのを待つ。

来院したらもう虚脱状態。PCV57.

目の周りは打撲と擦過傷で腫れている。

「厳しいと思いますよ」と言ったが、「可能性があるならやって欲しい」とのこと。

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開腹したらグルグル捻れた結腸捻転だった。

引っ張り出して、捻れをほどく。

後ろ回りに3回転していた。

壊死している部分もあるのだが、基部には健常な部分が残っているので亜全摘・吻合した。

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この馬、大網が小結腸の腸間膜に癒着していたのでそれは切除した。

盲腸が膨満していて自分では動けなさそうだったので切開して内容を捨てた。

最後に小腸をみたら素直に出てこないように絡んでいたのでほどいた。

おなかの中で竜巻でも起きたようだった。

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それが昼過ぎまでかかって、

午後は去勢と、

午前中に予定していたTiebackと、

子牛の第四胃の膨満の開腹手術と、

飛び込みで当歳馬の小腸捻転の開腹。

ずっと立ちっぱなしで疲れた。

2講連続で講義するよりたいへんだ;笑

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夜中からひどく痛んで苦しんだのだろう。

目の周りから鼻までひどく腫れてしまっている。

状態が悪く見えるが、心拍は40、血検所見も悪くない。

夕方、退院して行った。

 

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2022-07-14 06:41:39
 あきらめなかった牧場の方の期待に応えられてよかったですねまだ管理は大変だと思うけど、生きて欲しい
 この他に2例も開腹してほかにも。それはそれはお疲れだろうと思います。プロテインよりクエン酸と睡眠、でしょか?ご自愛くだださいますよう。

 セールの様子をみたら、個性いろいろだし思いのほか楽しめました。手術歴のほかに「さくへきがあります。」と伝えた場面も。
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>はとぽっけさん (hig)
2022-07-15 06:31:01
まだ安心はできませんが、こういう珍しい状態だったのは不幸中の幸いでした。
結腸切除吻合に始まって、空回腸切除空腸盲腸吻合に終わった日でした。もともと7頭予定が入っていたので・・・・

セールは好調だったようですね。
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